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マツダ「ボンゴ」が生産終了? キャンピングカー業界にも影響広がる

長年にわたってキャンピングカーのベース車両として愛されてきたマツダ「ボンゴ」が、いよいよ生産終了になる模様です。ビルダーと呼ばれるキャンピングカーメーカーは、ベース車両をマツダやトヨタなどの自動車メーカーから仕入れ、そのサイズや積載量などに合わせて居室部分を設計、架装します。名ベース車両の生産終了で、どんな影響が出るのでしょうか。

 

優秀なベース車両だったボンゴ

ボンゴのトラックタイプは、AtoZ社のアミティシリーズ、ロータスRV社のマンボウシリーズなど、様々なビルダーにコンパクトキャブコンのベース車として採用されてきました。現時点(2019年10月1日)ではマツダの正式発表はありませんが、生産終了を見越して、すでに一部のビルダーはボンゴベースモデルの新規受注を停止しました。

マツダ「ボンゴ」が生産終了? キャンピングカー業界にも影響広がる

ボンゴベースのコンパクトキャブコンとして長年作られてきた、ロータスRV社のマンボウシリーズ(画像提供:ロータスRV販売)

ちなみに今回の生産終了はバンタイプも同様です。ロータスRV社のE-LITEや、リンエイプロダクト社のコンパクトバカンチェスなどのバンコンにも、影響が出ると予想されます。

ボンゴの現行モデルがデビューしたのは、なんと20年も前の1999年。それも1983年にデビューした先代モデルから、運転席周りだけを衝突安全基準に合わせて設計変更したに過ぎないので、基本設計は36年前のまま、ということになります。あまり流行に左右されない商用車とはいえ、超長寿命だったと言えるでしょう。

トヨタ・カムロードと比較しても、車幅こそほとんど変わらないものの(カムロード1695mm/ボンゴ1690mm)、ボンゴはホイールベースが30cm強短いため(同2545mm/2200mm)、取り回しがしやすいというメリットがありました。それでいて十分な積載能力を持つため、キャブコンのベース車としてはうってつけだったのです。

ではなぜ、そんな優秀な車両が生産終了になってしまうのか。その理由は「マツダの商用車生産からの撤退」なのです。撤退ということは、もう後継車種は出てこないということ。あるいは他メーカーのOEMということになります。キャンピングカーに限らず小型トラックの需要はあるはずですから、後継車種がまったくナシというのも考えにくい。おそらくは、資本業務提携関係にあるトヨタ・タウンエーストラックのOEMになるのではないかと思われます。

マツダ「ボンゴ」が生産終了? キャンピングカー業界にも影響広がる

今年5月、9年ぶりに復活したボンゴの上位車種「ボンゴブローニイ」。だが、ご覧の通りトヨタ・ハイエースそのもの。つまりOEMなのである(画像提供:(株)マツダ)

 

ボンゴの代替車両は?

問題は今後、ボンゴベースだったキャンピングカーがどうなるのか、ということです。ボンゴを採用していたビルダーもモデルもたくさんありました。各社にとって、今回の生産終了は決して小さなニュースではないのです。

車両サイズだけで考えるなら、トヨタ・タウンエースでしょう。しかし最大積載量に大きな違いがあります。ボンゴが1150kg(4WDは1000kg)なのに対して、タウンエースは800kg(4WDは750kg)しかありません。エンジンもボンゴは1800cc、タウンエースは1500cc。積載量、エンジンともに、明らかにタウンエースは1クラス下ということになります。つまり、もし仮に従来ボンゴベースだったモデルをタウンエースベースに移行する場合、居室を従来よりさらに軽く、コンパクトに造らねばならない、ということになります。

マツダ「ボンゴ」が生産終了? キャンピングカー業界にも影響広がる

ボンゴの後継としてOEM供給されるのでは?と予想されているのが、トヨタ・タウンエース。コンパクトキャブコンのベースとしてボンゴと比較してしまうと、やや力不足か(画像提供:トヨタ自動車(株))

実際、タウンエースをベースにしているキャブコンもあります。AtoZ社のアレンがそうですね。同社のアミティ(ボンゴベース)と比較してみましょう。

・アミティ
ベース車両=マツダ・ボンゴ
サイズ=全長4690mm/全幅1950mm/全高2770mm

・アレン
ベース車両=トヨタ・タウンエース
サイズ=全長4620mm/全幅1880mm/全高2500mm

アレンのほうがひと回りコンパクトなのが分かりますね。もちろん、違うシリーズですから、いろんな面で(レイアウト、走行性能など)異なるキャラクターを持たせる必要もあり、単純比較はできません。しかし、それぞれの仕上がりサイズは、各ベース車両の能力を考えた結果とも言えます。

 

ボンゴベースが欲しい人は早めに問い合わせを

今回のボンゴのように生産終了する場合もあれば、モデルチェンジで車の形状やサイズが変わることだってあります。そんなとき、キャンピングカーはどうなるのでしょう。ビルダーはあくまで、元になる車両に居室を架装する会社。各自動車メーカーが製造販売する車両を使う以外にないので、その車が変更になる、あるいは手に入らなくなる、となれば、それに対応するしかありません。

ベース車両のモデルチェンジなら、架装部分のサイズ変更やレイアウトにも影響するでしょう。そして今回のように生産終了の場合は、代わりのベース車両を探すしかありません。さて各社、ボンゴの代わりに何を選んでくるか……。それに合わせて、レイアウトやサイズはどう変わるのか、楽しみでもあります。

冒頭にも書いた通り、マツダからの正式発表はまだありません。また、発表があったからといって即、入手できなくなるわけでもありません。しかし、そんなに先のことでもないと思います。ただ、すでにボンゴベースの車両を発注されている方に影響はありませんので安心してください。もし今、ボンゴベースのキャンピングカー購入を考えていらっしゃる方は、ビルダーに早めに問い合わせされることをお勧めします。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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