山城さくらのキャンプFM

まさに建築美―― THE NORTH FACE開発担当者に聞くGeodome4®の設営方法とこだわり

こんにちは、キャンパーの山城さくらです。

キャンプにどっぷりはまり、そろそろ1年半。

ソロテントにはじまり、焚(た)き火台、薪ストーブといろいろそろえてきましたが、今とても欲しいものがあります。

その金額……なんと180,000円……!

この金額を聞いてピンときたキャンパーの方も多いのではないでしょうか。

そう、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の球体ドームテント、Geodome4®(ジオドーム4)です

【動画】組み立ての様子をタイムラプスで

いや〜、かっこいいですよね。

追随を許さない独特のフォルムに、建築物のような美しさ。

そして一番グッとくるのは、ジオドーム4はザ・ノース・フェイスのアメリカチームではなく“日本の開発チームがつくった”ということ。初めてキャンプ場で見かけたときは、その圧倒的な存在感に大興奮でした。

もう喉(のど)から手が出るほど欲しいのですが、高価格な上に、持ち運びも組み立てるのも大変そうだなと、いまいち購入の一歩を踏み出せずにいます……。

しかし、どれも噂(うわさ)レベルの情報。それなら実際に組み立てて検証してみよう、ということで、ザ・ノース・フェイスさんにお願いしたところ、なんと一緒に組み立てていただけることに。やったー!

ということで今回の記事では、ジオドーム4を組み立てたリアルなリポートをお届けさせていただきます。

結論から言ってしまうと、

 

・ジオドームは想像以上に軽い

・慣れれば15分で設営できる

・機能/デザインともに考えつくされた設計

 

と、こんな感じ。

これを読んだらこの金額にも納得してしまうのでは……!

私と同じく、購入を迷われている方の参考になればうれしいです。

想像よりもコンパクトな収納、気軽に持ち運べる軽さ

今回テントの組み立て方を教えてくださるのは、ジオドーム4の開発リーダーを務めた、エキップメントグループマネージャーの狩野茂さんと、マーケティンググループプレスチームの鰐渕航さんです。

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(左から)鰐渕さん、私、狩野さん

そして、真ん中にいる私が持っているこちらがジオドーム4!

本体、ポール6本、フライシートを入れて総重量11.07kg。

あれほど大きなテント、ものすごく重いのでは……? と思っていたのに、私一人でも簡単に持ち運びできるサイズと重さで、あっさり一つ目の懸念点クリアしてしまいました。

それでももう一つの不安要素、“設営めっちゃ大変なんじゃないの?”問題が残っています。「ファミリーキャンプを想定しているので、大人が2人いれば慣れると15分で設営できますよ」と、狩野さん。本当に? あんなに大きくて複雑そうなのに……?

百聞は一見にしかずということで、早速お二人に教えてもらいながら組み立てていきましょう。

0.設営スタート まずは下準備から

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袋から本体、ポール、フライシートを取り出し、まずは本体を広げつつ付属しているワイヤが絡んでいる場合はきれいに整えます。

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お次は、ポールの組み立てです。なんと、ジオドーム4に使うポールはわずか6本。特徴のひとつであるジオデシック構造(高い強度を持ち、最小の表面積で最大の空間をつくる構造)のメインの骨組みとなるブラックカラーの5本に、“赤道”と呼ばれる、球体をぐるりと水平方向から支えるグレーカラーのポールが1本。

かなり長いので少し組み立てるのにコツが要りますが、慣れてしまえばとても簡単。ただし、テント同士が近いような、混んでいるキャンプ場では人や物にぶつけないように周りに注意しながら設営しないといけません。

1.テント本体のスリーブに5本のポールを通す

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組み立てたポールのうち5本(メインとなる骨組み)を、本体のスリーブに通していきます。

スリーブが端から端まで途切れることなく繋(つな)がっているので、まっすぐ差し込むだけ。

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とはいえ、長いポールなので少々こつが必要です。ポイントは、絶対に引っ張らないこと。引っ張ると、せっかく組み立てたポールがスリーブ内でスポンッと外れてしまうので、ポールは「1.押す、2.生地を手繰り寄せる」を繰り返して通していきます。

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スリーブに通すと、ポール同士が重なる部分が自然に上下交互になるのですが、これがジオドーム4の強度の理由のひとつ。交互に重なることで、強風にも負けないタフな安定感をもつことができます。

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ポールを全部入れると、きれいな星形に。すでに美しい。

次はいよいよテントの立ち上げです。

2.ドーム形に立ち上げる

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差し込んだポールの端を、本体の縫い目の線をたどった先にある、

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穴に差し込んで固定。

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5本差し込んだうちの、それぞれの片端5カ所をすべて固定したら、テント本体の窓をすべて開けていきます。これは、立ち上げたときの空気の通り道を作るため。

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そして、残りの5カ所も同じように固定していくのですが、片側がすでに固定されている分、これがなかなかの力仕事。

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ポールを力いっぱい中に押し込み、穴に固定します。

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全て固定すると、いよいよテントが立ち上がり球体に。

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本当にたった5本のポールで立ち上がった……!

