キャンピングカーで行こう!

待ち望んだ移動制限解除 旅の再開前に装備・感染予防の入念チェックを

ついに県境をまたいだ移動の自粛要請が解除になりました。高速道路のETC休日割引も復活しました。SNSを見ていても、多くの知人が「〇〇に行ってきました!」とか「来週末は出かける予定です」と書いています。みんな、この日を待ち望んでいたのがよくわかります。

はやる気持ちは私も同じなのですが、機械というものは、長期の休みからいきなりフル回転させるとトラブルを起こしやすいものです。ちょっとした気遣いでトラブルは回避できるので、お出かけ前に一通りチェックするようにしましょう。

まずはタイヤの空気圧を最適に

キャンピングカーが普段使いと兼用で、自粛期間中もそれなりに走行していたなら特に問題はありません。問題は、ここ数カ月の間ずっと置きっぱなしだった車。以前にも『またアウトドアに繰り出す日のために、時には運転と整備を 駐車しっぱなしはダメ!』の回でご説明しました。ごくたまにでも動かしていたならよいのですが、車の置き場所が自宅から遠い場合など、この期間中に運転できなかった人もいるでしょう。

まずは、何はともあれタイヤを確認することです。空気圧をチェックし、適切な状態に調整しましょう。空気圧の測り方や測る際のポイントは以下です。

●冷間時に測る

「走行せず、日陰に置いた状態」で測るのが基本です。保管している場所から最寄りのガソリンスタンドくらいまでの数㎞の走行ならあまり影響はありませんが、10㎞以上走るとタイヤの温度が上がってしまい、正確な調整ができません。

マイ圧力計を持とう

実は圧力計には個体ごとにそれなりに誤差があります。さほど高価なものではない(数千円程度)ので、自分で空気圧計を持つことをお勧めします。常に同じ計器で計測すれば安定的にデータ管理できますし、ガソリンスタンドまで走らずとも計測できます。

圧力計を選ぶときは、計測値の範囲に注意してください。キャンピングカーの適正な空気圧は600kPa前後と乗用車用より高めですので、そこまで計測できる圧力計でなければいけません。

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空気圧モニターがあればなおよし

TPMS=タイヤ空気圧モニターという機器もあります。こちらは圧力計より少々高価ですが、いつでも空気圧の確認ができるので、あれば理想的でしょう。適正な空気圧が維持できているかを、運転しながらでもチェックできるのですから。ただし、空気圧モニターについてはいくつか知っておいていただきたいことがあります。

一つは、バーストを予測できるものではない、という点。「空気圧モニターをつけているから安心。バーストはしない」と誤解している人を時折見かけます。空気圧が〇〇を超えたら危険、とか、ましてバーストを察知してアラートが鳴る、というものではないのです。適正な圧力を維持することはバースト予防にとって大切なポイントですが、モニターはあくまでもモニターです。

もう一つは、空気圧モニターが測っているのは「空気の温度」ということ。タイヤ内の空気圧の計測は、タイヤ内の温度を計測することでモニタリングされています。バーストが起きるときにはタイヤの温度は急上昇しますが、モニターが測っているのは中の空気の温度なので、この変化を知ることはできません(空気は優秀な断熱材であることを思い出してください)。

先にも書いた通り、タイヤの空気圧は「冷間時」に測って調整するのが基本。走行すれば温度変化に伴い空気圧が上がりますが、慌てて調整したりしないようにしましょう。

エアコンや消耗品のチェックも忘れずに

今年の春はまるごと自粛生活でしたね。つまり、休眠に入る前は、まだまだヒーターが必要な季節でした。ですが今はすでに冷房の欲しい気候。長いこと動かさなかったカーエアコンもチェックしておきましょう。

チェック方法で大事なことは、「最強」で作動させてみること。十分に冷風が出るか確かめます。リアクーラーが装着されている場合は、そちらの確認もお忘れなく。もし空気が冷えない、風量が少ない、という場合はトラブルかもしれません。ディーラーやビルダーの工場で詳細に見てもらう必要があるでしょう。

冷却水、オイル、ファンベルト、ワイパーブレードも、長期間動かさないとさまざまな影響が出ます。もちろん、車検並みに徹底チェックするのが理想ではありますが、まずは10㎞程度でいいので試運転してみましょう。ブレーキのききは問題ないか、パワーステアリングはスムーズか、がたつきはないか、エンジンやブレーキから異音はしないか……。雨が降っていなくてもワイパーを動かしてみてください。いつもと違うという感じがしたら、プロの目で見てもらった方が安心です。

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快適性の鍵を握る「居室部」もチェック!

たとえ数日でも寝泊まりする車ですから、居室部分の安全性、快適性も重要なポイントです。家と同じで、設備が多ければ多いほど、故障や調整を要するポイントも多いことになります。

冷蔵庫やヒーターは配管も要注意

「3Way冷蔵庫のバーナー部分にクモの巣が張っていて、ちゃんと燃焼しなかった」「FFヒーターの排気口に蜂が巣を作っていた!」。これらはすべて実際にあったトラブルです。長期間動かさずにいると、外からは見えない配管の中で意外な事態が進行していたりするものです。

特にヒーターや冷蔵庫など、ガスを利用している場合、吸気と排気が正常に行われないとよろしくありません。排気が逆流して一酸化炭素中毒になる可能性もあります。こうした設備をチェックするには、電源を入れてみるだけではだめ。きちんと冷えるか、暖房なら温風が出るか、運転してみて確認をしましょう。一酸化炭素やガスの報知器が作動するか確認するのもお忘れなく。

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発電機は古い燃料の燃焼を

車載の発電機を装備している場合、30分程度は運転しましょう。安定的に回り続け、発電し続けてくれるかどうかのチェックももちろんですが、配管内に滞っている古い燃料を、運転することで燃焼させ、入れ替えてしまうのがベストです。

ポンプ類も作動させてみる

キッチンのシンクやトイレのポンプも要チェック。清水タンクも汚水タンクも、自粛期間中に排水してあれば問題ありませんが、もし中途半端に水が入った状態で長期間放置すると、水あかでポンプが回らないことがあります。古い水はどんどん排水して、新しい水を入れながら、各ポンプが正常に作動するか確認しましょう。

備蓄食料の期限の大丈夫?

近ごろは防災を意識してキャンピングカーに食料をストックする人も珍しくありません。もし積みっぱなしになっているカップ麺やレトルト食品があるなら賞味期限の確認を。油脂分が酸化して味が落ちていたりすることもあります。活動を再開する前に水や食料をリフレッシュしておきましょう。

感染予防は一番大切 万全な準備を

移動の自粛要請が解除されたとはいえ、新型コロナウイルスがいなくなったわけでもワクチンが開発されたわけでもありません。キャンピングカー旅なら、基本的に少人数での活動が多いとは思いますが、ガソリンスタンドにも寄るでしょうし、旅先で飲食店を利用することもあるでしょう。また、キャンピングカー仲間が集まると、誰かの車でみんなで夜更けの飲み会をする、というのもよくある話です。

なるべく3密を避け、必要ならマスクを着用するなど、くれぐれも感染予防は万全に、楽しいキャンピングカーライフを再開しましょう。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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