キャンピングカーで行こう!

前向き7人乗車でベッドも広々、使い勝手が向上した「ファイブスター・セプト」に注目!

日本のキャンピングカー市場で高い人気を誇るのが「バンコン」です。そのバンコンの老舗、レクビィ社からニューモデルが登場。月初に行われた「ジャパンキャンピングカーショー2020」でも注目を集めていました。その新モデル「ファイブスター・セプト」を詳しくチェックしてみました。

あのロングセラーの新モデル

ワンボックス車に架装を施した「バンコン」は「普段使いしやすい」「見た目が仰々しくない」などの理由で、一番売れているタイプのキャンピングカーです。

ご存じのとおり、キャンピングカーは自動車メーカーから出荷されるベース車にビルダーが架装してキャンピングカーになります。一部のモデルを除けば、同じボディーでも、さまざまなビルダーがさまざまな架装を行っているわけで、それだけ各ビルダーごとの創意工夫が試されるジャンル、とも言えます。

ジャパンキャンピングカーショー2020でデビューした、レクビィ社のファイブスター・セプトもそんな一台です。ベース車はトヨタ・ハイエースのスーパーロング(同社7車種目のスーパーロングベース)。

ファイブスターといえば、2段ベッドや防水マルチルームを持つ同社のファミリー向けロングセラーモデルです。そのファイブスターのモデルチェンジかと思いきや、今回は「セプト」というサブネームが付いた新モデルとのこと。

これがセプトのレイアウト図。ベッドを支える「壁」が無くなったことと、3列目の前向きシートが追加されたところが大きな違いだ

これがセプトのレイアウト図。ベッドを支える「壁」がなくなったことと、3列目の前向きシートが追加されたところが大きな違いだ

何がどう変わったのか、早速チェックしてみました。

完璧に近かった元モデルからどう変わった?

まず、元になったファイブスターについてご紹介しましょう。

ファイブスターは乗車定員8名、就寝定員2名+小人3名のファミリー向けモデル。特長は以下です。

・運転席・助手席の2席と前向き3席ソファとでダイネットを構成
(運転席・助手席は回転はしませんが、シートを最大限前にずらし、背もたれを前に倒すと、背もたれ裏のマップ用ポケットに差し込まれたバックシートと、エンジンルームの張り出しにクッションシートを載せることで、運転席・助手席と背中合わせのダイネットシートができあがる仕組みです!)

・中央左側のキッチンユニット

・後部右側に縦置き常設2段ベッド
 だだし、上段をたためば横向き3席シートになります。

・最後部左側に防水マルチルーム

常設2段ベッドがあること、運転席・助手席の背中側をうまく利用したダイネットなど、バンコンとは思えない広さと使い勝手の良さで、子どもが複数いるご家庭にも人気のモデルでした。

さあ、これのどこが変わったのでしょうか。

マイナーチェンジながら大きな変化!

結論からいうと、元のモデルで厚く支持されているダイネットも二段ベッドも、もちろんキッチンもマルチルームも変わりません。が、大きく変わったのは二段ベッドの形状です。

従来はダイネットの後ろを板で仕切り、その板で上下段を支える形で成立していました。セプトではその「仕切り板」を取り払い、頑丈なポールのみに。さらに、ダイネットの前向きシート後ろにもう1列、2人席の前向きシートを作りました。

「そんなスペースあるの?」とお思いでしょう。実は、二段ベッドの下段を前向きシート化して解決したのです!

3列目の乗車状態。窓際は上に収納があるのでよほど背の高い人ならきついかもしれないが、前向きというだけで長距離でも楽ちんだ

3列目の乗車状態。窓際は上に収納があるのでよほど背の高い人ならきついかもしれないが、前向きというだけで長距離でも楽ちんだ

これで従来横向き3席だったシートはなくなり、前向き2席に。乗車定員は7名になりますが、定員ぎりぎりで使っている人でなければ問題はなさそうです。

横向きシートではドライブ中に車酔いする、という人もいますので、全席が前向きになったのは、乗り心地の面では向上したといえるでしょう(バスのシートを見ればわかると思います。短距離の路線バスには横向きシートもありますが、観光バスなどの長距離を走る車は、ほとんどが前向きシートです)。

広々とした「寝室」に早変わり

気になるベッドですが、座席の背もたれを上にあげれば、従来通りの上段ベッドが完成! 重量をしっかり支えるフレームを後部から延ばせば、大人が寝ても安心できる強度が確保されます。

この変更で改善された点は、以下です。

●車の前後を仕切っていた板がなくなったことで一体感が生まれ、閉塞(へいそく)感がない。

●ダイネットをベッド展開すると、二段ベッド下段と一つながりになるので、リアから運転席のすぐ後ろまでが連続した一面になる。

この2点で、就寝時の自由度が向上します。もともと下段ベッドは長さが210cmもありましたが、視界を遮っていた板がなくなり、見通しがよくなりました。

車内に「壁」が無くなったので、下段ベッドはこのとおり。広々とした就寝スペースであると同時に、長い荷物ものせやすい

車内に「壁」がなくなったので、下段ベッドはこのとおり。広々とした就寝スペースであると同時に、長い荷物ものせやすい

●3列目シートができたことで、運転席・助手席を移動させなくても、2列目・3列目でダイネットが作れる。

3列目シートができたことで、1列目を動かさなくても2列目を反転させるだけでダイネットが作れるようになりました。移動途中の休憩でちょっと食事がしたい、なんていう時、この気軽さはありがたいのではないでしょうか。

購入検討時は従来モデルとよく比較して!

もちろん、この改定が事情に合わない人もいるでしょう。

●子どもを先に寝かせ、大人はダイネットで夜更かししていたが、板がなくなったことで照明の明るさが漏れて、後部ベッドがまぶしい。

●着替えや授乳などに便利な2ルームとして考えていたので、目隠しがなくなるのは困る。

こうした事情であれば、従来型のファイブスターのほうが使い勝手がよいと言えるでしょう。

車内の見通しが良くなり広々感も上々。ただ、2ルーム的な使い方にはカーテンで仕切るなどの工夫が必要かもしれない

車内の見通しが良くなり広々感も上々。ただ、2ルーム的な使い方にはカーテンで仕切るなどの工夫が必要かもしれない

また、ファイブスターは2段ベッドの上段を下げることで横向き座席の背もたれにしていたのですが、ファイブスター・セプトでは上段が固定されてしまったので、それができません。「横向き座席が好きだったのに」という人も、ファイブスターをどうぞ。

前述のとおり、横向き座席ではなく、全3列が前向きになったファイブスター・セプト。7名や8名乗車をうたったバンコンはたくさんありますが、縦置きの2段ベッドを持ち、前向きで7名が乗車できるのは、今のところファイブスター・セプトだけです。

ワンボックスの車内という限られた空間をいかに利用するか、各社しのぎを削って様々なレイアウトを生み出していますが、ロングセラーに甘えることなく、さらに使い勝手を求めた新モデル。ビルダーの積極姿勢が見える一台、ぜひチェックしてみてください。

ぬれた遊び道具を入れる、トイレとして使うなど、文字通りマルチに使える防水ルームはこのシリーズの人気装備だ

ぬれた遊び道具を入れる、トイレとして使うなど、文字通りマルチに使える防水ルームはこのシリーズの人気装備だ

(画像はすべてレクビィ提供)

【DATA】

レクビィ
ファイブスター・セプト
552万円~

株式会社レクビィ
https://recvee.jp/

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・Youtubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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