マストリスト

スノーピーク社員の定番 とにかく蒸れない防水シェル「ワンダーラストジャケット」

この数年、アウトドアウェアを街中で着こなす人が増えている。カジュアルでちょっとオシャレで着心地もいい。本コラムでは、ファッション性と機能性を兼ね備えたアウトドアブランドが展開する「これさえ持っていれば間違いない」というマストバイなウェア、グッズを紹介していく。

◇◆◇

梅雨を目前にした今、気になるのはレインジャケット。しかし中には通気性に欠けるために酷(ひど)い蒸れを感じたり、デザイン的に難がある「雨具丸出し」なアイテムも少なくない。しかし機能とファッション性を兼ね備えたスノーピークの汎用レインジャケット「ワンダーラストジャケット」ならば、憂鬱(ゆううつ)な梅雨を気分良く乗り切ることができそうだ。

生地にコシがあるため秋冬用ハードシェル(雨、風、雪から体を守ることを目的に設計された、一般的な「ナイロンジャケット」。一番外側に着る)のようにも見えるが、実際に羽織ってみると軽快の一言。身長170cmでMサイズを着用

生地にコシがあるため秋冬用ハードシェル(雨、風、雪から体を守ることを目的に設計された、一般的な「ナイロンジャケット」。一番外側に着る)のようにも見えるが、実際に羽織ってみると軽快の一言。身長170cmでMサイズを着用

「山中での視認性を高めるため、アウトドア用レインジャケットには、派手なカラーリングが採用されることが多いですが、街中やキャンプで使うなら落ち着いた色合いのほうが良い。こうした発想から16年にスノーピークが発売したのが、アウトドア・アクティビティーで使える機能性を備えつつ、都会に馴染(なじ)むデザインやカラーリングを採用したワンダーラストジャケットです。社内でも『どこでも、何にでも使えて、なおかつ動きやすい』と評判が良く、マストアイテム化しています」(スノーピーク未来開発本部・阿部遼さん)

表地にメカニカルストレッチを採用。伸縮性を備えた生地は薄めで、見た目とは裏腹にソフトな質感

表地にメカニカルストレッチを採用。伸縮性を備えた生地は薄めで、見た目とは裏腹にソフトな質感

動きやすさを生み出しているのは、体の動きに合わせた立体裁断、そして生地の伸縮性だ。防水ハードシェルの定番となっている表地、防水メンブレン、裏地の三層構造は、強度と引き換えに生地が厚くなり、伸縮性を出すことが困難になる。これに対してワンダーラストジャケットが採用しているのは、裏地を樹脂コーティングに置き換えつつ、生地に伸縮性を持たせた2.5層構造の素材。いわばハードシェルの防水性とソフトシェルの柔軟性を融合した形だ。

「若干ストレッチするので、大きく体を動かしても体が生地に引っかかって動きにくさを感じることはないはずです」と阿部さん

「若干ストレッチするので、大きく体を動かしても体が生地に引っかかって動きにくさを感じることはないはずです」と阿部さん

東レの最新素材とディテールが生み出す極上の「蒸れにくさ」

「既存のコーティング裏地に比べると経年変化に強いのもエントラントの特徴です」と阿部さん

「既存のコーティング裏地に比べると経年変化に強いのもエントラントの特徴です」と阿部さん

動きやすく、着用のシーンを選ばないことで人気だったワンダーラストジャケットだが、今シーズンのリニューアルにより新たな長所が加わった。これまで以上に蒸れにくくなったのだ。実は先シーズンまでのワンダーラストジャケットは、土砂降りの豪雨や大量に汗をかいた時に、裏地にわずかではあるが結露を起こすことがあった。こうした状況を改善すべく、スノーピークは生地の変更を決定。化繊メーカー・東レが17年に発表した2.5層の防水透湿素材Entrant®(エントラント®)」の高通気タイプを新たに採用する。

「東レの最新素材である『エントラント®』高通気タイプは、本当に湿気をしっかりとジャケットの外側に排出してくれます。海外メーカーの防水透湿素材と比べても、透湿性という面で群を抜いていましたね。この特性を最大限に生かすために、ワンダーラストジャケットには透湿性能を下げる防風コーティングをかけていません。ですから梅雨から初夏にかけても、蒸れを感じることなく快適に着ていただけるはずです」(阿部さん)

シームテープには東レの最新素材「トレイン」を採用。こちらも経年変化に強く、また透湿性を備えている

シームテープには東レの最新素材「トレイン」を採用。こちらも経年変化に強く、また透湿性を備えている

蒸れにくさへのこだわりはディテールにもあらわれている。まず脇(わき)の下には二の腕半ばから腰近くまで伸びる換気用ジッパーを装備。スリットを深くすることによって、ジャケットを脱ぐことなく、内側にこもった熱気や湿気を一気に逃がすことが出来る。またフロントもダブルジッパー仕様となっており、バックパックのチェスト・ストラップを付けたままでも換気することが可能だ。

止水ジッパーを採用したサイドのベンチレーションジッパー。こちらもダブルジッパー仕様なのでバックパックを背負った状態で使える

止水ジッパーを採用したサイドのベンチレーションジッパー。こちらもダブルジッパー仕様なのでバックパックを背負った状態で使える

フロントは滑りの良いビスロンファスナーを使用。内側の防水フラップと樹脂加工されたテープが水を防ぐ

フロントは滑りの良いビスロンファスナーを使用。内側の防水フラップと樹脂加工されたテープが水を防ぐ

とにかく手ぶらでいられることを重視したディテール

胸のDカンも両手を空けておけるようにとの配慮から採用。「小型のLEDランタンを下げれば、手を使わず足元を照らしながら安全に歩くことが出来ます」(阿部さん)

