口福のカレー

人気店のレトルトカレー3種を自宅で食べ比べ

レトルトカレーの進化の一つに、有名カレー店とのコラボ商品の充実がある。普段オープン前から行列のできる人気店の味が自宅でも簡単に楽しめるのだから、カレー好きにとってはうれしい限りだ。実際よく足を運ぶカレー店や、ずっと気になっていた店など、ラインアップを見ているだけでもワクワクする。

ところで昨年秋ごろから筆者がハマっているのがインド・ゴア地方発祥のポークビンダルー。辛さと酸味を利かせた独特のカレーなのだが、なんとそれがレトルトでも販売されていた。それも噂(うわさ)に聞いていた埼玉・西所沢の人気店「ネゴンボ33」の「ポークビンダルー」となれば、もうこれは食べるしかない。

スパイスがしみ込んだ豚バラ肉の存在感がすごい「ポークビンダルー」

スパイスがしみ込んだ豚バラ肉の存在感がすごい「ポークビンダルー」

封を開けると、大きくカットされた分厚いバラ肉が二つごろり。過去最高のボリューム感だ。ルーを口に含んだ瞬間、圧倒的な辛さが押し寄せてきた。パンチの利いた辛みと複雑なスパイスの香り、そしてポークビンダルーらしい酸味も利いている。次にインスタントとは到底信じがたい肉へ。適度な噛(か)み応えを残しつつも、しっかりとスパイスのうまさがしみ込んで、しっとりとして柔らかい。

「ネゴンボ33」の目指すカレーは、優しい味ではない。失敗と成功のボーダーラインにあるインパクトのある漢(おとこ)らしい味。製造元の36チャンバーズ・オブ・スパイスは本当に好きな人のために、「“なかった”商品をつくる」がコンセプトの会社。このクセの強い2社がつくり上げたレトルトに、まんまとハマってしまい、リピート間違いなしだ。

どんぶり1杯分の野菜やフルーツが溶け込んだヘルシーな「もうやんカレーポーク」

どんぶり1杯分の野菜やフルーツが溶け込んだヘルシーな「もうやんカレーポーク」

二つ目は、行列店として多くのメディアにも登場する「もうやんカレー」だ。元スポーツトレーナーのオーナーが作り上げたヘルシーカレーとして有名だが、ユニークなイラストの描かれた「もうやんカレーポーク」の黒いパッケージも、濃厚な甘辛の味も、ヘルシーの言葉から受けるイメージからはほど遠い。濃いブラウン色でとろみがあり、口当たりは日本人好みの甘くてしっかりと辛いタイプ。ボリュームも、パンチもあり満足度が高い。男性ファンが多いのもうなずける。

ターメリック、クローブなど多彩なスパイスは、オリーブオイルで熟成させ、タマネギ、ニンジン、セロリ、ニンニク、リンゴ、バナナなどカレー一皿でどんぶり1杯分のサラダに匹敵するほど大量の具材は丸2日炒める。あの心地よい甘さは野菜とフルーツから来るものだった。それでいて、グルテンフリーで無化学調味料。100gあたり90キロカロリーに抑えるなど。やっぱりヘルシーは本当だった。

タマネギとニンジンがたっぷり溶け込んでいることが一目でわかる「エチオピアビーフカレー」

タマネギとニンジンがたっぷり溶け込んでいることが一目でわかる「エチオピアビーフカレー」

そして、三つ目は、筆者も足しげく通う東京・神田神保町「エチオピア」の「ビーフカレー」。スパイスを味わいたくなると顔を出す。カレー通の間で知らない者はいない超有名店のカレーを再現したのは、1984年からレトルトカレーを作り続ける「MCC」。独特のとろみや甘みはソテーした大量のタマネギとニンジンから来るもの。エチオピアのカレーの最大の特長でもあるクローブを利かせた複雑なスパイス感も見事に表現されていた。レトルトでここまでスパイシーさを出せるとはさすがの老舗である。出来合いのルーやカレー粉で大量生産するのではなく、実際に厨房(ちゅうぼう)で作るのと同じように、生素材を使用して調理の工程通りに作っているそうだ。

「この店もある、あの店も」と、まだまだ気になるレトルトカレーだが、今回の3品を自宅の棚にストックすることになるのは確実だろう。

スーパーマーケットの棚でも目立つ、それぞれに特徴的なパッケージ

スーパーマーケットの棚でも目立つ、それぞれに特徴的なパッケージ

    ◇
合同会社36チャンバーズ・オブ・スパイス
東京都渋谷区西原2-27-4
03-3485-1933
https://www.36cos.com/

もうやんカレー株式会社
東京都新宿区西新宿6-25-14
https://www.moyan.jp/

エム・シーシー食品株式会社
神戸市東灘区深江浜町32
0570-014925
http://www.mccfoods.co.jp/

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PROFILE

熊野由佳

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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