私の一枚

コンテスト初挑戦からわずか1年で『ドクターX』出演の川瀬莉子 演技の原点は漫画『スキップ・ビート』

注目のアーティストや俳優の皆さんに、大切な写真を見せていただきながらインタビューする連載。今回は川瀬莉子さんに、デビューのきっかけになったコンテスト受賞時の1枚について聞きました。

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2018年9月、「ミス美しい20代コンテスト」でグランプリをいただきました。その記者発表での1枚です。
小学生の頃からお芝居の世界に憧れがありました。地元の名古屋ではモデル事務所に所属していましたが、オーディションを受けたのはこの時が初めて。20歳を過ぎるまでオーディションを受けなかったのには、ちょっとした理由があるんです。

就職の内定が夢を見つめ直すきっかけに

いつからこの世界に興味を持つようになったのか、はっきりとした記憶はありません。でもきっかけの一つと言えるのは、『スキップ・ビート』という少女漫画との出会いです。主人公のキョーコという子が芸能界を目指すお話で、そのキョーコは根性があって本当にカッコいいんです。

よく小学校の卒業式で、卒業生が一人ずつステージに上がって将来の夢を言う時間があるじゃないですか。『スキップビート』の影響だと思いますけど、私は卒業式で「いろんな役を演じられる女優になりたいです」と言いました。そのぐらい強く憧れた、今の私の原点だと言ってもいい漫画でした。

ただ、役者になりたいと思っても、両親の許しがまったく出ませんでした。私が東京に行くことをものすごく心配していました。兄と私の2人きょうだいで、女の子は私だけだったからかな。だから「私には役者は無理なんだ」と思って、短期大学に通って、就職活動もして、企業から内定もいただいていました。

でも、内定をいただいてから、進路について真剣に悩むようになりました。私は本当にこのままでいいのかって。考えに考えて、やっぱり夢を捨てきれなくて、両親に話をしました。それから何度も説得して、「地元でやるなら」ということで許してもらったのが、地元でのモデル活動でした。

「賞を取ったら東京へ」両親の許しで本気に

モデルを始めてから2年ぐらい経った頃、事務所の方から「こんなコンテストがあるけれど、莉子ちゃん出てみたら?」と教えてもらったのが、「ミス美しい20代コンテスト」でした。こうしたコンテストは、10代で応募することが多いので、20歳までコンテストの出場経験がなかった私にとっては貴重な機会でした。「これは最後のチャンスかもしれない、両親に許してもらうしかない」と思って、また両親を説得しました。そしたら今度は「賞を取ったら東京に出てもいい」という条件を出してくれました。

でもそれは、裏を返せば「このコンテストで賞が取れなかったらもう東京はあきらめろよ」ということ。「グランプリを取れば」と言われたわけではありませんけど、やっぱりやるならグランプリが欲しいですから、一発勝負で狙いました。

審査では、今までずっと自分の中に溜め込んでいた想いや熱意を伝えようと、それだけを考えていました。自分のいいところを見せることより、本当の気持ちを見てもらったことがよかったのかもしれません。それまでのモデルのお仕事で、人に見られる経験を重ねていたことも大きかったですし、両親との約束があったからモチベーションを維持できた面もあるので、両親には感謝ですね。

グランプリをいただいて両親に報告した時は、2人とも驚いていました。もちろん応援してくれていましたけど、まさかグランプリを取るとは思っていなかったみたいです。

コンテスト初挑戦でグランプリ。デビュー1年で飛躍的な活躍を見せる川瀬莉子さん

コンテスト初挑戦でグランプリ。デビュー1年で飛躍的な活躍を見せる川瀬莉子さん

憧れの米倉涼子の一言で現場に居場所ができた

グランプリをいただいてからの流れは、私にとっては劇的すぎました。東京の慣れない環境で演技のレッスンをして、CMに出させていただき、この10月に始まった『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(第6シリーズ)でドラマデビューさせていただいて。この1年で経験したことは本当に濃かった。そのスピードについていけているか、自分でも正直わからないです。

『ドクターX』の撮影現場では、どうしていいかわからなくて最初はオロオロしてばかりでした。モニターで自分の演技を確認する時も、あんまり前に出て行っちゃいけないのかなと思って遠くから見ていました。

すると、主演の米倉涼子さんが私に「もっと前においでよ。ここで見ていていいんだよ」と言って、私をモニターの前まで連れて行ってくれました。米倉さんのおかげで居場所が見つかった気がしてうれしかったです。米倉さんは、テレビで見ても実際にお目にかかっても本当にカッコいいです。憧れですね。

環境に慣れたら、やりたいことが増えてきた

看護師を演じるので、撮影に入る前に、大学病院に行って看護師さんやドクターの動きを観察しました。でも実際に演技をしてみると、やっぱり難しかったです。

『スキップ・ビート』の中で、主人公のキョーコが、演技する時に一瞬で自分を変えてしまう描写がありました。でも、現実はそんなに簡単にはいかなくて、考えすぎて悩むこともあります。でも、そんな時には、もう一度単行本を読み直して、気持ちを整えて、中学生の頃から大好きなRADWIMPSを聴いてリフレッシュします。私の癒やしなんです。

まだまだこのお仕事を始めたばかりですが、もっといろんな役に挑戦していきたいです。小学生の頃からずっと悲劇のヒロインに憧れていたので、そんな役もやってみたいですし、最近よくミステリーを読んでいるのでサイコパスもやってみたい。すごく怖くて、ちょっと小悪魔的な面も持っているような。

映画にも出演したいし、名古屋時代の仲間と話しているとモデルもやっぱり楽しいなと思うし、地元の友達も応援してくれているから名古屋のテレビでもお仕事をしてみたい。東京に来て1年が経ち、少しずつ環境に慣れてきたからか、最近やってみたいことがどんどん増えています。

(聞き手・髙橋晃浩)

『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(第6シリーズ)で、TVドラマ初出演ながら存在感のある演技を見せている

『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(第6シリーズ)で、存在感のある演技を見せている

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かわせ・りこ 1996年、愛知県生まれ。中学時代にNHK総合『中学生日記』に出演。名古屋でのモデル活動を経て、2018年「第2回ミス美しい20代コンテスト」でグランプリを獲得しデビュー。全日空(ANA)やオークラヤ住宅などのCMへの出演を経て、2019年10月クールのドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』第6シリーズに出演し、注目を集めている。

■『ドクターX~外科医・大門未知子~』
https://www.tv-asahi.co.jp/doctor-x/

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PROFILE

髙橋晃浩

福島県郡山市生まれ。ライター/グラフィックデザイナー。ライターとして有名無名問わず1,000人超にインタビューし雑誌、新聞、WEBメディア等に寄稿。CDライナーノーツ執筆は200枚以上。グラフィックデザイナーとしてはCDジャケット、ロゴ、企業パンフなどを手がける。マデニヤル株式会社代表取締役。

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