あらかじめテント本体に固定されているこのワイヤ、あまりに美しいのでてっきり飾りかと思いきや、建築物でいうところの“筋交い”(建物を強くするために、柱の間などにななめに交差させてとりつけた部材)的な役割があるんだとか。

持ち運び時の重さや、そして設営の手間を最小限に抑えるポール本数に、ワイヤの筋交いをつけることで、“最小の材料で最大の強度を持つ構造”がかなったジオドーム4。全てにおいて無駄が一切ありません。

3.赤道沿いのスリーブに6本目のポールを通し、留め具をつけてペグダウン

より強度をつけるため、残りの1本の赤道と呼ばれるポールを横向きにぐるりと一周。

【動画】赤道を一周

テント本体と全てのポールをフック式の留め具で固定し、さらに強度を増していきます。

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留め具が本体に付属しているので、パーツをなくしたり、固定位置を迷ったりすること無くつけられるのも地味に助かります……(細かいパーツをすぐ無くすタイプの人間なので……)

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今回は室内での設営だったため割愛しましたが、実際には、ここでペグダウンを。

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ここでひとまず、本体の設営は完成です。

あとは、雨風や強い日差しから守るためにフライシートをかけましょう。

4.フライシートをかけ、ペグダウン

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まずは、本体とフライシートの大体の位置を確認し、(目印としてテント内部への入り口部分のみベルトが赤い)そのままバサッとかぶせます。

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本体のペグダウンしているストラップにフライシートと連結するストラップがついているので、しっかりと固定します。

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本体と同じく、ポールと接続しペグダウン。

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そうして完成したのがこちら……!

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今回は室内なのでペグダウンができず、ややハリが足りませんが、そこはご愛嬌(あいきょう)……!

テント内では、センターポストがテント本体とフライシートの間で垂直に立っています。これにより頂点が立ち上がりテンション(引っ張る力)がかかると同時に角度がつくので、悪天候の時に水がたまらず、流れ落ちる役割も果たします。

まさに建築美―― THE NORTH FACE開発担当者に聞くGeodome4®の設営方法とこだわり

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設営にかかった時間と、手順のおさらい

ちなみに、今回はお話をききつつ、さらに撮影しつつでしたので設営には30分ほどかかりました。

【組み立て手順】

1.テント本体のスリーブに5本のポールを通す

2.ドーム形に立ち上げる

3.赤道沿いのスリーブに6本目のポールを通し、ポールにフックをかけペグダウン

4.フライシートをかけ、ペグダウン

でも、手順はとてもシンプルなので、たしかにこれなら慣れれば15分ほどで設営できそう。

機能美、そして造形美

まさに建築美―― THE NORTH FACE開発担当者に聞くGeodome4®の設営方法とこだわり

まずは、ジオドーム4の特徴のひとつでもある2.1mの天井高。実はこれ、建築基準法で居室に必要な天井高と同じ高さ。テントでも住居と同じく快適にすごせるように、大人が中で立ってストレスなく活動できる高さに設計したそうです。

そしてこちらの高い部分についている小窓は、窓下のヒモを下に引くと窓が開く仕組みに。

【動画】小窓を開ける

背伸びしなくてもサッと開け閉めすることができる、この気遣い……!

小さなことですが、こういう所こそ意外と手間になってしまうのでとてもうれしい。

急な雨でも安心です。

そしてこの美しい窓。これまで、居心地のよいテントはいくつかありましたが、こんなに室内からテントの構造を眺めて、ほれぼれするのは初めてのこと。ずっと見ていたい……

実際に野外でキャンプをしたら、この窓から見える景色は木々でしょうか、それとも満天の星でしょうか。想像しただけで高揚してしまいます。

まさに建築美―― THE NORTH FACE開発担当者に聞くGeodome4®の設営方法とこだわり

ちなみに窓下のポケットには、キャンプ時に無くしがちな小物を入れることができます。取り外して腰に巻くこともできるスグレモノ。

「寝るだけの場所ではなく、アートのように楽しめるテントを。ザ・ノース・フェイスらしい、美しいものを作りたかったんです」と語る狩野さん。

それでいて、風速約26m/s(何かにつかまっていないと立っていられないほどの風)にも耐えられる強度に、2.1mの天井高、そしてシンプルな設営手順に片手で運べるほどの軽量性。

まさにこんなテントを待っていました。

仕事を頑張って、今年中に絶対買うぞ……!

(取材・文:山城さくら / Bright Logg, inc. 編集・写真:林紗記)

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PROFILE

山城さくら

地方で事務員として働いていたが、もっと好きなことに時間を使いたいと思い28歳で思い切って脱サラ。現在はフリーランスとして本業を決めず様々なジャンルにチャレンジしている。念願だった「憧れシティ東京」での暮らしをスタートさせつつ、週1のキャンプで都会暮らしと大自然を満喫中。

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