インタビュー

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

『アイドルマスター ミリオンライブ!』(七尾百合子役)、『BanG Dream!』(弦巻こころ役)、『五等分の花嫁』(中野三玖役)など数多くの話題作に出演している声優の伊藤美来さん。実は大の特撮ヒーロー好きで、そのファン歴は15年を超えるとか。仕事の支えになるほどの偏愛が生まれた背景を、伊藤さんにたっぷり語ってもらいました。

     ◇◆◇

私が特撮ヒーロー作品を見始めたのは小学生のときでした。当時幼稚園生だった弟2人に頼まれ、毎週日曜日の朝、放送が始まる時間に彼らを起こしていたのですが、気づいたら私もハマっていました。

最初に好きになったのは『忍風戦隊ハリケンジャー』。アクションがとてもカッコよくて、爆破シーンや大きなロボットの登場シーンにワクワクしました。

そこから、受験期以外はずっと特撮ヒーロー作品を追い続けています。23歳になったいまでも、毎週日曜日の朝は録画し続けているほど。仕事がないときはリアルタイムで見ています。

大人になると特撮ヒーロー作品を卒業する人が多いけど、私は「もったいない! なんで卒業しちゃうの!」と思っています(笑)。なぜなら、大人になるほどストーリーへの理解が深まって、より楽しむことができるから。いま特撮ヒーロー作品を見ているちびっ子たちに言いたいです、「いまも面白いだろうけど、成長したらもっと楽しくなるから!」って。

 

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

 

「絶対に行きたい!」三つのヒーローショーイベント

私がいまでも見続けているのは、下の弟が特撮ヒーローオタク仲間だから、というのが大きいかもしれません。上の弟は卒業してしまったのですが、下の弟はいまでも大好きで、一緒に話したり、ヒーローショーに行ったりしています。

ヒーローショーは、いわばアイドルに会いに行く感覚。子ども連れのファミリーに混じって、ヒーローを応援したり、並んで握手してもらったり。私にとっては毎年の楽しみです。イベントはいろいろあってどれも魅力的ですが、中でも特に楽しみにしているものを三つ挙げますね。

1 テレ朝夏祭り

六本木ヒルズアリーナで開催されるヒーローショーと映画のスペシャルイベントで、スーパー戦隊と仮面ライダーで日付が分かれています。グッズを買えばヒーローと握手ができるので、並んで握手しています(笑)。そのとき放送している特撮ヒーローたちを初めて生で見られる貴重な場です。

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

©2019 テレビ朝日・東映AG・東映 ※2020年は開催見送り

 

2 Wヒーロー夏祭り

東京ドームシティプリズムホールで開催する、スーパー戦隊と仮面ライダーが一堂に会するイベントです。ヒーローショーだけでなく、敷地内にはゲームコーナーや縁日コーナーもあります。縁日で遊んで、コラボメニューを楽しんで、仮面ライダースーパーステージを見るのが私のお気に入りのプランです。

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

2019年開催時の仮面ライダースーパーステージショー
©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 ©石森プロ・東映

3 超英雄祭

年に一回開催される大型のイベントです。ヒーローショーあり、主題歌を歌うアーティストさんのライブあり、キャストさんのトークショーありと、盛りだくさん。特撮界の一大イベントなので、できるだけ行きたいなと思っています。

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映AG・東映

伊藤美来が選ぶお気に入りの特撮ヒーロー作品ベスト3

これまでたくさんの特撮作品を見てきましたが、その中からベスト3を選んでみました(全部好きなので難しかった……!)。

1 仮面ライダー電王(2007年1月~2008年1月放送)

怪人だけど実は味方の「イマジン」というキャラクターたちにハマってました。そして、ストーリーに惹(ひ)かれていきました。電王の前に放送していた作品は、『仮面ライダーカブト』『仮面ライダー555』など、シリアスなストーリーが多かったんです。でも、電王は明るいコメディー調で、クスッと笑えるところがたくさんあって大好き。何度も見返しています(笑)。

2 特捜戦隊デカレンジャー(2004年2月~2005年2月放送)

キャラクターもストーリーも全部好き。リアルタイムで見ていて、放送が終わったあともビデオを借りたくらい好きな作品です。子どもの頃は「デカイエロー」や「デカピンク」などキャラクターに惹かれましたが、大人になって見返してみるとストーリーがとても面白くて……。宇宙警察の話ですが、普通の刑事ドラマと同じような葛藤やリアルな人間ドラマが描かれています。敵だと思っていた怪人が、ヒーロー側と心を通わせるようになる回は胸が熱くなります!

3 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018年2~2019年2月放送)

二つのスーパー戦隊が戦う設定です。最初聞いたときは「なにそれ!?」と思ったのですが、まんまとWレッド(ルパンレッド、パトレン1号)にハマりました……。基本的には対立しているけど、少し距離が縮まるときもあって。それでも相いれない「快盗」と警察、この関係性がとても良いのです。ストーリーも魅力的だし、それぞれのキャラクターがとても立っていて、みんな本当にカッコいい……。

以上です。改めて振り返ってみると、敵のように見えて実は味方だったり性格が良かったりするキャラクターが登場する話が好みかもしれません。どんな作品でも、そういった展開は感動的ですよね!

