私の一枚

俳優・仲野太賀が共演作『タロウのバカ』で目の当たりにした親友・菅田将暉のすごみ

9月6日から公開される映画『タロウのバカ』で菅田将暉と共演しています。これは、そのクランクアップの時の一枚です。

将暉とは、もう7~8年来の付き合いになります。きっかけは『ブラックボード』というTBSのスペシャルドラマでの共演でした。同い年で誕生日も近く、馬が合ったというか。それ以来、一緒にご飯を食べたり、買い物に行ったり、彼はミュージシャンでもあるのでギターを弾いたりして、時々一緒に過ごしています。

僕にとっての将暉は、「最近こんなことがあってさ」とか「ちょっと聞いてくれよ」みたいな感じで、身近に起こった楽しいことや大変なことなどをつい報告したくなる存在。将暉もきっとそう思ってくれていると思います。

素顔の彼はとにかく優しいですね。人の悪口は絶対に言わないし、忙しくて大変だろうけど弱気なことは一切言いません。そして体力がすごい。あれだけの仕事量をこなして、なおかつ僕とも遊んでくれるわけで、すごくありがたいし尊敬もしています。

最初は緊張も感じた久々の共演

プライベートで会うことはあっても共演するのは久々だったので、最初は緊張していました。将暉の活躍はいつも見ていて、ひとりの友人として「すごい俳優になったな」と思っていました。それだけに、じゃあ自分の芝居はどうだろうか、「コイツの芝居はこんなもんか」って思われたら嫌だなと思いました。でも、いざ始まってみれば、やっぱり一緒にいてすごく楽でしたし、現場でも居心地がよかったです。

目の当たりにした将暉の演技には、『ブラックボード』の時には感じなかった俳優としての馬力を感じました。役に入ると一気にトップギアにもっていって、そのままどこまでも突っ走ってしまうような、いい意味での危うさやすごみがあって、さすがだなと思いました。

今回はアドリブのシーンもけっこうあって、役者同士という関係以前の、友達として付き合っている時とあまり変わらないような雰囲気を、カメラの前で出すことができたこともうれしかったですね。そんな、2人ならではの雰囲気を出せる作品を、これからも一緒に作れたらいいなと思います。

仲野大賀

すでに10年を超えるキャリアを持つ仲野太賀さん。話題の映画やドラマに多数出演している

俳優デビューのYOSHIが放つ存在感

『タロウのバカ』の見どころは断然、タロウ役のYOSHIです。この映画はYOSHIのための映画だとさえ思っています。僕や将暉とYOSHIは10歳離れていますけど、僕らと同世代のようでもあり、子供のようでもある。彼に似ている人を僕は見たことがありません。“YOSHI”というジャンルだと言ってもいいぐらい、稀有(けう)な存在感を放っています。

彼はいろんな面において自由だし、人の目を気にしないところもある。そういう性格だからこそできることって、絶対にあると思います。どこかで「あ、これはやっちゃまずいかな」って考えて早めにブレーキを踏むところが自分にはあるので、彼のような個性には憧れます。

一緒に芝居をしていても、これが俳優デビューだと思えないぐらいにタロウの異質さを体現していて、その勢いにものすごく引っ張られました。『タロウのバカ』は、YOSHIのおかげで「カッコいい映画」になった気がします。いい映画はたくさんあるけれど、カッコいい映画はなかなかない。でも今回は本当にカッコいい映画になったと思います。

映画『タロウのバカ』の1シーン

『タロウのバカ』のワンシーン。中央がタロウ役のYOSHI(c)2019「タロウのバカ」製作委員会

自分の想像の範疇にない役に挑戦したい

自分も昔は怖さを知らなかったし、新しいことに対して今よりも飛び出していけた気がしますけど、YOSHIのような存在と出会うと、自分もそれなりに歳を重ねてきたんだと思いますね。以前はどの現場に行っても自分が最年少でしたけど、今では年下の役者やスタッフも増えました。

でも、デビュー当時も今も、作品と向きあうたびに新しい何か、違う何かを模索していますし、役柄と比べて自分には何が足りないのか、逆に何が多いのか、その相違点を探して役を作っていく自分なりの作業も、10代の頃から変わらないかもしれません。

その中で、新しいタイプの役や自分が想像もしていなかった役をいただけると、すごくうれしくなります。自分の想像の範疇にない、思わず「こんな役が来た!」って驚くような役に、ずっと挑戦していけたらと思っています。

『タロウのバカ』ポスター

『タロウのバカ』は9月6日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。配給:東京テアトル (c)2019「タロウのバカ」製作委員会

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なかの・たいが 1993年、東京都生まれ。2006年に俳優デビュー。『桐島、部活やめるってよ』『私の男』『あん』などの話題作に相次いで起用され、2016年のドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)ではゆとりモンスター山岸を演じ注目を浴びる。その後も『アズミ・ハルコは行方不明』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『来る』『町田くんの世界』など話題の映画に多数出演。2020年には主演作『静かな雨』の公開も控えている。

■『タロウのバカ』公式サイト
http://www.taro-baka.jp/

PROFILE

髙橋晃浩

福島県郡山市生まれ。ライター/グラフィックデザイナー。ライターとして有名無名問わず1,000人超にインタビューし雑誌、新聞、WEBメディア等に寄稿。CDライナーノーツ執筆は200枚以上。グラフィックデザイナーとしてはCDジャケット、ロゴ、企業パンフなどを手がける。マデニヤル株式会社代表取締役。

『なつぞら』『凪のお暇』に出演の水谷果穂 子供時代は「うるさい」と言われるほどの歌好き少女

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