山城さくらのキャンプFM

「ふたりソロキャンプ」作者・出端祐大氏が語る、こだわりの道具選びとキャンプのだいご味

これがキャンプ沼か……。

キャンプの楽しさは色々あるのですが、その内のひとつとして、“ギア(道具)探し”があります。

数多くあるキャンプギアの中から自分のスタイルにぴったりなものを見つけるために、日々SNSとネットを徘徊(はいかい)し、暇さえあればお店へ。「あれもほしい、これも試したい」とその物欲はとどまる所を知りません……。

見た目がかっこいいのはもちろん大事だけど、軽さや丈夫さも譲れない。グループで行くときに持っていきたいものと、ソロで持っていきたいものはもちろん違うし……。もっとこういうのないかな、あれこの人が使っているやつ初めて見た! かっこいいー!

……なんて考えている時間もとにかく楽しくて、キャンプに行けない日も頭がいっぱい。

そう、これがキャンプ沼なのです。実に恐ろしい。

キャンパーの数だけスタイルがあり、キャンパーの数だけこだわりがある。
果たして、皆さん何を基準に「マイベストギア」を選んでいるのでしょうか?

漫画「ふたりソロキャンプ」単行本

前回に引き続き、キャンプ歴20年以上! 漫画「ふたりソロキャンプ」の作者・出端祐大さんに、ご自身のキャンプ愛をお聞きしました。厳さん(「ふたりソロキャンプ」主人公)とご自身のスタイルの共通点とは……?

前回の記事
まさに初心者キャンパーの教科書!作者・出端祐大氏に聞く「ふたりソロキャンプ」が生まれるまで

主人公はもはやインフルエンサー。作中のギアは何を基準に選ばれるのか

山城 “「ふたりソロキャンプ」に出てくるキャンプ場、ギア(道具)はすべて実在する”というところに、こだわりを感じます。それに、読者側としても漫画とリアルをリンクさせられるのがすごく楽しいです。厳さんが使う道具はSNSで話題になってすぐ入手困難になったり……もはや厳さんはインフルエンサーですよね(笑)。

出端 ありがたいですね。好きな人に届ける以上、リアルに近いほうが面白いかなと思って。基本的に普段自分が使っているものだけを取り上げるようにしています。厳(主人公)のスタイルは、僕のスタイルなので選ぶのにあまり悩まないですね(笑)。

山城 そうなんですね! 雫(ヒロイン)のギアは……?

出端 雫のギアはその都度考えることが多いです。テントとかもまさにそうで。

山城 たしか、テンマクデザインと漫画家のこいしゆうかさんが企画した「Panda」ですよね?

出端祐大さん

出端 そうですね。厳のテントと近くに配置することになるので、全く形状が異なるものにしたくて。Pandaは非自立式だけど、厳が使っているMSRのテントは自立式です。こういった違いがあると作中でHow toとして扱いやすかったっていうのが選んだ理由のひとつですね。あとは、あのカラーリング(赤)ってなかなかないので、可愛らしい感じが雫らしさがあっていいなと思いました。

山城 たしかにPandaは可愛い。焚(た)き火台はどうやって決めたんですか?

出端 雫の焚き火台は、キャンプ仲間に相談して「どれにする?」「あ~? これいいね」なんて話しながら結構悩みましたね。こちらも雫らしさが出るように、武骨さがあまりなく、小さくて可愛らしい焚き火台を選びました。

プライベートギアの選び方

山城 つぎは出端先生自身のギア選びについて聞かせてください。

出端 選ぶ基準としては「かっこいい」のが第一条件ですが、やはり徒歩キャンである以上、梱包(こんぽう)サイズと重さはどうしても外せないですね。そういう意味でも選ぶのは山系のギアが多くて、MSRはよくチェックしています。テントもMSRです。

山城 作中で厳さんも「徒歩キャンプは持っていけるギアが限られているからこそ、厳選してマイベストギアをみつける楽しさがある」っていうやつですね。

出端 マイベストギアを選ぶために、いろいろなギアを試したくなってしまうので余計な出費がかかってしまうんですけどね(笑)。

出端祐大さん(右)と山城さくら

山城 買って失敗だった、なんてこともありますか?

出端 もちろんありますよ。特に最初のほうが失敗ばっかりでしたね。金額で選んだらすぐに壊れちゃって結局買い直したり……。

山城 あるあるですね(笑)。

出端 でも最近は、自分の好きなものがわかってきたのか、モノ選びもうまくなってきた気がします。ちなみに、焚き火台はミニをいれると今八つ持っています。

出端祐大さん(右)と山城さくら

山城 いちばん“つい買ってしまう”のは焚き火台ですか?

出端 うーん、そうですね。でも鉄板も買っちゃいますね。
僕は厳とキャンプ飯のスタイルも似ていて、肉を焼くだけとかが多いんです。そうするとやっぱり鉄板は気になっちゃいますよね。なるべくいい感じの鉄板でやりたい……。

いま一番お気に入りのギアは、斧(おの)とミニ焚き火台

山城 今一番お気に入りのギアってなんですか? やはり焚き火台や鉄板?

出端 実は、斧も好きなんですよね。重たいので徒歩キャンプのスタイルには全然合っていないんですけどね(笑)。でも斧で薪を割るのが好きなんですよ。重さは自分が頑張ればどうにかなるので。

「ふたりソロキャンプ」作者・出端祐大氏が語る、こだわりの道具選びとキャンプのだいご味

山城 斧ですか! ちなみに今は何を使っているんですか?

