小川フミオのモーターカー

V6エンジンを採用し運動性能を向上させた 3代目フェアレディ Z31

2019年は日産「フェアレディZ」が初代デビュー以来50周年を迎えた。とりわけ北米ではクルマ関連のイベントなどで、ことあるごとに、メーカーやファンによるお祝いの展示があった。“みんな、Zカーが好きなんだなあ”と感慨深かった。

(TOP画像:1983年の2シーター300ZX)

確かに今では6代目になるフェアレディZ、どのモデルも思い出深い。比較的高額のスポーツカーであり、数がそう売れるモデルではないので、陳腐化しにくい(見飽きない)という理由もあるのだろう。思い出深いことに加え、歴代モデルはどれも魅力が薄らいでいないように感じるのだ。

300ZX 2by2のリアビュー

300ZX 2by2のリアビュー

「Z31」型と呼ばれるフェアレディZとしては3代目にあたるモデルは、1983年に発売された。この時期は、日本のメーカーが米国追従のクルマ作りから脱し、独自性を模索しつつ、ドイツ車に範をとった高性能化を目指していたのをよく覚えている。

300ZXのダッシュボード

300ZXのダッシュボード

Z31で特筆すべきは、従来の直列6気筒をやめ、V型6気筒エンジンを採用したことだ。ファンはちょっと落胆したけれど、メーカーには「エンジン前後長を切り詰めることで運動性能を向上させる」という、明確な理由があった。

サスペンションシステムはスポーティーな方向で改良が加えられ、左右車輪間の幅であるトレッド(英語だとトラック)も拡大。カーブを曲がる際の性能の向上が謳(うた)われていたのである。

300ZX 2by2のインテリア

300ZX 2by2のインテリア

欧州仕様は最高巡航スピードが時速250キロに達したのも日産の自慢で、一般の私たちも、“日産、ポルシェに勝て”なんて、応援したくなったものだ。

85年の2シーター200 ZR-II

85年の2シーター200 ZR-II (Tバールーフ仕様)

Z31は89年まで作られたが、途中、大きなマイナーチェンジが行われた。85年に直列6気筒がツインターボ化されて復活していたことに加え、86年にはスタイリングが大きく変更されたのだ。

それまでのボディーは、フロント、リア、そして側面を別々にデザインして、あとで合体させたような、かつての米国車のようなデザイン手法を連想させたが、86年のマイナーチェンジで変わった。ふくよかさを感じさせるふくらみをもったフェンダーなど、スタイリングがいっきに現代的になって、魅力がアップした。

86年の2by2 300ZR

86年の2by2 300ZR

ボディーのリデザインを手がけたのは、日産が米サンディエゴに持っていた「Nissan Design International(NDI)」(現「Nissan Design America」)と言われていた。テラノ(86年)なども同スタジオが大きく関与したと当時話題になったものだ。

Z31はスタイリングもさることながら、さらにこの頃から高性能化に拍車をかけた。上記のリスタイリングと並行して、DOHC24バルブ化したV6エンジンを搭載した高性能フラッグシップ「300ZR」を追加したのも86年である。

2シーター200 ZR-IIのインテリア

2シーター200 ZR-IIのインテリア

88年には当時としては画期的な偏平率50パーセントのタイヤと、スポーツモデルに必須といわれたリミテッドスリップディフが追加装備されるなど、バブル経済が訪れるなか、次のZ32(89年)に向けて、さらに加速していった。

【スペックス】
車名 日産フェアレディZ 2シーター300ZX
全長×全幅×全高 4335×1725×1295mm
2960ccV型6気筒ターボ 後輪駆動
最高出力 230ps@5200rpm
最大トルク 34.0kgm@3600rpm

(写真=日産自動車提供)

もっと読みたい

最強のエンジンとスタイリングを備えていたフェアレディZ 32

小川フミオのモーターカー:連載一覧はこちら

\ FOLLOW US /

V6エンジンを採用し運動性能を向上させた 3代目フェアレディ Z31

&M公式SNSアカウント

TwitterInstagramFacebook

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

PROFILE

小川フミオ

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

セダンの原点は実はここにある フィアット128

トップへ戻る

“自分の信じるものこそ人のためになる” モノ作りの信念を貫いた「サーブ95」

RECOMMENDおすすめの記事