アウトドアショップ「WILD-1」で初心者キャンパーが最低限そろえるべき秋冬用道具を聞く
文: 山城さくら

さあさあ、やってきました。キャンプのベストシーズン、「秋」です!
暑さから解放され、昼間の風は気持ち良いし、夏に比べて虫も少ない。冬に比べたら荷物も少なくてすむし、なにより少しずつ色味を増していく山々の美しさと言ったら! そんでもって、日が暮れ少し涼しくなってから焚(た)き火に当たりながら熱燗(かん)をクイッとね……。
くぅ~、秋キャンプ最高~~!!!
まさに、これからキャンプを始めたい人にとって、ベストシーズン!
といっても、右も左もわからない状態でいきなりキャンプを始めるなんて少しハードルが高いですよね。そもそもキャンプ道具って種類があまりに多すぎる……。
ということで今日は「これからキャンプを始めたい人向けに、“最低限必要な”キャンプ道具」を紹介していきたいと思います。
キャンパーの聖地、WILD-1へ
今回お邪魔したのは、キャンパー御用達のアウトドアショップ「WILD-1(ふじみ野店)」

見よ、この品ぞろえの多さを!【もっと写真を見る】
その品ぞろえの豊富さ故に、ちょっと見に行くだけのつもりが、行くとついあれもこれも欲しくなってしまい、そうしてどんどん“キャンプ沼”にはまっていく人が続出することから、一部で「沼」とも呼ばれている、キャンパーたちのドリームランド。

楽しすぎる……!【もっと写真を見る】
今回ご協力いただいたのは、キャンプ担当兼アドバイザーの齋藤健太さん。下記を条件に、無駄なものを一切省いた「最低限必要な道具一式」を見繕っていただきます。
【条件】
・11月に関東でキャンプをしたい
・道具は何も持っていない
・ソロキャンプ
・車移動だけど、できるだけミニマムに済ませたい

キャンプ担当兼アドバイザーの齋藤健太さん【もっと写真を見る】
それでは、順番に見ていきましょう!
まずは、寝床の確保から

(右)テント一式/ポール・ペグ含む、(中)グランドシート、(左)ハンマー【商品名と価格はフォトギャラリーで】
キャンプといえば、テント泊! 個人的にキャンプで一番好きな瞬間は朝起きてテントを開けた瞬間の空気・景色・森の音。もちろんロッジもいいのですが、テント泊の非日常感はぜひ一度体験してもらいたいです。
そして、初めてのテント選びのポイントは「設営の簡単さ」と「小型・軽量」です。いくら車で移動するとしても、設営から片付けを考えると「軽量・収納時に小型になる」というのは結構重要……! 重い、設営・片付けに時間がかかるのダブルパンチは、キャンプに慣れていたってつらいものです。

PANDA(写真・tent-Mark DESIGNS提供)【商品名と価格はフォトギャラリーで】
こちらのテントは、テンマクデザインのパンダ。漫画家のこいしゆうかさんが企画した大人気商品です。めちゃ軽い上に、収納サイズが小さいのでソロキャンプにぴったり。設営に必要なポールやペグ(テントを地面に固定する杭)もセットになっています。
そして、テントの下にグランドシートを敷くのもお忘れなく。土汚れや小石の傷つきからテントを保護するだけでなく、雨水の浸入からも守る縁の下の力持ち。ハンマーは、ペグを打ち込むときに使います。

(右)寝袋、(左)エアマット、(前)まくら【商品名と価格はフォトギャラリーで】
テントの中では、布団ではなくシュラフ(寝袋)で寝ます。
シュラフは、耐気温や形、大きさなど種類が様々。行く場所の気候に合わせて自分に合ったシュラフを選びましょう。また、シュラフの下に敷く用のマットやまくらもお忘れなく……! テントの中は、薄い布を隔ててすぐ地面。これがあるかないかで、寝心地にかなり影響します。

(左)LEDライト、(右)ミニテーブル【商品名と価格はフォトギャラリーで】
こちらは「必須」とまでは言いませんが、テントの中にあったらとても便利なモノたち。「さぁ寝よう」というときに、真っ暗の中スマホの明かりでがさごそするのは結構しんどいですが、ライトがあるとグンと快適度がアップします。ここで注意してほしいのが、テントの中で使うライトは、必ず電気式を選ぶこと。燃料を使うタイプのランプは、一酸化炭素中毒や火災の原因になるのでテント内での使用は危険です……!
ミニテーブルは、スマホや飲み物の置き場に重宝します。
利便性も雰囲気も重要な「灯り」

(左)燃料ランプ・ガス缶、(右)ヘッドライト【商品名と価格はフォトギャラリーで】
外用の灯(あか)りは、燃料タイプがおすすめ。ぼんやりとゆらゆら灯(とも)る雰囲気はキャンプのムードを盛り上げてくれます。取り扱いが簡単なLEDも良いですが、どうしてもぱきっとした人工的な灯りになってしまうので、より雰囲気を大切にしたい方には燃料タイプがおすすめです。
また、テントの中と共用ではだめなの?とよく聞かれますが、テントの中に入るたびに灯りを移動させるのはなかなか面倒なので、できれば外と中でひとつずつあるのが理想です。
ヘッドライトはトイレや炊事場へ行くときや、手元を照らすのに重宝します。
外にリビングをつくる