胸のDカンも両手を空けておけるようにとの配慮から採用。「小型のLEDランタンを下げれば、手を使わず足元を照らしながら安全に歩くことが出来ます」(阿部さん)

キャンプフィールドやハイキングでは、凸凹のある不整地を移動するシーンも多い。そのためワンダーラストジャケットは、可能な限り両手を空けておけるように設計されている。正面に4カ所設けられた大容量ポケットもまたユーザーの両手を空けておくための配慮だ。もちろんその機能が街でも発揮されることは言うまでもない。

「キャンプでテントから離れて作業する時は、必要なギアなどをポケットに入れて運びます。とはいえ1カ所のポケットがパンパンになるまで物を詰め込むと動きにくくなる。外側から内容物のシルエットが見えてしまうのも不格好です。ポケットの中で鍵やカラビナと擦れてスマートフォンの画面が傷付いてしまうということもある。しかし四つのポケットに物を分散すれば、そういった問題を防ぐことが出来ます。防水性能が非常に高いので、豪雨の日もスマートフォンやバッテリーといったデジタルガジェットを安全に持ち運んでいただけるのも特徴ですね」(阿部さん)

胸ポケットは止水ジッパー仕様。さらに大きめのフラップで水の浸入を防ぐ

胸ポケットは止水ジッパー仕様。さらに大きめのフラップで水の浸入を防ぐ

腰にも2カ所の防水ポケットを装備

腰にも2カ所の防水ポケットを装備

機能とファッション性を両立したジャケット

フードには3本の調節用コードが内蔵されている   

フードには3本の調節用コードが内蔵されている

春夏用のレインウェアは良きにつけ悪しきにつけシンプルな仕様になりがち。しかしワンダーラストジャケットは、数多くの機能的なギミックが盛り込まれた楽しいアイテムだ。フードは本格的なハードシェルと同じ3軸仕様となっており、フェースライン、頭周りはもちろん、フード全体を後方に引くことも可能。降雨時にフードをしっかりと頭にフィットさせつつ、視界が確保出来るだけでなく、使用していない時はフードのバタつきを抑え、シルエットを美しく保ってくれる。

フロントジッパーを閉じた状態。裾のドローコードをきっちりと閉めれば、シャツやジャケットの飛び出しを防ぐこともできる

フロントジッパーを閉じた状態。裾のドローコードをきっちりと閉めれば、シャツやジャケットの飛び出しを防ぐこともできる

正面から見ると着丈が短めだが、いわゆる「モッズコート」のように後ろにむかって裾が下がるフィッシュテール仕様。都会的でスマートな印象を醸し出しつつ、臀(でん)部が濡(ぬ)れにくく、また前傾姿勢をとっても腰が露出しにくいため、自転車の運転などにも適しているといえるだろう。

サイドから見ると裾のラインが後ろ下がりであることが分かる

サイドから見ると裾のラインが後ろ下がりであることが分かる

機能性とファッション性を見事に両立しているワンダーラストジャケットだが、発売当初はアウトドアユースで使われる方が圧倒的に多かったという。しかし最近ではオンオフを問わず都市で使うユーザーが増えているようだ。

「レインアイテムとはいいつつも、都市での生活や軽めのアウトドアレジャーにはぴったりな汎用(はんよう)ジャケットですね。トータルバランスに優れているため、雨の日以外も意外なくらい出番が多いです。だからこそスノーピーク社内でも愛されているのだと思います」(阿部さん)

薄手で蒸れにくく、着用シーンを選ばない。どしゃぶりの雨の中を気にすることなく、手ぶらで移動できるワンダーラストジャケット。梅雨から初冬までレインジャケットとしてはもちろん、収納力抜群のライトアウターとしても十二分に活躍してくれるマストアイテムだ。

袖口にはミリタリージャケット風の調節ストラップ

袖口にはミリタリージャケット風の調節ストラップ

 

スノーピーク社員の定番 とにかく蒸れない防水シェル「ワンダーラストジャケット」

ワンダーラストジャケット
2.5L Wanderlust Jacket
38,000円(税込み)

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

あわせて読みたい

マストリスト:連載一覧はこちら

[ &M公式SNSアカウント ]

TwitterInstagramFacebook

「&M(アンド・エム)」はオトナの好奇心を満たすwebマガジン。編集部がカッコいいと思う人のインタビューやモノにまつわるストーリーをお届けしています。

PROFILE

吉田大

ライター・編集者。大学卒業後、児童書出版社勤務を経て、フリーランスに。ファッション、アート、音楽、ストリートカルチャーから、政治経済、社会問題、テクノロジー、グルメに至るまで、多岐にわたるジャンルにおいて、長年にわたり執筆活動を続けている。趣味は自転車と立ち食いそば店めぐり。お酒や煙草を嗜まないストレート・エッジな生活を送っている。

シンプルデザインで高機能 アークテリクスの「スカイライン LS シャツ」

一覧へ戻る

テレワークにもおすすめ  スノーピークの「におわない」清涼スウェットパンツ「ドライワッフルパンツ」

RECOMMENDおすすめの記事