口福のランチ

スパイスの香りに誘われて…… 朝8時からのカレー店「SPICE POST」(東京・代々木八幡)

このところかなり多くのカレー店を食べ歩いているが、似たようなカレーには出合ったことがない。味わいはもちろんコンセプトや持ち味も店によって全く違う。カレーはすごい!とつくづく感じる今日この頃だ。

代々木八幡の「SPICE POST」もそのひとつだ。2年前の2017年、昼間は空いているバーのスペースを借りてオープンした。目指したのは、毎日通いたくなるようなカレー店。実際、週に2日、3日と通う常連客も多いという。現在の営業時間は午前8時から午後3時ごろまで。売り切れ次第、閉店になる。

オープン当初は午前11時30分に店を開けていたが、スパイスのいい香りに誘われた通行人に、仕込み中に何度も「何時からですか?」と声を掛けられたため、開店時間を10時30分に、さらに9時に、とだんだん早くなり、ついには8時オープンになったのだそう。午後3時ごろには閉まってしまうため、朝、出勤前に食べていくビジネスマンもいるようだ。

なみなみと注がれた「チキン&ポーク」のスープカレーがライスでせき止められている

なみなみと注がれた「チキン&ポーク」のスープカレーがライスでせき止められている

メニューは、「チキンカレー(レギュラー750円、ラージ900円)」「キーマカレー(900円)」の単品と、「チキン&キーマ(1100円)」「チキン&ポーク(1150円)」「キーマ&ポーク(1250円)」の合いがけ。チキンとポークはスープ状のカレーだ。それにチキンかキーマとの合いがけが可能な「本日のカレー」もある。ライスは200gから400gまで同じ値段でセレクトできる。

「チキン」はオープン当初からの看板メニューと聞いて、チキン&キーマを注文し、プラス80円でパクチーをトッピングした。黒い陶器の皿にチキンカレーがなみなみと注がれ、ライスの上にキーマカレー、その脇にはタマネギのアチャールとひよこ豆のトッピング、そして中央には独自ブレンドの赤いスパイスが振りかけられた卵黄が鎮座している。

ライス200gの「チキン&キーマ」は、スープカレーにライスの島が浮いているよう

ライス200gの「チキン&キーマ」は、スープカレーにライスの島が浮いているよう

「チキンカレーのスープは何度でもおかわり自由です」とは何とも豪快なサービスではないか。まずは、そのチキンカレーを味わう。トロみが少ないシャバシャバカレーだ。さほど辛くはないが、パンチがないかというとそうではなく、しっかりとしたスパイスの風味とコクがある。香辛料が染みて、スプーンで容易に切れるほどやわらかなチキンがゴロゴロ。レンコンとタケノコがたっぷり入っているが、ジャガイモは使わない。でんぷんがルーに溶け込んで、どうしても重たくなるからだ。

この日の本日のカレーは酸味のある「ポークビンダルー」。チキンカレーとセットで

この日の「本日のカレー」は酸味のある「ポークビンダルー」。チキンカレーとセットで

ビーフ、ポーク、ラムの3種類をブレンドしたひき肉を使い、あえて“肉肉しさ”を強調したキーマカレーは食べ応え十分だ。ルーには、20種類以上のスパイスを使う。スパイスは多ければいいわけではなく、「とにかく調和が大切」と、店を仕切る高瀬晋一さんは話す。入念に作り上げたブレンドのルーは極上の味わいだ。

スパイスのバランスがよく、適度に刺激的なカレーは重たさやしつこさがなく、朝から食べられる。オープンのきっかけも営業時間も流れに身を任せた感じはあるが、カレーには並々ならぬこだわりが詰まっている。もちろん文句なしにおいしくて、いろいろな意味で高得点の店なのだ。

午前8時から営業という看板が目を引く

午前8時から営業という看板が目を引く

SPICE POST
東京都渋谷区富ケ谷1-52-2
070-4233-7788
https://www.facebook.com/SPICE.POST.ft/

PROFILE

森野真代

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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