キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーは意外に狙われやすい あなたの盗難対策は大丈夫? 

昨今、人気車両の盗難や車上荒らしの話も多く聞かれます。今回はそんな「盗難」にまつわる話。何に気を付ければいいのか。どう対策したらいいのか、考えてみましょう。

(TOP画像:泥棒は明るいのが嫌いだ。人感センサー付きの照明などを設置しよう。また、生け垣などの目隠しも背が高すぎると人目に付きにくい。自宅の敷地なら植栽の高さや密度も調整しよう)

全国で1時間に1台、車が盗まれている

全般に治安がよいといわれる日本ですが、実は結構な件数の車両盗難が発生しています。年々減少しているとはいうものの、2018年には年間8628台もの車両が盗まれました。これは単純計算すると、ほぼ1時間に1台の割合になります。1時間に1台、日本のどこかで車が盗まれている。これは結構すごいことです。

しかも、盗まれた車両の約75%はドアロックをした状態で盗まれているというのですから驚きです。

車両盗難というのは、ゆきずりの犯行というより、犯罪グループが組織的に関与しているケースが多いと言われています。盗まれた車両は、解体されて部品として売られたり、海外へ不正に輸出されたり、事故車と合体させて「まっとうな中古車」として販売されたりするそうです。つまり、近所の誰かが出来心で盗んだ、なんていう場合でもない限り、そのままの姿で見つかるケースはほとんどない、ということなのです。

バンコンは特に気を付けて!

実は、車両にも狙われやすい車もあれば「不人気車」もあります。狙われやすいのは「流通量が多く、部品の需要が高い車」「海外で人気の車種」。前述の「部品として売られる」「海外に不正輸出される」というのと、一致しますね。

ではキャンピングカーの場合はどうでしょう?

人目に付きやすく、売り飛ばそうにもマーケットが特殊なキャブコンやバスコン、トレーラーは、正直なところ盗難の対象にはなりにくい車種です。が、気を付けなければならないのがバンコンです。バンコンは、まず外見はベース車両そのもの。代表的なベース車であるトヨタ・ハイエースは、国内はもとより海外でも人気が高く、車種別盗難台数で常に上位にランクインしています。

イモビライザーも決して万全ではない

自動車メーカーも、ただ黙ってこの状況に手をこまぬいているわけではありません。いくら人気の車種でも「盗まれやすい」「狙われやすい」なんて評判が立っては、人気に翳(かげ)りが出てしまいます。メーカーとしても、簡単に盗まれないようイモビライザーを搭載するなどして自衛に努めています。

イモビライザーとは、単純な合鍵や不正な配線ではエンジンが始動できないようにする装置。イモビライザー付きのカギは、もし紛失しても街の合鍵屋さんでは作ってもらえません(作ってもエンジンはかかりません)。ただ、これなら大丈夫だろう、と思っても、相手はプロ。メーカーの対策の裏をかくような手法で対抗してきます。

鍵を作れば泥棒が破る。破れない鍵を開発すれば、破るやつが出てくる。いつの世もイタチごっこなのです。

ロック、アラーム、GPS……多重防御を

では、盗まれないようにする手段はないのでしょうか。我々ユーザーはどうしたらよいのでしょう。車を盗まれない、車上荒らしに遭わないようにするには、以下のような点に気を付ける必要があります。

●とにかく泥棒に面倒くさがらせる

ハンドルロックやホイールロック等、盗難防止グッズは自動車用品店にたくさんあります。こうしたアイテムを利用して、とにかく泥棒に手間を掛けさせることです。一つひとつは簡単に破られるようなものでも、数がたくさんだと、それだけ時間もかかります。

盗難防止グッズのひとつ、タイヤロック。盗難対策は二重三重に!やりすぎということはないのだ

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住宅への侵入もそうですが、泥棒は素早く鍵を破り、人目に付くヒマもなく犯行に及びます。鍵がいくつもかかった車は「面倒くさい」し、それだけ発見されるリスクも高まるので避けるはずです。

●センサーアラームはやっぱり有効

ときたま、街頭で車の防犯アラームが鳴りだして、びっくりすることがありますね。持ち主がセンサー解除を忘れて不用意に接触するケースも多いようです。人騒がせな……と思うかもしれませんが、それぐらいでちょうどいい、とも言えます。

