キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーの普段使い 「無理!」と決めつけていませんか?

キャンピングカーを買うのを躊躇(ちゅうちょ)する理由の一つに、「キャンピングカーでは普段使いに困る」という声があります。今回のテーマは、「キャンピングカーは本当に普段使いに向かないのか?」です。

大きさよりも「慣れ」や駐車場所の問題か

これまで何度かご紹介してきましたが、日本で最も売れている国産キャンピングカーのタイプは、バンコンです。特に、軽キャンピングカーやミニバンと変わらないサイズのコンパクト・バンコンを選ぶ人が増えています。

その理由として、普段使いに困らないサイズだからというのがあります。確かに運転も車庫入れもスムーズで、高さ制限のある駐車場でもスイスイ。普段使いできるのは大きなメリットですが、それだけ室内スペースが限られてしまうのも事実。「余裕のあるキャンピングカーが欲しい」と思うと、「普段使いに困る」という問題に当たることになります。

一方で、一般的なキャブコン(トラックベース)を普段使いしている人もいます。近所のスーパーでも、おそらく常連さんだと思われる車両を時々見かけます。

思うに、キャブコンを普段使いするか、しないか(できるか、できないか)の分かれ目は、
・運転(車庫入れ含む)の慣れの問題
・行き先で困らないかどうか(いつも使うスーパーの駐車場ゲートをくぐれないなど)
・置き場所の問題
に集約されるのでしょう。

キャブコンは本当に「大きい」のか?

どんな大きさの車を選ぶのがいいのか。それは、前述のとおり、使い方、行き先、置き場所の事情に左右されます。でも、「なんとなく」「大きそう」「無理っぽい」というイメージだけで検討リストにすらあがらないとしたら、もったいない話です。そこで大切なのが、きちんとデータに基づいて判断するということ。

確かに、バスコンや輸入車のように全幅2m超、全長6m超といった大型キャンピングカーを普段使いにするのは現実的ではないでしょう。しかし国産キャブコンなら、十分実用的なサイズにおさまっているのです。

「背が高い」「居室部分の壁面積が大きい」という思い込みからとても大きな車だと思われているキャブコンですが、きちんと数値で比べてみると、さほどでもないことが見えてきます。

大型ワゴン車として人気のトヨタ・アルファードと、カムロードベースのキャブコンであるバンテック・コルドバンクスを比較してみましょう。

●トヨタ・アルファード
  全長4945mm(4950mmのモデルもあり)、全幅1,850mm、全高1,950mm
  最小回転半径5.8m(5.6mのモデルもあり)

●バンテック・コルドバンクス
 全長4,990mm、全幅1,980mm、全高2,960mm
 最小回転半径4.9m

全高こそ大きく違いますが、全長は45mmしか違いません。全幅は130mm違いますが、実はこれは数字のマジック。車体を比べた数値では確かにキャンピングカーのほうが大きいですが、左右のサイドミラー間で比べると、アルファードは2230mmに対しコルドバンクスは2250mmです。つまり、実際の路上で自車の「幅」として認識するサイズは、両車ほぼ互角と言えそうです。

壁を思わせる垂直の白い側面が大きく見せている原因?  数値で見れば実はそんなに大きくない、トラックベースのキャブコン(Photo:バンテック)

壁を思わせる垂直の白い側面が大きく見せている原因?  数値で見れば実はそんなに大きくない、トラックベースのキャブコン(Photo:バンテック)

サイズよりも小回りや切り返しに注目を

サイズだけ比べると、大きく違うのは高さだけといえそうですね。ですが、もうひとつ重要なのが「取り回し」、つまり最小回転半径です。

最小回転半径とは、簡単に言えば、どれだけ小回りが利くかという数値。ハンドルを最大に切って回転したときに、車が描く円の大きさです。

さて、前述のアルファード vs コルドバンクス(カムロード)。車の大きさは、高さ以外さほど変わらないと説明しましたが、回転半径対決となると、アルファードが5.6m、コルドバンクス(カムロード)が4.9m。カムロードの方が小回りが利くのです。

ちなみに、タクシー専用車のトヨタ・JPN TAXIですら5.3mですから、いかにカムロードが小回りが得意かお分かりいただけるでしょう。

小回りが利くということは、Uターンはもちろん、車庫入れのときの切り替えしもコンパクトで楽ということ。しかも運転席が高いため、乗ってみれば「運転しやすい」という印象を持つ人も多いようです。

人気の大型ワゴン、トヨタ・アルファード。車高以外ほとんどキャブコンと変わらないサイズなのだ(Photo:トヨタ自動車)

人気の大型ワゴン、トヨタ・アルファード。車高以外ほとんどキャブコンと変わらないサイズなのだ(Photo:トヨタ自動車)

欲しい広さと自分でできる工夫を考えて検討を

このように、数値で比較すれば「大きな車」というのはイメージの部分が大きいことがお分かりいただけたと思います。

「そうは言っても高さの問題があるじゃないか!」とお思いの人も多いでしょう。確かに、立体駐車場に入らないとか、ゲートの高さ制限にひっかかるという問題はあります。でも、「よく出掛けるスーパーマーケットやショッピングモールなどが立体駐車場なので困る」という場合でも、大きな商業施設には必ずどこかに搬入口があります。大きな車をとめるスペースは用意されているので、施設に問い合わせてみましょう。みすみすお客を逃すことはなかろうと思いますから、どこかしらに案内してくれるはずです。

キャンピングカーの大きさについて悩むなら、大切なのは、欲しいと思う室内スペースと、自分で扱える大きさを、じっくり吟味することです。一番後悔するのが、「大きな車は無理」と決め込んでサイズを控えた結果、居室が狭くてストレスになるというパターンです。

吟味すべきことをまとめてみましょう。

●物理的に自分が扱えるサイズはどの程度か
・駐車スペースの広さ
・車庫入れに使えるスペース(切り返しスペース)
・よく行く外出先の駐車場の広さや高さは

●欲しいと思う広さをイメージする
・キャンピングカーの室内で過ごす時間はどのくらいか
・室内で調理や作業をするか
・何人でキャンピングカーを使うのか

●現状では難しくても、対処できないか検討する
・自宅カーポートの屋根を取り払うか、天井高をかさ上げできないか
・外出先の駐車場に立体駐車場以外の平場スペースはないか
・平場の駐車場のあるスーパーに行きつけを変えることはできないか

私の友人にも、キャブコンを普段使いしている人が何人かいます。彼らを見ていると、キャブコンを普段使いすることは、現実的な選択だと実感します。なかには「車通勤なので、昼休みは自分のキャンピングカーを休憩室にしている。のんびりお昼を食べて、昼寝もできる。電子レンジもコンロもあるし、快適ですよ」なんていう人も。

イメージだけで「無理!」と決めつけず、あらゆる可能性を探ってみましょう。手に入れたら、乗用車では味わえなかった体験ができるかもしれませんよ。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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