大人のガンプラ愛を呼び起こす! 開発担当者に聞く、7つのブランド 特徴と魅力

技術の進歩とともに、40年の間でさまざまな進化を遂げてきた『ガンプラ』。現在、複数のブランドが立ち上がっている。
株式会社BANDAI SPIRITSのガンプラ開発担当者・狩野義弘さんに、7つのブランドそれぞれの特徴を聞いた。

豊富なラインナップを誇る『HG(ハイグレード)シリーズ』

ガンプラ10周年記念につくられた、最も歴史あるブランドが『HGシリーズ』だ。初めてランナーに「多色成形」が導入されたのもこのシリーズ。

『1/144』スケール、約125㎜ほどの大きさが基準となっている。商品によるものの、価格帯が比較的こなれているのが特徴だ。また、商品のラインナップがガンプラブランドの中で最も豊富。現在は700点以上もの商品数を誇る。
スタンダードモデルとして君臨しているだけあり、新商品の出るスピードも早い。新しい機体になればなるほど可動範囲や仕掛けの進化が感じられる。色味の再現度も高く、最近ではシールなしで忠実に再現できることを狙っているという。

自分好みのガンプラを見つけたい人、色んな機体をそろえたい人にとっては満足度の高いブランドになっている。

手軽にメカニックに触れられる『MG(マスターグレード)シリーズ』

ガンプラ15周年を記念して企画された『MGシリーズ』は、『HGシリーズ』の次に歴史あるガンプラだ。大学在学中、『プラモ狂四郎』へのアイデア提供やプラモデル企画に参加し、1985年にバンダイ(現 BANDAI SPIRITS)に入社したモデラー「川口名人(川口克己さん)」の企画したシリーズだ。

『1/100』スケール、約180㎜ほどの大きさが基準となっている『MGシリーズ』は、初めてガンダムの“内部構造(フレーム)”をプラモデルにも組み込んだ。当初は一部分だったが、現在はフレームを一通り組み上げ、そのうえに装甲を取り付けるような形が主流になっている。アニメでは描かれなかった内部のメカを説得力ある造形で設計し、さらにプラモデルとして組み立てられるように考えているのだから、すごいこだわりである。

『MGシリーズ』は現在は200点以上、『HGシリーズ』に続く商品数である。大きさも最新技術を入れやすいシリーズだそうで、『MGシリーズ』で成功した最新技術を、後々『HGシリーズ』に反映させることもあるという。値段も大きさの割に低めに抑えられており、少し本格的にガンプラを作りたい人にうってつけのブランドだろう。

また、数々のガンダムシリーズを手掛けたメカニックデザイナー・カトキハジメさんプロデュースのブランド『Ver.Ka(バージョンケーエー)』も『MGシリーズ』の中にある。カッコいいモビルスーツをつくりたい人にオススメしたい。

最新技術がてんこ盛り『PG(パーフェクトグレード)シリーズ』

「究極のガンプラ」を目指してつくられたのが『PGシリーズ』。“最新鋭の技術がてんこ盛り”と開発担当者が語るほど。

『1/60』スケール、「RX-78-2 ガンダム」で約300㎜ほどの大きさになるため、他のシリーズと比較しても非常に大きく感じる。『PGシリーズ』は発売当初から全内部フレームを組み込む仕様であり、指先の関節まで動かせるほどの緻密さ。一部に金属パーツも使用されている。内から外まで、よりリアルなガンダムが追求されている。狩野さんは「間尺(ましゃく)に合わないつくり込み」と表現する。

現在の商品数はおよそ30点、『HGシリーズ』『MGシリーズ』と比較すると高価ではあるが、モビルスーツを組み立てるような過程を楽しみたい人に最適なガンプラといえるだろう。

桁違いなリアリティを再現『RG(リアルグレード)シリーズ』

「本物であること」を追求してつくられたのが『RGシリーズ』だ。ガンプラ30周年記念企画として登場した新しいブランドである。

大人のガンプラ愛を呼び起こす! 開発担当者に聞く、7つのブランド 特徴と魅力

(C)創通・サンライズ

2009年にお台場、2010年に静岡で設置された実物大ガンダム立像『RG 1/1 RX-78-2 ガンダム』を『1/144』スケールのプラモデルとして製品化したいという思いから誕生したのが、この『RGシリーズ』だ。

『HGシリーズ』と同じ1/144スケールであるものの、大きな違いは“リアリティ”。緻密なパーツ構成に加えて、ガンダムの質感も表現している。現在はおよそ40点の商品ラインナップとなっている。