センサーには、振動に反応するもの、傾きを検知するもの(ジャッキアップすると反応する)などさまざま。けたたましいアラームが鳴れば泥棒は逃げるしかありません。

●パーツ狙いには防止ボルトで備えを

車まるごと盗まれなくても、パーツが盗難に遭うケースもあります。私も経験がありますが、本当に腹立たしいものです。狙われやすいパーツは外装ならホイール、内装ならカーナビでしょうか。あとはナンバープレートも盗難対象になります。そのほか高価なオーディオや外車の場合はウィンカーなど灯火類が狙われることも。

 

ホイール用(中央)、ナンバー用(左上)の盗難防止ロック。専用の工具でしか回せないようになっている。カーナビ用にも同じようなロックがある(画像提供:マックガード日本)

ホイール用(中央)、ナンバー用(左上)の盗難防止ロック。専用の工具でしか回せないようになっている。カーナビ用にも同じようなロックがある(画像提供:マックガード日本)

こうした部品の盗難を防ぐためのツールもあります。ホイール、ナンバープレート、カーナビには「盗難防止ボルト」を使用しましょう。盗難防止ボルトはそのボルトに合致する専用工具でないとはずせません。通常の工具では回せないのです。

しかもその専用工具は何パターンもあるため、泥棒が全パターンそろえて犯行に及ぶ、というのはちょっと考えられません。車内のカーナビやオーディオにも盗難防止ボルトはあります。欧米によくみられる取り外し型のカーナビ/オーディオは、日本ではあまり売られていません。

●盗まれにくい環境に駐車する

駐車場の環境が選べるならそれに越したことはありません。
・夜でも明るい(常夜灯や街路灯がある)
・物陰がない(隠れて犯行に及びにくい)
という場所なら理想的です。が、そんな駐車場ばかりでもないのが現実です。

防犯カメラは万一の記録だけでなく、抑止効果も。目立たないように本物を設置し、目立つようにダミーをつけ加えると効果UP! ダミーを壊して安心した犯人が、バッチリ本物のカメラに写っている、というケースも多い

防犯カメラは万一の記録だけでなく、抑止効果も。目立たないように本物を設置し、目立つようにダミーをつけ加えると効果UP! ダミーを壊して安心した犯人が、バッチリ本物のカメラに写っている、というケースも多い

そこで、防犯カメラや照明を充実させて「盗まれにくい環境」を作るのが有効です。防犯カメラを複数つけ、照明も充実させて死角を作らないようにしましょう。

電源が確保しにくい場所はソーラー充電式ライトなどを活用して、暗がりを防ぐのも一案です。

●盗まれた時のことまで考えるなら

お金はかかりますが、間違いなく有効なのは、警備会社のGPS追跡装置を利用した監視システムです。各警備会社ごとにセンサーの内容などは極秘でしょうが、まず車のドアが破られたり、異常な配線でエンジンをかけようとしたりすると、警備会社に通知が行きます。車内に発信機がありますから、どこにあるかもすぐにわかります。

そして、最終的な対策ですが、車両保険は十分にかけておくのがおすすめです。

対策にやりすぎはない!

ここからは余談です。

●キー紛失には十分気を付けて

イモビライザーの普及によって、以前よりも合鍵を作るのが難しくなったことはご紹介したとおり。イモビライザーがない時代の車は、ただ物理的に同じ鍵をコピーすれば難なく盗めました。しかしイモビライザーがついていると、前述のように、見た目や形がそっくりな鍵を用意してもエンジンはかかりません。

防犯上はたしかにありがたいですが、持ち主のキー紛失の場合にも、困ったことになります。実際、私もイモビライザー付きの鍵をディーラーにオーダーしようとして、数万~数十万円といわれて驚いたことがあります。うっかり紛失で支払うには、あまりに大きな代償です。キーの管理には十分注意しましょう。

●トヨタ車はマスターキーの管理にご注意を

トヨタ車の鍵には黒とグレーの二種類があります。黒色がマスターキーでグレーはサブですが、車側のコンピューターは黒のキーと対応しています。仮にグレーを紛失した場合、再発行(合い鍵)を作ってもらう際には、黒のマスターキーが不可欠です。

逆に黒を紛失してしまうと、グレーで乗り続けることはできますが、もう一本グレーを増やそうと思っても、黒がなければ作ることができません。それどころか、コンピューターごと取り換える場合すらあって、数万円どころでは済まないのです。普段はグレーを使い、黒色は大切に保管しておくことをお勧めします。

「たまにしか動かさない」「駐車場所が自宅と離れている」ことが多いキャンピングカー。泥棒にしてみれば絶好の条件です。どれだけ対策しても、やりすぎということはありません。もう一度、駐車環境を見直してみましょう。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・Youtubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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