20代ミュージシャンが語る“譲れない価値観”

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(後編)

「メジャーデビューしてから気づいた、自分たちのこだわりやめんどくささが歌詞に込められている」

こう語るのは、人気急上昇中のラップユニットchelmicoだ。2019年1月に配信限定でリリースされた新曲『Easy Breezy』には、彼女たちの“いま”のありのままの気持ちがつづられている。

『Easy Breezy』は、テレビアニメ『映像研には手を出すな!』のオープニングテーマにも起用されている。「ずっとアニメのタイアップをやりたかった」と話すchelmico。楽曲制作を振り返り、2人は喜びを強くかみしめていた。

絶対につかむと決めた、憧れのアニメタイアップ

―― 『Easy Breezy』の歌詞は、自分たちが何かをつくり出す喜びを噛みしめるような曲だと思います。主題歌になっているアニメ『映像研には手を出すな!(以下、映像研)』の主人公たちの心境ともリンクしているなと思いました。

Rachel:(歌詞の一節の)<どうせやるならめんどくさくなろうぜ>は『映像研』が改めて思い出させてくれたよね。

Mamiko:「誰にも邪魔されたくない」って気持ちをかなり強気に伝えた。強気だから歌詞は口が悪い(笑)。

―― タイアップの話が決まってから歌詞をつくったんですか?

Mamiko:タイアップが決まって、湯浅監督とイメージを共有してからつくりました。メインキャラクター3人のものづくりへの姿勢が、自分たちの曲づくりと同じスタンスだったから、すごいつくりやすかったよね。

Rachel:湯浅監督から「創造する喜び、ワクワクを表現してほしい」と言われて。そんなの、うちらめっちゃ得意ですよ!と(笑)。苦労なく歌詞が書けました。タイアップ、すごくうれしかったな……。

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(後編)

―― アニメのタイアップをやりたいと前から言ってましたもんね。

Rachel:そうなんですよ! あまりにもやりたくて『BEER BEAR』って曲は、アニメのタイアップを想定してつくりました。そっちはこなかったんですけど(笑)。タイアップの話がきたとき、震えるくらいうれしかった! 湯浅政明監督の作品もずっと好きで。「湯浅監督知ってる?」と聞かれて、知ってるも何も!!と。

Mamiko:話がきたときは(タイアップアーティストの)候補くらいだったのかな? でも、「おいおいおい! 何がなんでもやるぞ!」と(笑)。

―― 思わず体がノッてしまうような、作品にもすごく合っている曲だと思いました。

Rachel:湯浅監督も「最高のオープニングができました」みたいなことをTwitterで言ってくれて。めちゃくちゃうれしかった。

―― 本当に好きなのが伝わってきます(笑)。

Rachel:『映像研』も湯浅監督も好きなので! 『映像研』に登場するキャラクターも湯浅監督も向上心があって、こだわりを妥協しないけど、つくるものに対する責任感も持っている。すごくカッコイイ。私もそういうスタンスでやっていきたい。

好きな音楽にラップを乗せてるだけ

―― メジャーデビューして、念願のアニメのタイアップもかなって、順調に前へ進んでいるchelmicoだけど、これから新しくやりたいことはありますか?

Mamiko:がっつりHIP HOPをやりたいな。生音の曲もつくりたいし、バンドセットでツアーもしたい。海外にも行きたい!

Rachel:こういうグッズやジャケット、ミュージックビデオをつくりたいとか、具体的なアイデアはあるけど……ネタバレになっちゃうから言えない(笑)。

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(後編)

―― 前にラップにこだわらずに音楽をつくりたいと言っていたけど、いまも思ってる?

Rachel:私は一周回ってラップやりたいですね。改めてカッコいいラップってなんだろうと考えているところです。ラップはどんなジャンルにも合うから、いろんな表現はできるかなと。chelmicoの曲を一緒につくってくれている3人のトラックメーカーも、いままでにない曲をつくろうと思ってくれていて。いろんなアイデアを提案してくれるから、話し合いながら進めていきたいです。

Mamiko:私はまだラップってくくりに縛られたくない気持ちはある。「ラッパーはこうでなきゃいけない」とマウント取られるのがめんどくさい。私はラップもやるし、普通に歌も歌いたい。chelmicoはHIP HOPに限らず好きな音楽がたくさんあるから、そこにラップを乗せてるだけなんですよね。なので、ラップをもっと広く楽しめたらいいな。

Rachel:全くラップがない曲もあっていいよね。曲づくりが広がるね!

(文・阿部裕華 編集・写真・林紗記)

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プロフィール

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(後編)

2014年結成。RachelとMamikoからなるラップユニット。18年ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー、メジャー1st Album『POWER』をリリース。自由奔放な等身大のリリックのおもしろさ、ハイレベルなラップスキル、キャッチーなトラックに乗せる滑らかなフロウが様々な業界から注目を受けている。音楽のフィールドを超え様々な方面で活動中。

リリース情報

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(後編)

『Easy Breezy』

Release Date:2020.01.17 (Fri.)
Label:WARNER MUSIC JAPAN
Tracklist:
1. Easy Breezy

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PROFILE

  • 宮崎敬太

    1977年神奈川県生まれ。音楽ライター。ウェブサイト「音楽ナタリー」「BARKS」「MySpace Japan」で編集と執筆を担当。2013年に巻紗葉名義でインタビュー集『街のものがたり 新世代ラッパーたちの証言 (ele-king books) 』を発表した。2015年12月よりフリーランスに。柴犬を愛している。

  • 阿部裕華

    1992年生まれ、神奈川県出身。 WEBメディアのライター/編集/ディレクター/マーケッターを約2年間経験。2018年12月からフリーランスとして活動開始。ビジネスからエンタメまで幅広いジャンルでインタビュー中心に記事を執筆中。アニメ/映画/音楽/コンテンツビジネス/クリエイターにお熱。

“自分中心”を貫くラップユニットchelmico「どうせやるならめんどくさくなろうぜ」(前編)

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