一眼気分

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

10月に入っても、秋とは思えない気温が続いたが、空の高さと青さ、流れる雲はすでに秋のものだ。
朝方まで降っていた雨が上がったので横浜に向かってみた。なぜ横浜なのかと言えば、どことなくエキゾチックな街並みや港が今でもあり、ちょっとした旅行気分になれるから好きなのだ。

横浜というとつい中華街に足が向いてしまうが、今回は山下公園から大桟橋の方向に歩いた。気温は30度を超える暑さだが、空は抜けるような鮮やかさで、海を渡る風が爽やかな、思いのほか快適な一日だった。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

今年、自分の機材ラインアップに加わったカメラに、ミラーレスの一眼「Canon EOS R」がある。ただ、正直に言えば、特殊な用途を除いて使用回数は多くない。良い機会なので今回はこのミラーレス一眼を持ち出してみることにした。

僕がレンズやカメラに求めるのは映像の再現性の高さと、厳しい撮影環境・状況下でも使用できる安心感である。前者はやはり青い空は青く、深みのある緑、鮮やかな赤の表現などが気になり、後者は通常レース撮影で使うことが多いので、耐候性・耐久性が必要となるからだ。

「Canon EOS R」はボディーが小型軽量化されているが、基本的な耐久レベルは満たしているようなので思い切って使ってみることにする。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

ただ僕自身はカメラやレンズのスペック、数字にはあまり興味がない。単純に自分が気に入ったレンズをつけて使っているだけだ。今市販されているカメラメーカーのものを選べば、どの機種でも写真としては奇麗に撮れるし、通常の用途ならば画質的にも全く問題はない。

最近は各メーカーのレンズが使える変換マウントアダプターも多く出回り、自分の興味のあるレンズを新しい機材で使用することも容易になったので、色々と試してみても面白いかもしれない。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

一枚目のシャッターを切る前に、カメラを構えEVF(電子ファインダー)をのぞいてみた。初期のミラーレス一眼とは比較にならないほど映像がクリアで、タイムラグはあるが、通常の撮影であれば問題のない範囲に収まっていると思う。

もちろんOVF(光学ファインダー)に慣れきっている僕の場合、若干のタイムラグが最初は気になった。しかし、使っているうちにコツみたいなものをつかんだようで、最後は違和感なく撮影している自分がいた。ただし、スマートフォンのように、ファインダーを使わないバックモニターで撮影するのは最後まで苦手だったが……。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

軽量小型で持ち運びが楽なミラーレス一眼カメラ。もちろん性能的にも素晴らしいスペックである。瞬間的な動きや動体の連続撮影を目的としなければ、この選択はありだと思う。

ただ忘れないで欲しいのは、カメラとレンズがどれだけに進化したとしても、しょせんは道具であり、フレーミングが自分の視野であり表現だということだ。どんなカメラを使っても自分のスタイルはそう変わるものではない。だから「何をどう撮りたいか」、シャッターを切る瞬間に想(おも)いを込めて欲しい。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

そして私が不思議に感じるのは、どんな最新の機材を使っても、被写体によっては数十年前のオールドレンズの方が雰囲気ある表現をすることがある、ということだ。この辺りはデータでは解析できない感覚的なものがあるのだろう。いわゆるレンズの「味」みたいなものを感じる。

ただ僕自身、新旧レンズを使って同時に撮影した写真を比べたことがない。個人的にも興味があるので、近いうちに最新のレンズとオールドレンズでの比較撮影をやってみたいと思う。

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

ミラーレス一眼で“横浜”を撮る スペックより大切なことは

使用機材:Canon EOS R + SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM、SIGMA 14mm F1.8 DG HSM

PROFILE

宮田正和

東京浅草生まれ。1984年のロサンゼルス・オリンピックをはじめ、NBAバスケットボール、各種世界選手権、テニスのグランドスラム大会、ゴルフの全英オープンなどスポーツを中心に世界を舞台に撮影を続ける。1987年、ブラジルF1グランプリを撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年よりフランスのパリ、ニースに4年間ベースを移し、以来F1グランプリ、オートバイの世界選手権、ルマン24時間耐久レースなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。AIPS(国際スポーツ記者協会会員)A.J.P.S(日本スポーツプレス協会会員)F.O.P.A(Formula One Photographers Association会員)

“映える”写真を撮るために、あえて「夜」というシチュエーションを提案したい

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モータースポーツを撮ってきた写真家が女子ゴルフ大会で切り取った静と動

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