“かっこいい”との付き合い方

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

ルックスがいいことは、男の武器なのか――。「見た目」に価値を付与されがちな芸能界で仕事を全うする男性は、自分のルックスをどうとらえているのだろうか。

現在ドラマ『シャーロック』に主演するディーン・フジオカさんは、香港・台湾でも活躍してきた経歴を持つ。さまざまな土地や環境での経験は、自身の価値観を浮き彫りにしたという。そんなディーンさんは今、どんな人を「かっこいい」ととらえているのか――。

【関連記事】

藤木直人、不惑を超えてからの自己評価「僕は“かっこいい”の対極にいる人間」

玉木宏「感じたことを素直に受け入れる人になりたい」 40歳目前で感じる理想の男性像

東出昌大「“イケメン”にくくられることは気にしない」

井浦新「若い頃は早く“シワ”の多い顔になりたかった」

ちゃんと責任を負える人はいいなと思う

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

――ディーンさんは昨年から今年にかけて『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(2018年4〜6月)、『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(2019年1月)と、海外の名作古典を現代日本版に翻案するドラマに出演を重ねてこられました。そして今回は『シャーロック・ホームズ』シリーズをベースにした『シャーロック』に挑みます。

ディーン 名作シリーズでは、太田大プロデューサーといろんなトライをやってきました。その都度、なかなか一筋縄ではいかないプロジェクトだったので、今回はそのときの挑戦から学んだものを最大限に生かして、相棒を演じる岩ちゃん(岩田剛典)と一緒に作っていけたらと思っています。

――『シャーロック・ホームズ』シリーズは映像化作品も多いので、今回も大きな「挑戦」だったのではないかと思います。

ディーン そうですね。(過去の映像化作品を)まねするだけになってしまったら、「なんでやってるの?」ってなってしまいますから、どうやったら自分たちが名作をこの東京でやる意味が生まれるのか、ディスカッションというか、自問自答もすごく重ねました。

――この連載では、俳優の方それぞれにとって「かっこいい」とは何か、ということを尋ねています。ディーンさんは、香港や台湾でも活躍されてきました。いろんな土地での暮らしの中で、何をかっこいいと思うか、価値観が変化することはありましたか?

ディーン なんだろうな。やっぱりその都度変わってきたかもしれないですね。もちろん、僕という人間は変わらないので、芯にあるものが変わったかというとそうじゃないと思うんですけど、そうした価値観の部分が変わらないというと噓(うそ)になると思います。

例えば、何かに対して「なぜこうなったのだろう」と思うことがあったり、「この考え方は合わないな」と疑問に思ったりすることがあるとしますよね。そういう疑問に触れたときに、自分の価値観が明確になると思うんですよ。環境が変わる中で、僕個人のある程度の部分はそれに影響を受けただろうし、「なぜだろう」ということには出会ってきました。そういう出来事の中で価値観をアップデートしたり、もしくは拒否反応を起こしたりということはあったと思います。

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

――その結果、どうあることが「かっこいい」という境地にたどり着いていますか?

ディーン ずっと変わらない芯の部分でいうと、ちゃんと責任を負える人がいいなと思いますね。背負える人、というか。昔は、気ままにふらっと自由に生きてる姿をかっこいいと思っていたときもあったけれど、そういうのは一種の錯覚かもしれないな、と。

今は、一個人という単位を越えた意識を持って社会にコミットし、それゆえに個人としてなんらかの行動が生まれている人に「かっこよさ」を感じます。そういう人を見ると自分も気が引き締まるし、そうなれたらいいな、と思います。

かっこつけるのは、やっていて飽きる

――ご自身の身ひとつで海外に渡り、エンターテインメントの場で勝負をするときには、ビジュアルもひとつの武器になっていたのかなと思います。ご自分ではそこは意識されていましたか?

ディーン もちろん、アジア人の役があるときは、アジア人であることが武器になると思います。そういうときに、自分をどこにロケートする(位置づける)かって、生きていく上でのセンスだと思うんですね。だから、そこにいる人が何を求めているのか、いかに自分を求めてもらえるか、あるいはやったことに対して「ありがとう」と言ってもらえるかっていうことは重要だと思います。

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

――例えば、そこで「ありがとう」と言ってくれるのは、仕事で関わる人の場合もあれば、ファンの方の場合もあると思うんです。ファンの方だったら、「かっこいい」ディーンさんを見たい気持ちもあるのかなと思います。そういう求められ方に対しては、どう応えようと考えていますか?

ディーン まあ、かっこ悪いよりは、かっこいい姿でいてほしいんじゃないかと思いますけど、たまに失敗した姿を見て笑ってもらえたり、親近感を持ってもらえたりすることもあるし、完璧は求めてないのかなと。だって、かっこつけるのって、やってて飽きるじゃないですか。だから、そこは頑張りすぎなくていいのかなと思いますね。

――今回『シャーロック』で演じている獅子雄(=ホームズ)は、どういうところが魅力だと思いますか?

ディーン 獅子雄は犯罪やその謎を解くことに異常なほどこだわる人で、僕は彼のそこへの向き合い方がすごく純粋だと思います。彼のその動機は一見身勝手に見えるかもしれませんが、バタフライ・エフェクト()というか、その純粋な衝動みたいなものが周囲に影響をもたらしていく。

*初期条件の小さな差が、大きな結果の違いを生むこと

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

最初っから「人のために」って生きてる人なんていないと思います。最初は自分の好奇心や自分がやりたいことから行動をして、人のためになるとは思ってなくても、それが巡り巡って人や社会に対して何かいい影響を与えている人もいます。そういう人に遭遇すると、すごいなって思うんです。

もちろん、その人は、身近な人からするとパーフェクトな存在ではないかもしれない。同じように、獅子雄も若宮(=ワトソン/演:岩田剛典)を困惑させているかもしれませんが、物語が進むにしたがって、その関係性や意味も変わっていくのかなと思います。まだ脚本が全部できあがってないんですけど、そういう変化があることを僕も期待しています。

(聞き手/西森路代 撮影/宮田浩史)

プロフィール

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

ディーン・フジオカ
1980年8月19日生まれ。香港で俳優デビューし、その後台湾で活動を重ねる。2016年、連続テレビ小説『あさが来た』で日本国内でも注目を集めた。『シャーロック』主題歌も含めたEP「Shelly」が12月11日リリース予定。

関連記事

藤木直人、不惑を超えてからの自己評価「僕は“かっこいい”の対極にいる人間」

玉木宏「感じたことを素直に受け入れる人になりたい」 40歳目前で感じる理想の男性像

東出昌大「“イケメン”にくくられることは気にしない」

井浦新「若い頃は早く“シワ”の多い顔になりたかった」

\ FOLLOW US /

ディーン・フジオカ「社会に対してコミットして行動している人に、かっこよさを感じます」

&M公式SNSアカウント

TwitterInstagram

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

藤木直人、不惑を超えてからの自己評価「僕は“かっこいい”の対極にいる人間」

トップへ戻る

RECOMMENDおすすめの記事