出端 Hultafors(ハルタホース) の“スカウト”をメインで使っています。他の斧も色々買って試してみたいんですけど、良い斧は値が張るので、なかなか。
あとは、最近よく持ち歩いているのは、ガレージブランドの小さい焚き火台です。そこにあえてアルコールストーブをいれて肉を焼いたり、お湯を沸かしたり。

山城 アルコールストーブ気になっていました! ガス缶がいらないなら、荷物を減らせるなって。普通に調理できるくらいの火力もあるんですか?

出端祐大さん(右)と山城さくら

出端 火力は、青い炎が出るくらいなので結構ありますよ。ただ火力調整は出来ないですけどね。満タンで20~30分くらいはついているので簡単な調理は困らないし、おすすめです。

手軽にできるキャンプ飯レシピの考案も

山城 先程「キャンプ飯は肉を焼くだけが多い」という話がありましたが、雫がつくるキャンプ飯のレシピはだれが考えているんですか?

出端 実は僕なんです。これが結構大変で(笑)。雫も徒歩キャンプなので持っていける調理器具も限られますしね。

出端祐大さん

山城 ピーマンをお皿にして、カレーを食べるのがTwitterで流行(はや)っていますよね。私もやりましたよ!

出端 ありがたいです。なんだかんだ自分がだしたレシピを実践してもらえるのはうれしいので、皆が実際にキャンプ飯としてやりやすいものを考えていきたいですね。

山城 それでは、最後の質問です。先生にとっての、キャンプのだいご味ってなんですか?

出端 やっぱり焚き火ですね。もはやキャンプ=焚き火をしに行っているという感覚です。夏も「あっちいなあ」と言いながらやっていますね。少なくともキャンプに行って、焚き火をやらない日はないです。火をボーッと眺めているときが好きなんです。

山城 毎回フェザースティック(薪などをナイフで薄く削った着火剤)をつくったり、火打ち石を使ったり、火起こしからちゃんとやるんですか?

出端 火起こしが楽しいというよりも焚き火を眺めている時間がすきなので、燃料を使って手軽に火をつける日もありますよ。焚き火をつけたら、その後は酒を飲みながら本を読んだり、映画を見たり。で、顔をあげると隣には焚き火がある。これが僕が思うキャンプのだいご味です。

山城 だいご味も厳さんと同じだ! 先生は厳さんで、厳さんは先生なんですね。

出端 仲の良い友達からは、漫画を読んで「これお前じゃん(笑)」って言われます(笑)。

出端祐大さん(右)と山城さくら

自分のマイベストギア

キャンプ歴20年以上のベテランキャンパーは、“徒歩キャンプ”という自分のスタイルに合わせて、軽くて収納サイズの小さいギアを選んでいました。

しかしそれ以上に大切にしていることは、自分がかっこいいと思えるか。

自分だけの基地を作ることができるキャンプだからこそ、ひとつひとつ妥協せずに“マイベストギア”を見つけていきたいですね。

私もますますキャンプ沼にはまりそうです。

(取材・文=山城さくら、写真=大滝洋之 / Bright Logg,inc)

漫画「ふたりソロキャンプ」のあらすじ

オレは樹乃倉厳。34歳。趣味はキャンプ。独りで野営する生粋のソロキャンパー。車はいらない。電車を乗り継ぎ、最後はバスで山に入る。自然を愛してる、火を木を水を土を。それと同等に孤独な自分の生き方を愛している―――。…な俺が! ひょんなことから草野雫20歳という小娘に出会い、ふたりでソロキャンプをするはめに! 孤独を愛する男・厳の平穏なキャンプライフはいかに!? 読むとキャンプに行きたくなるNEOキャンプ・バイブル!

(講談社コミックプラスより引用)

『ふたりソロキャンプ』最新刊11月21日発売!

「ふたりソロキャンプ」作者・出端祐大氏が語る、こだわりの道具選びとキャンプのだいご味

『ふたりソロキャンプ(4巻)』

 出端 祐大(著) イブニングKC
 コミックス(紙) 693円(税込み)

あわせて読みたい

まさに初心者キャンパーの教科書!作者・出端祐大氏に聞く「ふたりソロキャンプ」が生まれるまで

手抜き飯に一手間かけて楽しむデイキャンプ 「日本酒でつくるラーメン」に挑戦

キャンプのだいご味、たき火道具の選び方を専門家に教えてもらおう

アウトドアショップ「WILD-1」で初心者キャンパーが最低限そろえるべき秋冬用道具を聞く

 

\ FOLLOW US /

「ふたりソロキャンプ」作者・出端祐大氏が語る、こだわりの道具選びとキャンプのだいご味

&M公式SNSアカウント

TwitterInstagramFacebook

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

PROFILE

山城さくら

地方で事務員として働いていたが、もっと好きなことに時間を使いたいと思い28歳で思い切って脱サラ。現在はフリーランスとして本業を決めず様々なジャンルにチャレンジしている。念願だった「憧れシティ東京」での暮らしをスタートさせつつ、週1のキャンプで都会暮らしと大自然を満喫中。

まさに初心者キャンパーの教科書!作者・出端祐大氏に聞く「ふたりソロキャンプ」が生まれるまで

一覧へ戻る

RECOMMENDおすすめの記事