THE ONE I LOVE

宇多田ヒカル、矢野顕子、T.Rex、安室奈美恵……etc. 東京インディ・ロック界の人気バンドTENDOUJIのメンバーが選ぶ愛の歌

こんな時代だからこそ、愛を聴きませんか、語りませんか──。“愛”にまつわる楽曲を紹介する連載「THE ONE I LOVE」。

今回は東京インディ・ロック界の人気バンドTENDOUJIのセレクトによる愛の5曲を紹介する。TENDOUJIは洋邦のオルタナティブ・ロックを彼らなりに吸収、解釈してバンドサウンドに落とし込み、爆発させる4人組。その音楽性はロックやポップスの先人たちへのリスペクトに満ちている。最新リリースのシングル「HEARTBEAT」や「COCO」では、プロデューサーの片寄明人(GREAT3)とともに、そんな魅力をさらに押し広げた姿を見せている。フレンドリーなメンバーたちも実に個性的だ。

今回は4人全員に選曲を依頼。好調だと自負するバンドの雰囲気そのままに、和気あいあいと語ってくれた。

<セレクト曲>
1 TENDOUJI「TIME AFTER TIME」
2 矢野顕子「ごはんができたよ」
3 宇多田ヒカル「花束を君に」
4 T.Rex「Hot Love」
5 安室奈美恵「Baby Don’t Cry」

宇多田ヒカル、矢野顕子、T.Rex、安室奈美恵……etc. 東京インディ・ロック界の人気バンドTENDOUJIのメンバーが選ぶ愛の歌

■TENDOUJI「TIME AFTER TIME」

モリタナオヒコ(ギター&ボーカル) 僕たちがものすごく愛してる曲で、昨年リリースしたシングル「COCO」の中に収録しています。原曲はシンディ・ローパーの作品で、カバーするのも恐れ多いと思ったくらいの超名曲ですよね。彼女のMVも切なくて、すごく好きなんですよ。見ていると、自分の子どもの頃を思い出します。

僕は80年代や90年代の映像を見ると童心にかえるというか、「いい時代だな」と思っちゃうんですよ。日本もそうですけど、世界的に豊かだったんだな、と思えて。この曲を収録した「COCO」の空気感ともマッチすると思ったので、カバーしました。

プロデューサーの片寄さんと話した中では『(作り込んだサウンドで知られる)フィル・スペクターやビーチ・ボーイズのようなニュアンスを出してみてはどうか』という提案もありました。けれども自分たちの特徴であるバンドとしての荒々しさは残したいと思って、今のかたちになりました。

アサノケンジ(ギター&ボーカル) 僕たちはライブが激しいから、「もしかしたらバンドの雰囲気にそぐわない曲じゃないかな?」とも思ったんですけど、実際に演奏してみたら、すごくハマりました。演奏していると「曲が強いな」と思います。やっぱり、いい曲なんだと思いますね。

 

■矢野顕子「ごはんができたよ」

モリタ 矢野顕子さんは全曲好きなんですけど、この歌には矢野さんの母性をとくに強く感じますね。家でごはんができていて、それに向かっていく子どもの姿を思い出させてくれる、すごい曲だと思います。そういう瞬間のことはつい忘れちゃうし、ふだん生きているとその素晴らしさに気づかないものなんですけど、矢野さんはそうした日々の大事なところを切り取るのがすごく上手で、その才能は素晴らしいなと思います。自分も曲を作るときに、そういう感覚を追い求めています。とくにこの曲には親の愛情とか地元の空気感があって、そこでごはんのにおいがするという不思議な感覚もある。愛に包まれた感じが好きです。

 

■宇多田ヒカル「花束を君に」

アサノ これは宇多田さんが、お母さんを亡くしたことを書かれた歌です。僕は2016年に母親を亡くしていますが、ちょうどその年の『紅白』に宇多田さんが出ていて、この曲を歌っていたんですね。とくに<言いたいこと 言いたいこと>という歌詞のところで、すごくグッと来ました。意味的にはここで同じ言葉を2回言う必要はないけど、たぶん気持ちが強いからなんだろうな、と。

自分の経験からも、もう会えない人と接するときに何が一番したいかというと、その人の話を聞きたいというより、自分のほうが言葉をかけたくなります。話しかけたい、という気持ちがある。だからその年の紅白の映像は一生忘れないですね。見ながら、めちゃくちゃ泣いちゃいましたから。それから自分にとって大事な曲になりました。