(奥)チェア、(手前)ローテーブル【商品名と価格はフォトギャラリーで】
圧倒的に外でくつろぐ時間が長いキャンプで、テーブルとイスは必需品。
本を読んだり、食事はもちろんですが、大自然に囲まれながら、座ってぼーっとしているだけで心が満たされます。
Helinoxのチェアは、お尻をまるごと包んでくれるような座り心地と、収納の小ささ・軽さから多くのキャンパーに愛される、もはやキャンプで最も定番のチェアといっても過言ではありません。色や素材、形状もたくさん種類があるので、自分のスタイルに合ったものをぜひ見つけてください。
(ちなみに私が一番最初に買ったキャンプ道具はHelinoxのチェアでした!)
テーブルは、収納が小さく軽く、さらに組み立ても簡単。脚を2段階伸ばすことができるのもおすすめポイントです。
つくるぞ、キャンプ飯

(真ん中上から時計回りに)クーラーボックス、クッカー、マグカップ、シェラカップ、箸、フォーク・スプーン、シングルバーナー・ガス缶【商品名と価格はフォトギャラリーで】
夏でなければ、クーラーボックスもミニサイズで良いのがうれしいところ。あとは、火の元になるシングルバーナーにガス缶、クッカー(鍋・フライパン)、食器だけ。シェラカップは取り皿になるだけでなく、計量カップやコップとしても使えるのでひとつあると重宝します。
これだけあればソロなら十分! 凝った料理はできなくとも、外で五感が研ぎ澄まされている中食べるごはんは格別です。

マルチツールナイフ【商品名と価格はフォトギャラリーで】
こちらはナイフ(包丁)・缶切り・ワインオープナー・ハサミなどが1本になったマルチツールナイフ。凝った料理をしないのなら、まな板と包丁がなくてもミニナイフで十分。よりシンプルな機能が良い方は、オピネルのナイフもおすすめです。

コーヒーセット、ミニ焚き火台、ホットサンドメーカー、鉄板【商品名と価格はフォトギャラリーで】
こちらは、番外編でおすすめしたい調理器具たち。
コーヒーセットや、調理に特化したミニ焚き火台、鉄板やホットサンドメーカーなど、最低限の道具にプラスαとしてこういった飛び道具があるとより充実するのでおすすめです。
キャンプのだいご味、焚き火

(上段左から)薪/針葉樹・広葉樹、焚き火台、(下段左から)耐火グローブ、火ばさみ、火吹き棒、ライター、着火剤【商品名と価格はフォトギャラリーで】
こちらの焚き火台(モノラル / Wireflame)は、そぎ落とされたシンプルなデザインと収納時の小ささ・軽さで非常に人気があります。
焚き火台は「小さいもの」「軽いもの」「形がユニークなもの」「観賞用の焚き火に特化したもの」など実に種類が豊富なので、ぜひ選ぶところから楽しんでください!
選ぶポイントは、気軽に直感で良いと思ったものを買うことです。
なぜなら、焚き火台1台で満足している人をほとんど見たことがないからです(笑)。私もいまだに満足いく焚き火台に出会えていませんが、多くの人が自分のスタイルに合わせて何台も買っているイメージがあります。何台も持ち、その日のスタイルによって使い分けている強者も!
【火起こしのポイント】
>>キャンプのだいご味、たき火道具の選び方を専門家に教えてもらおう
>>たき火の専門家に学ぶ、キャンプでの薪の組み方、火のおこし方
【番外編】秋が最高とはいいつつ、冬はすぐそこ
ここまで、気候が穏やかな秋キャンプを想定していましたが、悲しいかな秋はほんとうに短い……。
「今から始めても、すぐに冬になりできなくなってしまう」なんて思う方も多いと思います。でも実は、しっかり準備をした上で、寒さを攻略できたら冬キャンプってとっても楽しいんです。

寒さを楽しめる飛び道具を教えてください!【もっと写真を見る】
ということで冬にあったらうれしい、おすすめの道具を三つだけ教えてもらいました。

薪ストーブ【もっと写真を見る】
でた~! 憧れの薪ストーブ!
写真に入り切らないほどの長い煙突があるこちらの薪ストーブは、お湯を沸かしたり簡単な調理をしたりできちゃう優れもの。ほしい~~!

(上)スリッパ、(下)風よけ【商品名と価格はフォトギャラリーで】
そして、こちらはテント用のスリッパと、テント周りに立てて冷たい風を遮る風よけ。
冬のテント内の床の冷たさといったら、もう……。グランドシートでは防ぎきれず伝わるつめた~い地熱は痛いくらい。スリッパがあるだけで、体温の奪われ方がぜんぜん違うそう。
ようこそ“キャンプ沼”へ

あれもほしい、これもほしい。【もっと写真を見る】
まずは、こちらの道具から始めてみて、ああでもないこうでもないと少しずつ道具を増やしていくのもキャンプの楽しみ方のひとつ。そうです、これがキャンプ沼です。
ぜひTwitterでこの記事のリンクをつけて皆さんのお気に入りの道具を教えて下さい。全部見に行きます~~!
WILD-1ふじみ野店
住 所:埼玉県ふじみ野市東久保1-1-27
電 話:049-269-6863
営業時間:平日 10:30~20:00 / 土日祝 10:00~20:00
公式HP :https://www.wild1.co.jp/shop/fujimino/
(取材・文=山城さくら、写真=大滝洋之 / Bright Logg,inc)
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