見続けてきたからこそ、受け継がれたヒーローの魂

小さい頃は、特撮ヒーローに憧れてアクションに興味を持ったこともありました。でも、いつの間にか特撮ヒーローになりたいという気持ちより、特撮ヒーローに“守られたい”という気持ちが強くなりました。たとえば、ヒーローたちの行きつけの喫茶店で働く店員とか(笑)。彼らの近くにいて、何かあったときに守られる存在でありたいな、と。

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

ただ、ずっとヒーローたちを見続けていたせいか、私の心にも少なからず彼らの魂が宿っているのではないかと思うこともあります。私は昔から何をやるにしても、あまり「No」を言わず、何でも挑戦してみようと行動する性格。それは働くようになってからも変わりません。16歳のときに声優デビューして、それまでダンスも歌もほとんどやったことはありませんでしたが、それでも、そういったお仕事のお話が来たときは「練習します! 頑張ります!」と、基本的に全て「Yes」を返してきました。

とはいえ、最初はできないことばかり。苦労の連続でした。怒られたりうまくできなかったりすると、つらくて逃げたくなることも。アーティストとしてソロデビューしたときは、「伊藤美来の歌声ってなんだろう……?」ととても悩みました。それでも、少しずつ数をこなしていくうちに自信が持てるようになって、できることが増えてきたと感じています。

声のお芝居のみならず、ラジオのMCや歌手活動などいろんな仕事ができることに魅力を感じて声優を志しました。だから、新たな活動に挑戦するとき、つらさを感じながらも乗り越えられるのだと思います。でも、それだけではなくて、やっぱり特撮ヒーローがいるからかもしれませんね(笑)。

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

仕事に取り組む中で、ちょっとズルしたい、逃げてしまいたい、と思うことはあります。だけど、特撮ヒーローたちが真っすぐに戦っている姿や仲間たちと乗り越えている姿を見ると、「彼らは地球を守るという大仕事をしているのだし、私がこんなことで落ち込むわけにはいかない!」と前向きになれるんです。

スーパー戦隊は彼らの頑張る姿を見て心が浄化されるし、仮面ライダーは普遍的な人間ドラマを描いているから、見ている私たちも登場人物と同じ悩みを共有できる。そんなヒーローたちに常に救われて、勇気づけられています。彼らがいるから私は仕事を頑張れる(笑)。いつか特撮ヒーローに関わる仕事をすることが、デビュー以来の変わらぬ目標です。

(文/阿部裕華 写真/南阿沙美 衣装協力/Newlyme[トップス、靴]、17kg[スカート])

プロフィール

伊藤美来(いとう・みく)
10月12日生まれ。東京都出身。スタイルキューブ所属。2013年に声優デビュー、16年に日本コロムビアからソロアーティストデビュー。主な出演作はゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」(七尾百合子役)、「BanG Dream!」(弦巻こころ役)、アニメ「五等分の花嫁」(中野三玖役)など。集英社「グラジャパ!アワード2019」声優部門賞受賞。

リリース情報

7thシングル「孤高の光 Lonely dark」
TVアニメ『プランダラ』第2クールOP

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

2020年6月17日(水)発売
【DVD付き限定盤】¥1,800+税 COZC-1659~60
【通常盤】¥1,200+税 COCC-17769

【CD】
1.孤高の光 Lonely dark
作詞:許 瑛子 作曲:間瀬公司 編曲:中畑丈治 他
【DVD】
★「孤高の光 Lonely dark」MusicVideo
★「孤高の光 Lonely dark 」メイキング映像

▼伊藤さんから一言
テレビアニメ『プランダラ』第1クールのOP曲「Plunderer」に引き続き、第2クールでもOPを担当します! 「Plunderer」は物語の始まりを感じさせるようなワクワク感やドキドキ感、疾走感のある曲でしたが、「孤高の光 Lonely dark」はアニメのストーリーに合わせてシリアスな雰囲気が漂う曲です。物語に寄り添ったストーリーテラーを意識して歌いました。キャラクターの心情を伝える部分では、しっかり感情を込めて歌っています。対照的に、カップリング曲はかなり自由に楽しく妄想を膨らませながらレコーディングしました。ぜひ聴いてみてください!

▼Blu-rayリリース情報
ITO MIKU 5th Live Miku’s Adventures 2019 ~PopSkip Life~
¥6,800+税 COXC-1244  
2020年5月27日(水)発売 

「彼らの魂が私にも宿っているかも」 声優・伊藤美来が今も特撮ヒーロー作品を見続けるわけ

あわせて読みたい

声優・田中敦子「やっと素子へ寄りかかれるようになった」攻殻機動隊最新作『SAC_2045』へ込めた思い

『映像研には手を出すな!』テレビアニメ声優初挑戦の伊藤沙莉の心を動かした“声の表現”

鈴村健一、芹澤優、悠木碧、天﨑滉平……人気声優が歩むそれぞれのキャリア

インタビューの一覧はこちら

[ &M公式SNSアカウント ]

TwitterInstagramFacebook

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

aiko、Mr.children桜井、奥田民生、田島貴男……スカパラ「歌モノ」との葛藤、異分野の才能との出会い〈後編〉

一覧へ戻る

RECOMMENDおすすめの記事