キャンピングカーで行こう!

勝手に妄想 ! 「海外向け日本車」をキャンピングカーにしてみたら

世界各国で販売され人気を博している日本車ですが、日本国内でしか販売されていないモデルもあれば、逆に海外でしか販売されていないモデルもあります。

各国の事情に合わせたきめ細かな対応が出来ることも、日本車が世界で愛されている理由といえるでしょう。

国内で販売されている車は、もちろん日本の状況や条件に合わせてつくられていますが、それは貨物用や輸送用など商用車の話。キャンピングカーのベース車としては不満がある部分もあります。

今回は「キャンピングカーのベース車両に求められるもの」という視点で、海外仕様の日本車について考えてみたいと思います。

高性能、質実剛健な日本車

「海外のみで販売されている日本車」の中には、キャンピングカーのベース車としてとても魅力的なモデルがあります。

例えば、先日ご紹介したトヨタ・グランエースのハイルーフ車もその一台ですが、その他にも魅力的な車はあります。いくつかピックアップしてみましょう。

日産・NV400

日産・NV400は、日産がヨーロッパを中心に販売している商用車です。正確には日産製ではなくルノー・マスターのOEMで、現在ヨーロッパのキャンピングカー市場でトップシェアを誇るベース車両である「フィアット・デュカト」のライバルとなる車です。

日産・NV400。このサイズのバンは、キャンピングカー以外にも需要はあると思う。フィアット・デュカトの国内販売がとん挫しており、いまがチャンスなのでは?

日産・NV400。このサイズのバンは、キャンピングカー以外にも需要はあると思う。フィアット・デュカトの国内販売がとん挫しており、いまがチャンスなのでは?

●ボディサイズ
・全長は約5m、5.55m、6.2m
・全高は約2.3m、2.5m、2.8m
のそれぞれ3種類があります。このすべての組み合わせが可能です。キャンピングカー用なら、6.2m×2.8mがいいですよね。ちなみに全幅はすべて2.07mです。

●エンジン
エンジンは2.3Lターボディゼルのみ。

●駆動系
FFとFR。デュカトとの一番の違いは、耐荷重に合わせて選べること(デュカトはFFのみ)。

●その他
英国仕様の右ハンドルもありますから、これをベースにバンコン(バンコンバージョン)を作れれば、広さ・性能ともに面白いと思うのです。実際ヨーロッパでは、NV400ベースのバンコンを製作しているビルダーがあります。

また、NV400最大の特徴は、ボディ架装を前提とした(つまりキャブコンバージョンのベースとなる)プラットフォームシャシーが用意されていること!

先日、日本でもバンテックがデュカトベースのキャブコン「V670」を発表して話題になりましたが、もしNV400のプラットフォームシャシーが容易に手に入るなら、他のビルダーも、もっとこのクラスに参入してこられるのではないでしょうか。

トヨタ・ランドクルーザー70

国内販売では高級SUV路線になったランドクルーザーですが、海外では質実剛健を絵に描いたような70シリーズが継続して販売されています。

トヨタ・ランドクルーザー70のオーストラリア仕様。走行性能は折り紙つき。ロングホイールベース仕様ならキャブコンの素材として最高だと思うのだが

トヨタ・ランドクルーザー70のオーストラリア仕様。走行性能は折り紙つき。ロングホイールベース仕様ならキャブコンの素材として最高だと思うのだが

●ボディのタイプ
オーストラリアなどで販売されているランドクルーザー70は、頑丈なフレームはそのままに、ピックアップトラックやバン型のボディがあります。

●エンジン
4.5Lターボディゼルエンジンを搭載。高い走行性能を誇ります。ヨーロッパで人気の探検車=Expedition Vehicleの中には、ランドクルーザー70をベースにしたモデルもあります(ご参考)。

●その他
Expedition Vehicleもキャンピングカーの一種ではありますが、「探検車」というだけあって、あくまでも走破性優先を考えた居室が架装されています。

日本ではキャンピングカーでオフロードを走破して遊ぶという概念もありませんし、道路も整備されていますので、むしろより快適な居住性を重視したキャブコンシェルを架装できたら、面白い車ができるのではないでしょうか。

ダイハツ・ハイマックス

ダイハツがインドネシアで販売しているトラックです。簡単に言ってしまえば「日本で販売している軽トラック=ハイゼットの車体に1000ccのエンジンを載せた車」です。つまり、小さなボディにハイパワーエンジン、ということですね。

ダイハツ・ハイマックス。エンジンが1000ccになれば、小型キャブコンの素材としてもってこいだと思う。インドネシア仕様でヒーターが無いので、そこだけは改善が必要だ

ダイハツ・ハイマックス。エンジンが1000ccになれば、小型キャブコンの素材としてもってこいだと思う。インドネシア仕様でヒーターが無いので、そこだけは改善が必要だ

●ボディサイズ
ハイゼットの車体利用ですから、軽自動車の枠におさまっています。

●エンジン
1000ccガソリンエンジン(ターボの設定なし)。

●その他
国産キャンピングカーの中には、例えばミスティック社のキャブコン「レジストロ」のように「軽自動車ベースでありながら、架装が大きいために普通車登録になっているキャンピングカー」があります。そんな場合に、このダイハツ・ハイマックスを導入したらいいだろうなあ、と思うのです。

快適な居室空間を架装したおかげで軽自動車の枠を超えてしまうのなら、いっそのことエンジンも大きくしてしまえば、より走行性能に余裕のある車ができます。普通車の自動車税額は1000cc以下なら同じなので、エンジンが大きくなることのデメリットもありません。

ベース車に好条件 でも夢はかなわず……

「日本のメーカーの車なら、国内でキャンピングカーベースにしたらいいじゃないか」。そう言いたいのは山々ですが、そうもいかないのが現実です。

まず、国内のキャンピングカー市場は、急成長しているとはいうものの、自動車メーカーの生産・販売台数から見たらマーケットが小さすぎること。

海外仕様車を導入した場合の、アフターサービスへの対応も必要になります。右ハンドル車があればいいですが、一般的には英国向け以外は左ハンドルなので抵抗のある人もいるでしょう。

販売台数が少なく、手間の割に利益にならないから難しいとは思いますが、それでも、優秀な日本車の性能を活用できたらどんなにいいだろうと妄想せずにはおれません。

キャンピングカーにとって好条件がそろっている海外向け日本車を、外国製車両より安価に手に入れ、国内でのアフターサービスも受けられる――そんな風に条件が整ったらどんなにいいだろうと思うのです。

キャンピングカーだけでなく、救急車や各種緊急車両など、その他の特装車ベースとしても需要はあるはず。自動車メーカーさん、考えてくれないかなあ……。

(TOP画像:Getty Images)

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

広い室内、最高の乗り心地 究極のキャンピングカー「バスコン」の魅力

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