キャンピングカーで行こう!

吉野彰さんノーベル賞で大注目 リチウムイオンバッテリーで一気に快適化を!

キャンピングカーでの快適な生活を考える上で欠かせないもの、それは「電気」です。照明や空調などがそこで過ごす人の居心地を直接左右するのは、一般家庭と同様です。その電気の源となるのがサブバッテリー。これは、エンジンに搭載されているバッテリーとは別のものです。
今回はサブバッテリーとして近年人気上昇中の、リチウムイオンバッテリーの話題です。

(TOP写真:電化製品が充実し内部が快適になればなるほど、消費電力も大きくなる。高橋克典撮影)

リチウムイオンバッテリーは日本の誇り!

先日、吉野彰さんがノーベル化学賞に輝いたというニュースがありました。リチウムイオンバッテリーを開発した功績をたたえられての受賞です。

そもそもバッテリーは、電極に使われる材料によって分類されます。同時に、発生する電圧や取り扱い方も電極の種類によって異なります。

これまで、キャンピングカーのサブバッテリーには主に、鉛バッテリーが利用されてきました。鉛バッテリーは、自動車のエンジン始動用に用いられる「スターティング・バッテリー」が広く知られています。エンジンに取り付けられた発電機からの出力を分岐すれば、簡単に走行充電ができるなどの利点があります。

一方、同じ鉛バッテリーでも、サブバッテリーに使われているのは「ディープサイクル・バッテリー」と呼ばれるもので、異なる特性を持っています。

ごく単純にたとえるなら、スターティング・バッテリーは短距離走者、ディープサイクル・バッテリーは長距離走者というところでしょうか。前者はエンジンをスタートさせるために、一気に大きな電流を放出するのに向いています。一方、後者は、長時間にわたり製品を使うような、少量の電流を放出し続ける使い方に向いているのです。

どちらにしても、鉛バッテリーには欠点があります。何より、大きく、重たいのです。

そこで、次世代のサブバッテリーとして期待されているのがリチウムイオン・バッテリーに他なりません。鉛バッテリーと比較してエネルギー密度が高く、同じ体積でも、より大きな容量のバッテリーが搭載できます。

同一容量の鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの特性の違い。放電の仕方も、実際に使える時間も、大きく違う

同一容量の鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの特性の違い。放電の仕方も、実際に使える時間も、大きく違う

ただ、鉛バッテリーに比べて価格が高い、充放電の管理が鉛バッテリーと異なる、などの問題がありました。より性能が優れれば、それだけ価格にも反映します。このあたりの詳しいお話は、以前も取り上げていますので、興味のある方はぜひご参照ください。

では、電気を使う私たちの方の変化はどうでしょう?

テレビはブラウン管から液晶パネル式に取って代わられました。薄型で軽量なことから、キャンピングカーにも装備しやすくなりました。照明もLED=発光ダイオードに取って代わられ、省エネががぜん進みました。

また、電子レンジや家庭用エアコンも、最新型はかなりの省エネ設計。そのため、キャンピングカーにも搭載しやすくなったという背景があります。

ひとつひとつの製品の消費電力が低下した半面、快適な生活を旅先まで持ち出そうとするなら、それなりの電気を使うことになります。バッテリーの容量も車の積載能力も無限大ではありませんから、なるべく小さく、大容量が確保できるリチウムイオンバッテリーの人気が上昇し続けている、というわけです。

ネックだった価格問題が解決へ?

リチウムイオンバッテリーのほうがいいのはわかっていても、やはり引っかかるのは価格の問題。ですが、最近になって、リチウムイオンバッテリーの周辺に新しい動きが出てきました。

トヨタ・ハイエースや三菱・デリカD:5ベースのバンコンや、ユニークな国産キャンピングトレーラーを製作しているケイワークス(愛知県豊橋市)は、同社のオーロラシリーズ(バンコン)全車にリチウムイオンバッテリーを標準搭載。従来モデルにオプション追加ではなく、いきなり全車標準というのだから英断です。

気になる価格ですが、従来価格に20数万円のプラスに抑えています。

ケイワークスの車両にディスプレイされた、同社オリジナルのサブバッテリーシステムの説明。リチウムイオンバッテリーのメリットが分かりやすく紹介されている

ケイワークスの車両にディスプレイされた、同社オリジナルのサブバッテリーシステムの説明。リチウムイオンバッテリーのメリットが分かりやすく紹介されている

独特なデザインで人気のキャブコンやトラックキャンパーを得意とするミスティック(山梨県甲斐市)は、200A(オプションで400A)のリチウムイオンバッテリーと充電器やソーラーパネルをセットにした商品の受注を開始しました。

価格はセットで619,200円(発売記念価格497,200円)。一見高価に思えますが、バッテリー本体に加え、充電器、ソーラーパネル&コントローラー、残量計、さらに2kWインバーターまでがパッケージされていることを考えれば、むしろお値打ちと言えそうです。

いまの愛車にソーラーパネルやインバーターなどは装備済みで、バッテリーだけリチウムイオンに交換したい! という要望もあるでしょう。

そんな方には、販売店キャンピングカーオーゼット(東京都あきる野市)のリチウムイオンバッテリーがおすすめです。鉛バッテリーと変わらないサイズで設置しやすく、もちろん容量は倍増。BMS=Battery Management Systemも組み込まれているなど、交換を考えるにはぴったりです。

キャンピングカーオーゼットのリチウムイオンバッテリー。125Ahで13.5キロと非常に軽量なうえに、BMS付きで鉛バッテリーと変わらない外形寸法なので、入れ替えも簡単だ

キャンピングカーオーゼットのリチウムイオンバッテリー。125Ahで13.5キロと非常に軽量なうえに、BMS付きで鉛バッテリーと変わらない外形寸法なので、入れ替えも簡単だ

気になる価格は125Ahで18万円ほど。乗り換えなくてもキャンピングカーの快適化ができるのはうれしい限りです。

いかがですか?

今年も台風で大変な被害が出てしまいました。悲しいことに日本は災害大国です。防災の観点からキャンピングカーをみつめる動きも加速しています。ぜひ、キャンピングカーの電源確保についても、考えてみていただけたらと思います。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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