高橋伸哉の写真教室

原宿の街角でプロに学ぶ、光と影を意識したスナップ撮影のテクニック 

『&M』で写真エッセイ『或る旅と写真』を連載中のフォトグラファー高橋伸哉さんを講師に、写真を上達したい生徒さんが1対1で技術を学ぶ企画。モデルの花柳(はなやぎ)のぞみさんが、東京・原宿を歩きながら、街角スナップの撮り方を教わります。

今回のテーマは、光の見つけ方と捉え方です。

     ◇

ロケをしたのは11月の平日の夕方近く。JR原宿駅から、竹下通りに向けて歩きながら、神楽坂編と同じように、高橋さんと花柳さんが気になった場所をスナップ撮影します。

「今日は、光を意識したスナップ撮影をしてみましょう。ほら、さっそく良さそうな場所がありますよ」

歩き始めた高橋さんは、さっそくビルの影にはいった路地を指さします。見ると、1本の電灯の柱に斜めから光が当たって、舞台上でスポットライトを当てられたように浮かび上がって見えます。わきにある塀にはストリートアートなのか落書きなのか、スプレーで書かれた絵があります。

原宿の電灯

高橋伸哉さん撮影

「今日のように晴れた秋や冬の午後は、一カ所だけ光が当たった場所や、影の形が面白い場所を探しながら歩くと、良いスナップ写真が撮れることが多いです。ここも、スポットライトのようですよね。例えばこんな場所では、顔に光が当たるようにすれば、かっこいい人物写真も撮れます」

この場所で高橋さんが花柳さんを撮影したのが、記事の1枚目の写真です。

こちらは、同じ場所で花柳さんが撮影した1枚。塀のコンクリートの質感が出ていて、格好いいですね。ちょうどよい絞りの値を探しながら、高橋さんのアドバイスを受けつつ撮っていました。前回の神楽坂編と比べても、かなりの上達ぶりです。

原宿の街角でプロに学ぶ、光と影を意識したスナップ撮影のテクニック 

花柳のぞみさん撮影

次に高橋さんは、地下鉄の入り口の壁に映った歩行者の影を撮り始めます。逆光になる位置にあるのですが、ビルの窓で反射した光が、人のシルエットをくっきりさせていました。

「さっきは光が当たっている場所に注目しましたが、影を探して歩いても面白いです」

原宿の街角

高橋伸哉さん撮影

花柳さんは「どうやったら面白い場所が撮れるスポットを探せる目が養われますか?」と質問。高橋さんは「日頃から、周囲にある光を意識していることだと思います。だんだん、自分が好きな光の当たり方や、これは面白いなという場所がわかってくる」と説明します。

「プロはいつも光を意識しているんですね」と感心した様子の花柳さんは、少しだけ光が差し込む路地で、地面に伸びる自分と高橋さんの影を撮っていました。

原宿のスナップ

花柳のぞみさん撮影

原宿の路地

花柳のぞみさん撮影

花柳さんは、半分だけ光が当たった店のシャッターなどにも積極的にレンズを向けます。

そんな花柳さんを、高橋さんが後ろから撮影したのが次の1枚。逆光でも、良いスナップは撮れることがよくわかります。

原宿の街角でプロに学ぶ、光と影を意識したスナップ撮影のテクニック 

高橋伸哉さん撮影

光を探しながら歩くうち、花柳さんが、白い壁に樹木の影がきれいに映った場所を見つけました。

「高橋さん、そこに立ってカメラを構えてください!」

そこで最初に撮った1枚がこちら。

原宿スナップ

花柳のぞみさん撮影

左側の葉の影はとてもきれいで、隣の建物のフェンスがつくる影もよい味を出しています。

ただ、カメラを構えているはずの高橋さんは……。

「のんちゃん(花柳さんの愛称)、これ首だけになっている(笑)」

「えー、あれ、ほんとだ(笑)」

どうやら、カメラを構える位置が高すぎたようです。もう一度高橋さんにカメラを構えてもらい、今度は上半身がフレームに入るように気をつけて……。

シルエット

花柳のぞみさん撮影

今度は、かっこよくカメラを構えているシルエットになりました。

「ファインダーをのぞきながら、立ち位置から少しずつアングルを変えながら何枚も撮ってみると、最初のイメージ通りの絵になりますよ」(高橋さん)

さらに高橋さんのアドバイスが続きます。

「あとは、自らが歩いて前へ後ろへと動いて構図を変えていくことは基本ですね。よく使われるズームレンズであれば手元を動かすだけでいいように思いますが、身体を動かすことによって違う視点に気づきますし、写真に慣れてきたら単焦点レンズを使うようになるのでその時の為にも自分の視点で動いてアングルを変えていく癖をつけましょう」

原宿の街角でプロに学ぶ、光と影を意識したスナップ撮影のテクニック 

花柳のぞみさん撮影

すっかり影の撮影が気に入った花柳さんは、足を上げたポーズなどを楽しそうに撮っていました。光さえ当たっていれば、いろいろな工夫ができそうです。

原宿街角スナップ

高橋伸哉さん撮影

最後に高橋さんから一言。「写真は光と影で成り立っています。難しく考えすぎることなく宝物を探すようにワクワクした気持ちを忘れずに面白い光と影の演出を探して自分なりの写真を撮っていってくださいね」

今回、二人が使った機材はソニーα7R IIIと富士フィルムのX-Pro3。

次回も、原宿で光を意識したスナップ撮影のコツを学びます!

(文・&M編集部)

<花柳のぞみさん情報>

・twitter https://twitter.com/nozomi_fleuron
・Instagram https://www.instagram.com/nozomihanayagi_/

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PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972

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