キャンピングカーで行こう!

車内でもホカホカ料理を! ガスコンロ、電子レンジで快適キャンピングカー生活

キャンピングカーのキッチン、使ってますか? 車内で調理したこと、ありますか?
今回はそんなキャンピングカーの調理熱源についてのお話です。

8ナンバー車なら調理熱源は必須

キャンピングカーの構造要件のひとつに「コンロ等により炊事を行うことができること」というものがあります。

文言上「炊事」と書かれていますが、要は何らかの形で食品を加熱できればよいのです。つまりガスコンロなしで電子レンジだけついていてもOK、ということ。

ただしこれは、特種用途自動車(8ナンバー)のキャンピングカー(キャンピング車として特種車両登録)に限った「構造要件」なので、4ナンバーや5ナンバーの車両は当然除外されます。

8ナンバー登録のための構造要件にはほかにもいろいろありますが、キッチンにまつわるものとしては、

・給排水設備があること

・炊事できる熱源があること

・一定の大きさの調理作業台があること

・キッチン前の天井高が床から160cm以上あること

などが挙げられます。

時々、8ナンバー登録の車なのに「車の中で料理なんかしないので、キッチンは要らないから外してもらえないか」という無茶(むちゃ)なオーダーをしている方を見かけますが、車そのものの成り立ちがキッチンありきなので、外すわけにはいかないのです。

また、初期登録の際はあった炊事設備を登録後に勝手に取り払ってしまう人がいますが、継続車検の際にチェックされることも多いので、それはやめておいたほうが賢明でしょう。

ヨーロッパ車や日本製キャブコンなどでよく見られる、シンクと一体になったガスコンロ。ガラス蓋(ぶた)を閉じればフラットになる(Photo:Adria Mobil)

ヨーロッパ車や日本製キャブコンなどでよく見られる、シンクと一体になったガスコンロ。フタを閉じればフラットになる(Photo:Adria Mobil)

組み込み式と着脱式、用途に合わせて選んで

キャンピングカーのキッチンにもいろいろあります。もちろん車のサイズや居室の広さにもよりますが、大きく分けると次の2種類です。

1.一般の家庭用と同様に、熱源が家具に組み込まれているもの

2.カウンターだけあって必要な時にカセットコンロ等を置いて使うもの

1の「組み込み型」の場合、熱源となるのはほぼガスですが、一部の車両にはIHのものもあります。大型のキャンピングカーの中にはコンロが二口、三口とあって、立派なオーブンまでついていることもあります。家庭用と同等とまではいきませんが、火力もあるので、それなりに調理が可能です。

ただし、どうしても面積、体積を要するのでスペース上は不利。キャブコンなど室内空間が十分にある車両向きです。

組み込み式のガスコンロの場合、燃料となるガスにも2通りあります。アメリカ製キャンピングカーなどに多い「プロパンガス」タイプと、国産車で比較的小さい車両に多い「カセットガス」タイプです。

カセットガス方式の場合、そのメリットはなんといっても「全国どこでも手に入りやすいこと」でしょう。季節を問わず、ホームセンターやコンビニエンスストアで販売されていることの多いカセットガス。旅先で切らしても、比較的入手しやすいのです。

プロパンガスの場合は、使用してカラになったらガス会社に依頼して充填(じゅうてん)してもらいます。車両に「高圧ガス」などの表示をしないで走行していい容量は、8kg容器2本まで。容器には安全基準を満たしていることを示す「容器証明」があり、期限(5年)もあります。期限切れの容器は使えないので、注意が必要です。期限が近付いたら検査を受ければ更新できますので、ビルダーか、普段充填するプロパンガス店に相談してみましょう。

アメリカ製の三口コンロ&オーブン。鶏の丸焼きもできるサイズは日本の一般的な家庭用オーブンより大きいかもしれない(Photo:Winnebago Ind.)

アメリカ製の三口コンロ&オーブン。鶏の丸焼きもできるサイズは日本の一般的な家庭用オーブンより大きいかもしれない(Photo:Winnebago Ind.)

2の「カウンター式」はより気軽です。ガス台がない分、最小限の作業スペースがあれば済むのですから(作業スペースの大きさなどは構造要件上、細かく決められています)。室内空間をより広く使えますので、「料理はするつもりはない」「お茶やコーヒーが沸かせる程度でいい」という人に向いている方式です。

とはいえ、脱着式の設備(カセットコンロなど)は「走行中の振動等により移動することがないよう、所定の場所に確実に収納または固縛することができるものであること」という規定がありますので、カセットコンロの収納場所には注意が必要です。

手軽な「電子レンジ搭載車」が増加中

もう一つの加熱装置として「電子レンジ」があります。要は食品が加熱できればいいわけですから、電子レンジだけでも構造要件は満たせることになります。

しかし実際のところ、電子レンジだけで調理するのは、バッテリーの容量などから考えても難しいでしょう。それでも依然として人気の装備です。実際、リチウムイオンバッテリーの発達に伴い、電子レンジを搭載する車両も増えています。

電子レンジが人気な理由はいくつかあります。

まず、買ってきたお弁当や調理済み食品を温めるという用途にはぴったりです。レトルトカレーを湯煎すると、鍋にお湯が残ってしまいますが、器に出してレンジでチンすればお湯の処理も不要です。

もうひとつは、手軽さでしょう。600wの電子レンジが使えれば、比較的短時間で物をあたためることができます。ガスで温めるより時短になります。

安全上の利点もあります。ガス=火気ですから、火災の危険はゼロではありませんし、一酸化炭素中毒のリスクもあります。レンジならその心配はありません。

さらに、「室内温度が上がらずにすむ」「車内に匂いがこもりにくい」というメリットもありそうです。

IHは空気を汚さない&室温が上がりにくい、のはありがたいが、電源システムなどはやや大がかりになってしまう(Photo:Winnebago Ind.)

IHは空気を汚さない&室温が上がりにくい、のはありがたいが、電源システムなどはやや大がかりになってしまう(Photo:Winnebago Ind.)

キャンピングカーのキッチン、特に熱源をどう考えるか。初めてキャンピングカーを買おうとする人には、すぐには想像がつかないかもしれません。

これまで料理などしたことはなかったのに、キャンピングカーを買ってからキャンプ料理に目覚めた、という人もいます。車内のキッチンで下ごしらえ、外のたき火台で調理、というパターンですね。

一方で、あれこれ調理するつもりでキッチン付きにしたものの、年に数回しか使わないので、今度買い替えるときはキッチンは省略する、という人も。

個人的には、小さなお子さんがいる人やシニアの方は、温かい飲み物がいつでも飲めるようにしたい、あるいは離乳食をあたためたいというニーズもあり、ある程度の熱源設備があったほうがよいと思います。火気が怖いと考えるならIHを選べばよいのです。

たとえカップ麺でも、インスタントコーヒーでも、外で飲んだり食べたりすると、気分が違うものです。また、いざという時の防災シェルターとして考えるなら、社会インフラに頼らず使える熱源は、持っておくと安心という側面もあります。

ご自分の旅のスタイルを、キッチンから考えてみるのも面白いかもしれません。

(TOP写真:Winnebago Ind.)

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。

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