高橋伸哉の写真教室

見つけたら絶対撮りたくなるネコと、夕方のスナップ撮影のコツをプロに学ぼう

『&M』で写真エッセイ『或る旅と写真』を連載中のフォトグラファー高橋伸哉さんを講師に、写真を上達したい生徒さんが1対1で技術を学ぶ企画。今回も、モデルの花柳(はなやぎ)のぞみさんが、カメラのマニュアル操作と街角スナップの撮り方を東京・神楽坂を歩きながら勉強します。

     ◇

この日、事前の予定では、夕方に斜めから差し込む光を使って、建物や路地を撮影するコツを学ぶ予定でした。

しかし、あいにく午後4時ごろになると、空には雲が広がってしまいました。そこで、少しカフェでマニュアル撮影に必要な知識を学びながら、暗くなるまで待つことにしました。

「夕日が差し込む中では良いスナップが撮れるのですが、薄暗くなって、お店や家の明かりがついた直後の時間もチャンスです。それを狙ってみましょう」と高橋さん。

休憩して学習タイム 絞りとシャッタースピード

カフェで今日教わったことをおさらいしていた時、こんなやりとりがありました。

「絞りとシャッタースピードの関係はわかりますか?」(高橋さん)

「言葉を聞いたことはありましたが、意味はよくわかりません。教えてください!」(花柳さん)

確かに、写真撮影に関するマニュアル操作の中でも、初心者にとって理解が難しいものが「絞り」と「シャッタースピード」かもしれません。

絞りは、「1.8」、「5.6」などの小数点以下1位までの数値で表されます。この数値(f値と呼ばれます)が小さいほど、絞っていないことになります。

絞りのイメージ図

絞りのイメージ図/gettyimages

上の図をみると、数値が大きいほど、穴が小さくなっていることがわかります。穴が小さければ、レンズの先にあるセンサーやフィルムに届く光は少なくなるわけです。

一方で、シャッタースピードは1/250、1/100などと書きますが、この単位は「秒」です。つまり、分母が大きいほど、ごく短い時間を表します。

見つけたら絶対撮りたくなるネコと、夕方のスナップ撮影のコツをプロに学ぼう

シャッタースピードを調節するダイヤル。機種によって設定の仕方は異なる/gettyimages

シャッターというのは、センサーやフィルムの前で光を遮っている幕のことです。幕が上がって光が通ってはじめて画像が記録されます。早く動かすと、記録できる光の量は少なく(=暗く)、遅く動かすと光の量は多く(明るく)なります。

おおまかにまとめると、

絞りは数字が小さいほど明るい

シャッタースピードは、分母の数字が大きいほど暗い

となります。

どちらもセンサー(フィルム)に届く光を調節するものなので、どちらを操作しても同じ効果が出る、と思いがちですが、絞りについては、もう一つ覚えたいポイントがあります。

それは、絞りの数値が小さいほど明るくなりますが、同時に、ピントが合う距離が短くなっていくということです。例えば「f1.4」で人物の目にピントを合わせて撮影すると、人物の背景にある壁はものすごく“ボケて”写ることになります。

写真は、どこにピントを合わせて、どこをボケさせるかが作品としての出来を左右しますから、絞りとシャッタースピード、それぞれの意味を覚えることは大切になります。

さて、周囲が少し暗くなってきたので、もう一度路地を歩きます。お店の看板や街路灯も点灯され、それがとてもよい雰囲気をつくっています。

ネコを撮る時に注意したいこと

あるお店の玄関先に、一匹のネコがいました。さっそく花柳さんが近づいてシャッターを押します。

花柳さんとネコ

高橋さん撮影

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花柳さん撮影

モデルとして撮られ慣れているのか、カメラを向けても動じなかったこのネコは、ゆっくり立ち上がると、近くの路地の入り口までテコテコ歩き、そこでポーズをとってくれました。

その時花柳さんが撮った1枚がこちら。

ネコ

花柳さん撮影

同じ場面で、高橋さんが撮ったのが、次の2枚です。

ネコ

ネコ

どちらも高橋さん撮影

ここで高橋さんから、ネコを撮影する場合のアドバイスです。

「猫の写真はアングルを猫目線で撮影するのが基本です。猫の視線となってスナップを撮れば、いつもと違う視線で面白い構図が撮れたりしますね。あと、この写真の面白いところは猫が振り向いて人を覗き見しているのと、こちら側を見ている組み写真を考えて見ました。ある意味、街の気ままな住人である猫の視点、面白くないですか?」

ネコと別れて路地を歩きながら、2人は次々と夕方の風景を撮影していきます。

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どちらも花柳さん撮影

花柳さんが撮影した写真をみながら、高橋さんが絞りの値やアングルをアドバイスします。

花柳さんと高橋さん

こちらは、高橋さんが撮影した1枚です。水をまいている姿と、看板に当たるライトが、入り口がおしゃれなこのお店が開店間近であることを伝えてくれます。

見つけたら絶対撮りたくなるネコと、夕方のスナップ撮影のコツをプロに学ぼう

最後に、高橋さんから、夕方の街角スナップのススメです。

「夕方はスナップを撮るには宝庫のようなものです。灯が街を照らし始め、空も天気であればマジックアワーのように幻想的な色合いを演出します。灯の光を拾いながらアスファルトに反射してる情景なども取り入れて撮影すればよい写真が撮れますね」

今回、高橋さんが撮影に使った機材は、FUJIFILMのX100Fでした。

次回も花柳さんを生徒役に、少しステップアップしたスナップ撮影のテクニックを教えていただきます。

(文・&M編集部)

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PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972

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