キャンピングカーで行こう!

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

トヨタ自動車が年内に発売する新型車「グランエース」を発表しました。この車は先に輸出仕様車が発売され、出荷される際の写真がネットに出回るなど、話題になっていました。このたびいよいよ「国内仕様車」が発表され、10月24日から始まる「東京モーターショー2019」で展示されます。

「グランエース」の概要

先に発売されている海外仕様車は、フィリピンでは“All New HIACE”と呼ばれ(フィリピンでは既存のハイエースも発売されているため、差別化を狙ったネーミングか)、タイでは“Majesty”と呼ばれています。日本での名前は「グランエース(GranAce)」。ハイエースの姉妹ブランドと思われるかもしれませんが、あくまでも乗用ワゴン車で、貨物仕様はありません。

ボディーサイズは全長5.3m・全幅1.97m・全高1.99m。全長はハイエースのスーパーロングに匹敵、幅は+10cmですから、かなりのボリューム感といえるでしょう。

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

全長5.3m、ホイルベース3.21mはハイエース・スーパーロングとほぼ同じ。堂々たるボリューム感だ

シートレイアウトは2種類。3列シート6人乗りと4列シート8人乗りの2タイプが設定されています。マーケットとしては、ホテル送迎車やワゴンタクシーの需要を中心に考えているようです。駆動方式はFR(後輪駆動)、エンジンは2.8Lターボディーゼルのみとのこと。

ここまで解説すると、2002年に生産終了したトヨタ・グランドハイエースを思い出す方もいらっしゃるでしょう。グランドハイエースもハイエースを名乗りながら、乗用ワゴン車でした。グランドハイエースにはキャンパー特装車(※1)があり、バンコンはもとより、ボディーをカットしてキャブコンも作られました。グランドハイエースベースのキャンピングカーは、いまでも人気が高いモデルです。そのグランドハイエースから17年ぶり(キャンパー特装から見れば14年ぶり)の、乗用ワゴン車。キャンピングカーのベース車としての魅力はあるのでしょうか?

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

かつてはあった、グランドハイエースベースのキャブコン。グランエースもキャンパー特装が出れば、こんな展開も考えられるはず

(※1)キャンパー特装車…キャンピングカーに加工することを前提に、後部の内装などをはぶいた状態で、車両メーカーから各ビルダーに卸される車両。内装などが省かれている分、一般販売価格よりもかなり安価。そのためキャンピングカーに架装しても現実的な価格設定ができる。

キャンピングカーのベース車両になる?

トヨタ・ハイエースや日産・NV350キャラバンといったキャブオーバーバンと比べれば、グランエースはセミボンネットタイプ。キャンピングカー(バンコン)として架装する際には室内長の面で不利になります。ハイエース・スーパーロング並みの車長があっても、ボンネットの分だけ室内長が短くなるのです。

ではキャブコンベースとしてはどうか、という話ですが、今のところ、この車両のキャンパー特装の設定はありません。高価な車両をわざわざ切断して居室部分を架装するとなると、相当高額なキャブコンになってしまいます。

ではキャンピングカーとしてどんなニーズが考えられるかといえば、「商用車然としたスタイルは嫌」「乗用車に近い乗り心地がほしい」といった声には応えられそうです。

そういった意味では、トヨタ・アルファードをベースにしたミスティック社の「バルテオ」やメルセデス・ベンツの「マルコポーロ」(※2)あたりがライバルになるでしょう。

(※2)マルコポーロ…ドイツのメルセデス・ベンツが販売しているVクラスベースの(架装はウェストファリア社)キャンピングカー。日本でもベンツディーラーが受注生産に応じていました。現在は公式カタログから消えています(2019年10月17日現在)。

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クロームを多用した、押し出し満点のいかついフロントマスクは最近のトレンドか

もう少し具体的にチェックしてみましょう。

【乗り心地】

車内各所に木目パネルやクロムを配するなど、あくまでも乗用車としてのラグジュアリー感を意識したインテリア。シートもゆったりしており、特に運転席・助手席の座面クッションにたっぷりと厚みを持たせているあたりは、床下にエンジンがないセミボンネットタイプならではと言えるでしょう。タイヤの位置も前方になるので、ハイエースのように突き上げられることもありませんから、乗り心地はかなりいいはずです。座面が低く、乗り降りがしやすいのもセミボンネットタイプのメリットです。

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

後部座席もゆったりとして高級感がある。ただし、キャンピングカーに架装するにはこれらのシートを除去することになるので、やはりキャンパー特装が欲しい!

【レイアウト】

立派なセンターコンソールがあり、パーキングブレーキも運転席左側にあるため、運転席・助手席から後席へのウォークスルーにはなっていません。座席を回転させるのも難しそうなのは残念なところです。室内高は期待できませんから、メルセデス・ベンツ「マルコポーロ」のようにポップアップルーフを架装するか、車中泊車として割り切るかの選択になります。

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

インストルメントパネル周りも乗用車然としている。立派なセンターコンソールは豪華だが、おかげでウォークスルーでないのは残念

今回発表されたのは標準ボディー車だけで、海外で発売されているロングボディー・ハイルーフ車の発売はないようです。ロングボディー車は全長5.9mあり、これをベースにすれば、使いやすい右ハンドルの左側スライドドアで、フィアット・デュカトと同じようなバンコンが作れそうなのに。そう考えると残念です。

トヨタ待望の新型ワゴン「グランエース」が登場! キャンピングカーに変身できる?

海外では販売されているハイルーフ・ロングボディ。このタイプならフィアット・デュカト並みにバンコンの素材として面白いと思うのだが……

ホテル送迎車やハイヤーなどの企業ユースをメインに考えていることや、高級感のある内装などを考えれば、車両価格はかなり高価になると予想されます。キャンパー特装が用意される可能性も低いので、価格的には厳しいところ。それでも新たな可能性として挑戦するビルダーの登場を期待したいですね。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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