 

■T.Rex「Hot Love」

ヨシダタカマサ(ベース) 愛の曲はいろいろありますが、ちょっと性的な歌を選びました。僕はT.Rexのマジカルな感じとか、グラムロックのテカってる、グロスな感じがすごく好き。中でもこれはまるでコタツに入ってるような、腰から、身体の芯からジーンと熱くなる曲です。ほんと、性的な愛ですよね(笑)。マーク・ボランの吐息もすごくハマっています。この曲は、バンドの企画ライブの時にBGMでよく流します。これを聴けば、お客さんもじわじわあったまってきて、僕らも愛にあふれたステージをできるような気がするんですよね。

 

■安室奈美恵「Baby Don’t Cry」

オオイナオユキ(ドラムス) みんなが女性の歌を多く選んでいるので、僕もそうしました。安室ちゃんの歌は小さい頃から好きでしたが、これは自分が大人になってからの曲で、ドラマの主題歌になっていました(フジテレビ系『ヒミツの花園』)。当時ご本人が、子どものことを思って作った曲と紹介していて、すてきだなと思いました。さっきモリタが母性の話をしていましたが、僕も恋愛的な愛より、子どもに向けた愛のほうが深いものじゃないかなと思います。

     ◇◆◇

アサノ 僕らは去年いろいろな夏フェスに出させてもらったんですが、その効果もあるのか、今ライブでのお客さんの反応が明らかに良くなってきています。勢いのある曲ではノリが良くなるし、聴くところではちゃんと聴いてくれるし、「届いてるな」という印象を受けています。これからのライブでは、僕ら自身どんな爆発をすることができるのか、すごく楽しみです。

オオイ 演奏がツアーを経てどんどん良くなっているところだし、ライブで特別な何かもやると思うので、それも楽しみですね。あとは僕、MCが苦手なので、頑張ってしゃべりたいです。メンバーに話を振られると、演奏より緊張しますから(笑)。

モリタ 僕らのライブでは自由に撮影してもらっていいので、これからもみんなどんどん撮って、楽しんでほしいですね。ツアーではその撮った動画や写真をヨシダのLINEアカウントに送ってもらって、ミュージックビデオも作りました。ぜひ見てほしいですね。

ヨシダ ライブはその日その瞬間にしかない体験ができる場所。ライブ会場に足を運んでもらいたいです。

■TENDOUJIセレクト「THE ONE I LOVE」プレイリスト

 

■最新シングル『HEARTBEAT』

 

■Profile
2014年に中学の同級生で結成し、自主レーベル「浅野企画」を設立して作品を発表。類いまれなメロディーセンスと90年代のオルタナ・シーンに影響を受けた爆発力のあるサウンドを武器に、ライブ会場をハッピーなグルーブに包みこむ。19年2月にはTEENAGE FANCLUBの来日公演のサポートアクトを務めた。最新作はシングルの「HEARTBEAT」。

(企画制作/たしざん、取材・文/青木優)

INFORMATION

【LIVE SCHEDULE】
4月10日(金)「RADIO BERRY haruberrylive2020」@栃木 HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-2
4月19日(日)「Craftrock Circuit’20」@東京 吉祥寺7ライブハウス&1屋外会場
6月2日(火)「DENIMS presents東名阪 Split 2man tour “wish you were here”」@東京 代官山 UNIT
6月7日(日)「OUR FAVORITE THINGS 2020」@岐阜 各務原 河川環境楽園
6月9日(火)「DENIMS presents東名阪 Split 2man tour “wish you were here”」@愛知 名古屋 CLUB UPSET
6月10日(水)「DENIMS presents東名阪 Split 2man tour “wish you were here”」@大阪 梅田 Shangri-La
7月5日(日)「TENDOUJI Presents “MAKE!TAG!NIGHT!!! vol.4″」@東京 shibuya TSUTAYA O-EAST
7月17日(金)「TENDOUJI Presents “MAKE!TAG!NIGHT!!! vol.4″」@大阪 umeda CLUB QUATTRO

*こちらは3月25日(水)時点での情報です。この先、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向けて開催予定が変更される場合もあります。最新情報はバンドの公式サイトをご確認ください

【関連リンク】
TENDOUJI公式サイト
https://thetendouji.com/

TENDOUJI (@TENDOUJItw) – Twitter
https://twitter.com/tendoujitw

次世代ロック研究開発室
https://jirockken.com/

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