キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

みなさん、朗報です。キャンピングカー「専用」エアコンが、ついに誕生します。家庭用エアコンを搭載した車両は最近増えてきましたが、その大きさゆえに設置場所に困っていた方も多いはず。省スペースかつパワフル、省エネな新製品の登場で、愛車のエアコン問題が一気に解決するかもしれません。

従来型のエアコンは電源や設置スペース確保に課題

今年の夏も猛暑でした。年々、夏の気候は厳しくなっている気がします。少し前まで、アメリカ製キャンピングカーなどの一部車両を除けば、停車時のエアコンなんてないのが当たり前でした。「暑いときには涼しい場所に行けばいいんだよ」なんて言っていたものですが、ここ数年の猛暑ぶりときたら、北海道ですらエアコンなしでは過ごせないほど。そんなニーズの高まりに対応して、エアコンを搭載する車両が増えているのです。

キャンピングカーにエアコンを搭載する方法は大きく分けて二つでした。

一つはルーフエアコン。車載用に作られた、車両の天井に設置するタイプのエアコンです。アメリカ製やヨーロッパ製がありますが、いずれも消費電力が大きく、外部電源やジェネレーターが必要なため、使える場所は限られます。また、室内機・室外機一体型のため場所は取りませんが、騒音が大きいというデメリットもあります。

もう一つが家庭用エアコンです。日本製の家庭用エアコンは省エネ性能にも優れ、音も静か。最近の人気装備のひとつです。外部電源はもとより、サブバッテリーを増設してインバーターを経由すれば、外部電源なしでもある程度の時間稼働できます。室内機・室外機が別なので、それぞれの設置場所に応じた設計が必要です。

搭載車両は増えてきたものの、ルーフエアコンは電源、家庭用エアコンは設置スペースを確保することが課題でした。しかしついに、こうした問題をクリアする新しいエアコンシステムが登場したのです。

キャンピングカーの使用条件を考えた設計

今回新しいエアコンシステム「直流インバータ・クーラー」を発表したのは、株式会社オズ・エンジニアリング(本社・神奈川県)。聞きなれない名前かもしれませんが、キャンピングカーの人気ベース車両・いすゞ「びーかむ」で使用されているエアコンシステム「アイ・クール」を開発した会社、と聞けば、ピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回開発されたシステムは、アイ・クールとは別のもの。アイ・クールが基本的にトラック用だったのに対し、今回のエアコンは、本格的にキャンピングカーの居室部分のために開発されたのが特徴です。具体的にどんな製品なのか、お伝えしましょう。

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

室内機は家庭用エアコンよりもぐっと小さい。キャブコンやハイルーフ車なら難なく装着できそう

・DC12V(24V用もあり)で直接駆動!

家庭用エアコンはAC100V(家庭用電源)でしか動かないため、キャンピングカーの場合、サブバッテリー(DC12V)からインバーターを経由しないと使えませんでした。しかしこの製品なら、直接サブバッテリーに接続できるという大きなメリットがあります。インバーターでDC12VからAC100Vに変換すると、電力ロスも生じます。インバーターが不要なぶん、設置スペース的にも有利です。また、AC100Vがある場所での使用にも対応するため、オプションでAC入力ユニットが用意される予定とか。

・省エネ仕様

冷房能力は2.2kwと、家庭用なら6畳用に匹敵する十分なパワー。ただそれだけでなく、省エネ性能にもすぐれているのです。コンプレッサーやファンモーターは「インバーター制御」(ややこしいですがDC12V→AC100Vのためのインバーターとは別。モーターの制御システムのこと)。この制御システムのおかげで、最大出力時は60Aですが、いったん室内が冷えてしまえば10~15A程度で稼働することができるのです。

・車載用に特化した設計

室内機は幅65cm・高さ28cm・奥行き16cmのコンパクトサイズ! 重量も室内機6kg、室外機が18.5~20kg(形状によって異なる)と軽量です。さらに、前後左右、最大10度まで傾けても対応できるようになっています。車載することを前提に設計されているため、配管には振動に強いゴムを使用(家庭用では銅管)。室外機に使われる鋼板も、亜鉛めっき鋼板に更に塗装を施し、さび対策をしています。

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

ルーフ設置型室外機。20kgと軽量なので、ルーフの強度や重心などの心配が少ない(ただし車両による)

・小型な室外機

室外機は搭載の方法によってルーフ用・背面用・床下用の3タイプが用意されています。特筆すべきなのは床下用室外機の幅50cm・高さ26cm・奥行き35cmというコンパクトさ。例えばトヨタ・ハイエースならば、そのまま床下に設置できるサイズです。家庭用エアコンを後付けしようとすると、重くて大きい室外機の設置スペースが課題になりますが、この床下設置型なら、ほぼ場所に困りません。

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

床下吊り下げ式の室外機(通常タイプ)。高さ39cmと小型なので、キャブコンの床下なら余裕で収まる

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

現在開発中の吊り下げ式室外機は、通常タイプよりさらに薄型で高さはなんと26cm! ハイエースのリアに設置してもバンパーより飛び出さないコンパクトさだ

・ダクト式室内機

壁面設置型の室内機は、キャブコンやハイルーフ車など天井の高い車両には適しているのですが、ミドルルーフや標準ルーフ車など、室内高が低い車両では設置場所に困ることも。そんな場合のために、床置きができる「ダクト式室内機」が用意されています。こちらは幅23.5cm、高さ39.5cm、奥行き50cmのコンパクトサイズなので、ソファ下などのスペースを利用すれば設置が可能です。

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

床置きもできるダクト式室内機。FFヒーターのようにダクトで冷気を分配する方式なので、設置の自由度は飛躍的に高まる

パワフルで省エネ、設置場所もさまざまなパターンに対応可能。さらに省スペース設計で、キャブコンやバンコン、トレーラーのみならず、うまく考えれば軽にも搭載できそうです。新車への設置だけでなく、後付けも簡単。気になるのは価格ですが、オズ・エンジニアリング社によれば、20万円以下で供給できそうとのこと。発売時期や販売体制などの詳細は、10月末ごろ発表予定だそうです。来夏に向けて、ぜひチェックしたい製品であることは間違いありません。

【取材協力】
オズ・エンジニアリング(同社HPはこちら
 TEL: 045-620-4095

関連記事

運転音も燃料消費も抑えられる最新の発電機、キャンピングカー用に選ぶコツは?

冬がやってくる前に! 点検したいFFヒーターのお話

地震、台風、災害時にはシェルターに変身 キャンピングカーにできること

キャンピングカーで行こう!:連載一覧はこちら

\ FOLLOW US /

キャンピングカーで快適に過ごす! 画期的な新型エアコン登場

&M公式SNSアカウント

TwitterInstagram

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

マツダ「ボンゴ」が生産終了? キャンピングカー業界にも影響広がる

トップへ戻る

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

RECOMMENDおすすめの記事