或る旅と写真

キレイでおいしい、最先端な中国・杭州の日常を撮る

フォトグラファーの高橋伸哉さんが、「或る旅」の記憶をつづるフォトダイアリー。今回訪れたのは中国の杭州です。

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中国のイメージって、皆さんはどうだろうか? 幼い頃から映画が好きな自分は、ジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウぐらいしか知らない(香港出身の俳優だけど)。

正直、大陸は混沌(こんとん)としたイメージで、とても感情的な人がいたり、路上にゴミが落ちていたりと、勝手に思っていた。他国のことなんてのは、追究しない限り国内に流れている情報でしか知らないから。

そんな中国の杭州という土地に旅をしてきた。日本から直行便があるので、2時間半から3時間ほどで到着する。本当に近い。

杭州は日本語読みで「こうしゅう」。広州と間違う人がいるので、「くいしゅう」と読まれることもある。杭州は上海に近くて、広州は香港の隣。杭州といえば、やはり西湖が有名であろう。「天に極楽あり、地に蘇州、杭州あり」と称されるほど、美しい景色の多い土地である。

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衝撃的だった、街の活気と蒸し暑さ

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いま杭州は観光に力を入れていて、2022年にアジア競技大会が開催されるなど注目の都市だ。街は活気にあふれ、都市部にはゴミひとつ落ちていない。そう、まずここで自分が思う中国とのギャップに驚くのだ。

地震のない場所ということもあり、建築基準もある程度自由なのか、日本ではまず見ないようなビル群やホテルが所狭しと立ち並ぶ。

週に3回、その建物たちがイルミネーションに彩られて輝き、ナイトショーを繰り広げる様は圧巻というほかない。家族連れもカップルも、それを楽しみに見にくるのである。ショーといえば、西湖の水上ショーもすごく感動した。

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ショッピングモールなどの施設も美しくて、若者たちがおしゃれを楽しみ、どこの飲食店もお客さんがいっぱいで賑(にぎ)わっている。なんか自分が想像していた中国と全然違う。

ただ、訪れた季節(今回は8月後半だった)にもよるけど、とにかく蒸し暑い。自分史上最高に蒸し暑くて、地元の人がおなかを見せながら歩いている理由がようやくわかったほどだ。とにかく蒸し暑い(笑)。

しかし、地元民は慣れたものなのか笑顔も多く、社交ダンスなどを楽しむ姿があちこちで見られるほどに平和である。

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珍食・美味・笑顔があふれる市場に心おどる

歴史のある杭州には、寺院をはじめ観光名所も多い。ただ、美しい景色や観光地もよいけど、正直いうと写真家としては杭州の日常を撮りたい。ということで、地元の人が集いそうな市場に行ってみた。

楽しい。興奮する。やはり活気ある市場は、スナップが好きな自分としては魅力にあふれるところである。ただ、ここで載せられないような過激な写真もあるので、そういうものは写真集や個展用においておく。

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まずびっくりしたのは、普通にぴょんぴょん跳ねている、生きたでかいカエルが、あちこちで売られていたこと。「日本でもカエルはよく食べるんですよね?」「いや、食べないよ」みたいな会話をしているあたり、国は近いけどお互い何もわかってないんだなと感じる。

ほかに、川魚や新鮮な野菜、見たこともないような生き物、豚の心臓やあれやこれやなどが大きな市場に所狭しと並んでいた。

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あと、気候の関係なのか、中国では一年中スイカが売られているらしい。スイカジュースがとにかく甘くておいしい。杭州=スイカ、みたいな印象になったくらいだ。もしも杭州に行くことがあるならば、有名な漢方やお茶に加えて、必ずスイカジュースを試してほしい。

そして、ここで感じたことがもう一つ。中国語を初めて聞くと、「怒っているのかな?」と思うような早口なんだけど、顔は笑顔だったりする。なるほど、自分と同じ関西人みたいなもんだなと、だんだんと慣れてくるのである。

杭州の地元の人は、とても愛想がよくて優しかったのだが、訪れる前に持っていた勝手なイメージが強すぎただけに、ここ中国の地に立って、すべてがいい方向に変わってゆくのだった。

肌で感じる「ハイテク」と「古きよき」の見事な融合

中国では支払いのキャッシュレス化が進んでいて、もはや現金でやりとりするところを見ないくらいなのだけど、こういう地元の市場ではさすがに現金でやりとりしているんだろうと思ったら、なんとここでもキャッシュレスが当たり前である。スマホでQRコードをかざすだけ。

なるほど、なんだか自分が思っていた中国とはやはり違うようである。目まぐるしく発展が進むいまの中国の勢いをまざまざと見せつけられ、なぜか日本が乗り遅れてる感じすらしてしまった。やはり世界を旅するというのは大事だなと思った。

もう一つ、路上にはゴミひとつなく、こちらも「清潔」というイメージが印象に残った。そして、アジアは何カ国も訪れているのだが、その中では杭州料理が一番おいしかった。

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中国ならではの楽しみも味わった。船頭さんがこぐ小舟にゆられ美しい夕暮れを見ながら川を渡る。歴史情緒のある町並みを歩く。

新しい時代とともに最先端を目ざして発展していく街並みと、古きよき町並みが融合された杭州。ぜひ旅行先としておすすめしたい。きっとこれから訪れる日本人も増えるだろう。

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PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972

壮大な氷と火山の国 フォトグラファー仲間と一周したアイスランド

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