『1/144』スケールでありながら、「モビルスーツが本当に建造されるとしたらこうなる」という想像が膨らむ造形に加えて、最新技術が盛り込まれたプラモデルづくりも楽しめる、40年間にわたって進化してきたガンプラの魅力が凝縮されているブランドだ。

とにかく大きくてつくりやすい『メガサイズモデル』

次は最も大きな、その名も『メガサイズモデル』。とにかく大きさを追求したガンプラとして展開されている。

その大きさはなんと『1/48』スケール、約375㎜あって迫力満点。パーツ数が少ない上に、ニッパーやカッターなどの道具不要な「タッチゲート」が採用されているため、大人だけでなく子どもと一緒につくりやすいのも特徴である。

現在は『ファーストガンダム』と『シャア専用ザク』『ユニコーンガンダム(デストロイモード)』の3ラインで販売を行っている。この大きさでありながら、約8,500円(メーカー希望小売価格)からであるのも魅力的だ。

とにかく大きいサイズのガンプラがほしい、サクッと簡単にガンプラをつくりたい、そんな人のために用意されたブランドなのだ。

ユニークなギミック満載『SD(エスディー)ガンダムBB戦士シリーズ』

SD(スーパーデフォルメ)ガンダムとして、可愛さと格好良さを両立させているのが『SD(エスディー)ガンダムBB戦士シリーズ』。

約80㎜とガンプラ内で最小の大きさ。鎧(よろい)や武器を組みかえて遊べたり、BB戦士という名の通りBB弾を発射したり、ユニークなギミックが詰まったブランドだ。武者や騎士をモチーフにして、ブランド内にもさまざまなシリーズが展開されており、現在は約500点の商品数を有している。値段もリーズナブルで、収集しやすいのも魅力的。

一風変わったガンプラに興味がある人や、子どもと一緒に楽しみたい人にオススメしたい。

【番外】研究の賜物(たまもの)『Figure-riseLABO(フィギュアライズラボ)』

ガンダム以外にも多くのプラモデルを展開しているBANDAI SPIRITSは、ガンプラ開発で培われた技術を、さらに発展させていくために新しい研究をしているという。その研究成果が商品化されたブランドが『Figure-riseLABO』だ。

一見普通のフィギュアに見えるが、実はこれもプラモデル。研究成果第一弾の『Figure-riseLABO ホシノ・フミナ』は、「レイヤードインジェクション」技術を取り入れ、塗装ではなくフィギュアの材料自体に色を練り込んだ「成形色」で、“人の肌の質感”を表現している。ゆえにこれも立派なガンプラだ。

ピンク色の成形の上に肌色の薄い膜(まく)の成形をかぶせ、下の色を透過させることで、リアルな肌を実現した。最大4色使用可能な成形技術のため、肌の色だけでなく、瞳の中のハイライトや陰影、まつ毛や眉毛、顔のシャドウやチークなどがリアルに再現できるのだ。

大人のガンプラ愛を呼び起こす! 開発担当者に聞く、7つのブランド 特徴と魅力

(『ホシノ・フミナ』…ガンダムビルドファイターズトライのヒロインキャラクター (C)創通・サンライズ)

『Figure-riseLABO』での研究が成功すれば、後にガンプラやほかのBANDAI SPIRITS製品へも導入していくという。昨年12月には“グラデーションによる色彩の表現”を研究テーマにした『初音ミクV4X』を販売、さらに“衣装の材質表現”を研究テーマにした『南ことり』を発売していく予定だ。最新のプラモデル技術に触れ、感動の体験が味わえるかもしれない。

現在発売されているガンプラブランドそれぞれの特徴や魅力をおわかりいただけただろうか? 次回は、開発担当者に教えてもらった、大人にオススメのガンプラを紹介する。

>>大人のガンプラ愛を呼び起こす! 開発担当者に聞く、40年の変化

(文・阿部裕華 写真/動画・林紗記)

【動画】ガンプラの魅力を探るべく、バンダイホビーセンターに潜入した

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PROFILE

阿部裕華

1992年生まれ、神奈川県出身。 WEBメディアのライター/編集/ディレクター/マーケッターを約2年間経験。2018年12月からフリーランスとして活動開始。ビジネスからエンタメまで幅広いジャンルでインタビュー中心に記事を執筆中。アニメ/映画/音楽/コンテンツビジネス/クリエイターにお熱。

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