「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

いま、プロレスが再びブームになっているそうです。確かに、バラエティー番組に人気レスラーが出演し、街を歩けばプロレス団体がジャックした車両広告を見かけ、コンビニにはレスラーが監修したスイーツが並びます。

(TOP画像:(c)2019 DRAGON GATE ENTERTAINMENT)

平成7年(1995年)生まれの筆者にとってプロレスは、親世代がハマった「オトコの娯楽」というイメージ。けれども、今では若い女性ファンも少なくないそう。ファンは一体どこにひかれるのでしょうか?

ずっと気になっていた筆者は、全く予備知識のないままプロレスを観戦してきました。

9月11日。「DRAGON GATE PRO-WRESTLING」を観覧しに後楽園ホールへ。1999年に「闘龍門JAPAN」として設立され、2004年に現在の名称に改称した「DRAGON GATE」は、華やかな“ハイテンションバトル”が幅広い年齢層に人気の団体です。

思わず二度見してしまうグッズ展開

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

選手とのコラボカレー・シチュー

会場に入る前、「なんだこれ!」と思わずちょっと笑ってしまったのがグッズ販売所。Tシャツやマスク、選手のブロマイドから写真入りキーホルダーなどが当たるガチャガチャ、選手のコラボカレー、シチューまで様々な商品が売られていました。

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

ガチャガチャは一回500円。選手の写真入りストラップなどが当たる。子供に大人気だそうです

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オンラインショップ限定のグッズも(公式HPより)

グッズ販売は今、プロレス団体の経営を支える必要不可欠な収入源の一つだそう。DRAGON GATEのスタッフの方々に聞くと、グッズは選手の発案で、自らデザインすることも多いとか。その場でグッズを購入すると選手のサインがもらえたりします。オンラインショップでもいろいろなグッズが販売されており、女性や子供でも手に取りやすい可愛らしいデザインと発想力に驚かされます。

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休憩中には選手のサイン会も行われていました

試合中に次の取り決めをきめる!? ルールのない楽しみ方

会場に入ると、場内を埋め尽くす観客が(1610人の超満員!)。男女比はやや男性が多いくらいでしょうか。学生同士らしい若者や、小さな子どもを連れた家族など年齢層の広さにも気づかされます。隣に座っていた若い女性に観戦のきっかけを聞いてみました。どうしてプロレスに?

「非日常で、スカッとするから! 団体や選手の歴史など、知れば知るほどストーリーが多くて面白くてハマっちゃう。舞台やショーを見る感覚ですね!」

なるほど、リングの上で技をかけ合う迫力ある光景は、全く知らない世界に連れて行ってくれるようです。果たして私もそう感じるだろうか……?

いよいよ試合が始まります。大音量の音楽と、きらびやかな照明の演出の中、選手が入場してきました。拳を振り上げたり雄叫びを上げたりするだけではなく、曲に合わせて歌って踊るご機嫌なレスラーたちもいて、ミュージシャンのライブのようです。

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

リングに上がったレスラーたちは、ファンとの掛け合いも積極的。「みなさん〜、拍手してください!」と1人が叫ぶと、「パチパチパチパチ…… !!!!」と盛大な拍手で観客も応えます。漫談のように笑える近況報告をする選手もいるなど、まさにショータイムです。私はプロレスを見に来たつもりが、どうして生ライブを見ているのだろうか。

一連のパフォーマンスが終わると、開始のゴングが鳴り響きます。リング上を縦横無尽に駆け回るレスラーたち。アクロバティックな技が次々と披露されると、大声援が会場中にこだまします。耳を澄ますと、「次はあの技を出すはずだよ」と展開を予測するオールドファンの声も。新旧のファンが入り混じっている様子がうかがえます。

「リングの上でやってくれ!」。場外乱闘が始まると、ファンが“お約束”のツッコミを入れて会場を沸かせます。客席のパイプ椅子さえも武器にし、観客の存在を気にするそぶりも見せず、場外でもつれ合うレスラーたち。これがタッグ戦になると、それぞれ別の場所で技を掛け合っているものだから、もはやどこを見ていいのかわかりません。

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

場外乱闘の様子

混乱する私をよそに、観客はそれぞれ自分の気になる場所を注目している様子。自分の席が破壊されることを楽しんでいる人もいます。そういえば、20年来のプロレスファンの知人は、「プロレスは正面があるようでない」と言っていました。見るべきポイントも楽しみ方もすべて自由。そんな包容力こそ、多様な観客に支持される理由なのかもしれません。

選手は自己プロデュースの世界

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(写真左)ヨースケ♡サンタマリア選手
(写真右)横須賀ススム選手
(c)2019 DRAGON GATE ENTERTAINMENT

自分の好きなように楽しむ――。その視点でリングを見つめていると、徐々にレスラーたちのファッションが気になり始めました。試合ごとに、様々なタイプの選手が登場します。ドレッドヘアで決めた選手もいれば、フワフワとしたうさ耳に羽を背負ったアイドルのような身なりの選手もいます。

自分が似合う髪型やメイク、コスチュームをきちんと把握したうえで、デザインも細部まで凝っている。360度から視線を受けるリング上での“見られ方”をしっかり考えていることが伝わってきます。

レスラーのビジュアルは、プロデュースの一貫として非常に重要で、それぞれが自分でキャラやスタイルを考えて決めることもあれば、専属のスタイリストなどと契約することもあるそうです。マスクにも流行りのデザインや流派もあり、中にはファンからのプレゼントをかぶる選手も。

“乱入事件”もファンが楽しめるコンテンツの一つ

この日のメインイベントは、団体設立20周年記念特別試合として行われた6人組タッグマッチ。創設者のウルティモ・ドラゴン選手が参戦するなど、ファンの注目を集めていた試合ですが……試合終盤、赤いTシャツを着たレスラーたちが突然乱入し、無効試合に。

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(c)2019 DRAGON GATE ENTERTAINMENT

プロレス団体には、派閥のようなユニットがいくつもあり、それぞれ師弟関係や敵対関係にあります。この日の一件も、派閥同士のもめ事。こういう抗争の積み重ねが、団体の歴史をつくりあげるストーリーになり、それを共有し見届けたいと願うファンが継続して会場に足を運び、試合を盛り上げていくのでしょう。

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

パンフレットには各軍団・レスラーの関係性がひと目でわかるようユニット相関図がのっています

プロレスは誰でも楽しめるエンターテインメント

「なんだこれ!」の連続 女性編集部員が初のプロレス観戦

(c)2019 DRAGON GATE ENTERTAINMENT

笑いあり、涙あり、怒りありの3時間が過ぎました。初めてのプロレス観戦で感じたのは、ファンの知識レベルを問わず「誰もが楽しめる」を志向する、開かれたエンターテインメントだということです。

試合の勝敗だけが重要なら、派手な衣装を着たレスラーが歌って踊る必要も、音響も照明もいらないはず。けれども、より多くのファンに喜んでもらうために、さまざまな工夫が施されていました。

だからこそ、若い女性から仕事帰りのサラリーマンまでが中心のリングに向かって叫ぶ、いまの幅広いファン層の獲得につながったのでしょう。きっと、この人たちはまた次の試合も来る。

プロレスラーは見る人に安心感を与え、元気にする存在だと思います。リングを見ていたら、自然と自分も好きなことをやっていこうという気持ちになりました。

ふと勇気づけられたいと思ったとき、仕事帰りに映画を見に行くような感覚で気軽に観戦しようと思います。

(文・一部写真 &編集部・吉野舞)

 

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