キャンピングカーで行こう!

命を載せるキャンピングカーのタイヤ 空気圧や規格チェックは大丈夫?

4月目前での雪(東京地方)に、驚いた方も多かったことでしょう。なかには「さすがにもういいか……」とスタッドレスからノーマルタイヤに履き替えたばかり、という人もいたのでは? 今回はあらためて、キャンピングカーのタイヤについての話題です。

規格は様々、サイズ表記は共通

先日の雪は、東京西部の我が家の玄関前にも数センチ積もりました。午後から雨に変わり、ほどなく溶けたからよかったものの、夜間まで降り続いたとしたら路面などが凍結して、怖い思いをしたかもしれません。

さて、これまで何度もキャンピングカーのタイヤについて話をしてきましたが、いまは履き替えの季節。命を載せている部分でもあり、それだけ重要な事柄なので、あらためて整理しておきたいと思います。

●タイヤの規格は世界共通ではない

タイヤの規格というのは、世界的に統一されたものではありません。日本ならば日本自動車タイヤ協会=JATMA、ヨーロッパはEuropean Tyre and Rim Technical Organisation=ETRTO、アメリカはThe Tyre and Rim Association=TRAというように、その国ごとに定められています。キャンピングカーに限らず、国産車の純正タイヤには基本的にJATMA規格のタイヤが装着されています。

●サイズが同じでも能力は違う

そこでややこしいのが、タイヤのサイズ表記です。実はサイズ表記については、ISO規格(International Organization for Standardization)=世界規格で統一されています。つまり、日本のタイヤだろうがアメリカのタイヤだろうが、サイズだけは統一表記だということ。ぱっと見、同じサイズ表記のタイヤでも、どこの規格のものかによって負荷能力などが違うので注意が必要です。

225/75R16というサイズのタイヤを例にとってみましょう(数字の意味は後ほど説明します)。

日本国内で普通に流通しているものとして、これだけの種類があります。
 225/75R16 118/116L LT
 LT225/75R16 103/100S
 LT225/75R16 115/112R
 225/75R16C 118/116L
 225/75R16CP 113R

●問題はロードインデックス(最大負荷能力)

タイヤについて考えるとき重要なのは「118/116」とか「113」と示されている数字。これはロードインデックス=LIといって、「規定の条件下でタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力」のことです(下の表参照。/で区切られている場合、/の前がシングルタイヤでの数値、後ろがダブルタイヤでの数値です)。

命を載せるキャンピングカーのタイヤ 空気圧や規格チェックは大丈夫?

たとえば私の愛車の場合、後軸荷重は4t弱あります。リアはダブルタイヤですので、タイヤ1本あたり約1tを支えることになります。表で見ると、必要な荷重能力は108以上ということ。225/75R16CP 113Rはダブルタイヤでの使用を考慮していないので、選択肢から外れます。であれば残りの選択肢のうち、LT225/75R16 103/100S以外であれば大丈夫ということになります。

規格違えば空気圧も違う 履き替え時の注意点

当然ですが、純正で装着されているタイヤは、その車両の前軸・後軸の荷重にかなった能力のものです。履き替えるときには、基本的に純正装着タイヤのLI値を下回らなければ問題ありません。ですが、余裕があることは良いことなので、もし選べるならLIの大きいタイヤの装着をお勧めします。

タイヤの空気圧も、サイズごとに、あるいは規格ごとに異なります。純正タイヤと同規格・同サイズのものに履き替えるなら、運転席のドア付近にあるラベルや取扱説明書に記載されている空気圧でOK。もし、別サイズ・別規格のタイヤを装着するなら、タイヤメーカーなどによく確認して空気圧を決めてください。

命を載せるキャンピングカーのタイヤ 空気圧や規格チェックは大丈夫?

例えば、カムロードベースのキャンピングカーは、
純正タイヤ=195/70R15、106/104L
指定空気圧=600kPa
となっており、このタイヤは指定空気圧で1本あたり950kgの負荷能力を発揮します。

一方、ホイールを変更することなく、より負荷能力が高い「215/70R15 107/105L」を装着するユーザーも多くみられます。そこで気をつけたいのが空気圧。「215/70R15 107/105L」のタイヤの最大空気圧は450kPa。その空気圧で975kgの負荷能力を発揮します。ところがタイヤが違うのに、純正と同じ600kPaで空気を入れてしまう人がいます。

適切な空気圧でないと乗り心地に悪影響が出てしまいますし、危険です。もちろんタイヤにもよくありません。タイヤサイズを変更したのに、ガソリンスタンドなどで、車に表示されている指定空気圧(純正の指定空気圧)に調整された、などという話をよく聞きます。純正とは違うタイヤに履き替えた人は、必ず「どんなタイヤに変更しているか」「そのタイヤに合った空気圧はいくつか」を把握しておくことが大切です。

キャンピングカーはバーストしやすいという誤解

ニュースやYouTubeの動画を見て「キャンピングカーのタイヤってバーストしやすいんでしょ」という感想を持つ人もいるようです。しかし、私に言わせれば、キャンピングカーだけがとくにバーストしやすいはずはありません。

実際、トラックなどでもバースト事故は起きています。一方、キャンピングカーは増えたとはいっても、日本の自動車社会の中では少数派。事故を起こせば、珍しいだけにニュースになりやすいのです。

それでもキャンピングカーのタイヤバーストが話題になりやすいのには、理由があります。貨物輸送のトラックなどは、運送会社が管理をしています。走行距離や走行時間など、記録もありますし、当然整備もされています(それでもバーストは起こります)。

一方で、キャンピングカーの管理は個人の責任です。乗用車と同様、個人の乗り物である以上、適正な管理は所有者の責任です。もちろん、正しいタイヤを選んできちんとメンテナンスしていれば、バースト発生の確率は低くなります(走り方によっては、まったく起こらないとは言い切れません)。

タイヤは車と路面の唯一の接点です。その接地面積も、タイヤ1本あたりはがき1枚程度でしかありません。そのわずかな面積に、自分と家族の命を載せていると考えると、いかに重要なものかお分かりでしょう。

もしタイヤについて少しでもわからないことがあったら、履き替える前にタイヤメーカーのお客様相談室などに相談してみることです。また、もし履き替えを検討するなら、キャンピングカーの特性に詳しいショップで購入することも大切です。

キャンピングカーにはキャンピングカーならではの特性があります。購入したビルダーやディーラーで相談するのが、一番安全だといえるでしょう。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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