キャンピングカーで行こう!

バーストや深刻事故を防ぐために…… タイヤの空気圧管理の強い味方「TPMS」とは?

バーストや横転事故などの深刻なトラブルを防ぐために、タイヤの空気圧管理が重要なことは、これまでも繰り返しお伝えしているとおり。今回は、そんなタイヤの空気圧管理がぐっと楽になるシステムについてお伝えします。

海外では義務化が進むが、日本は一部高級車のみ

タイヤにトラブルがあれば、そこから引き起こされる事故もまた、深刻なものになります。そうわかってはいるものの、たびたび空気圧チェックをするのはなかなか面倒なものです。また、きちんと空気圧管理をするのはなかなか大変。そんな面倒な空気圧管理ですが、ちゃんと解決策がありました。TPMS=タイヤ空気圧監視システムです。

TPMSとは、タイヤ内の温度や空気圧を常に確認してくれるもの。アメリカで2000年に起きた、タイヤの空気圧低下による事故をきっかけに広まったシステムです。アメリカは2007年から、EUでは2012年から、装備が義務づけられています。アジアでも韓国が2013年から、中国でも2019年から、新車への装着が義務化されています。しかしわが国ではいまのところ義務化の動きはなし。残念ながら、一部の高級車に搭載されるにとどまっています。

電波を使って空気圧や内部の温度をモニター

TPMSとはTire Pressure Monitoring Systemの略。ホイールにセンサーを取り付け、電波を使って空気圧や内部の空気温をモニタリングするものです。この方式を直接式TPMSといいます。ほかにも間接式TPMSといって、タイヤの外径と回転数の変化から空気圧低下を検知するものがあります。が、信頼性が低く現在は直接式TPMSが主流になっています。

日本の車両にはほとんど装着されていませんが、後付けできる商品が発売されています。

さて、この直接式TPMS、方式は以下の2種類があります。

1.バルブ一体型
センサー・電池・送信機がエアバルブと一体になっているもの。タイヤを外さないと装着できないので、タイヤ交換時などに装着するのがおすすめです。一体型のため、脱落や盗難の心配がありません。使われている電池の寿命は約10年と言われていますが、電池の交換は不可。電池が寿命を迎えたらセンサー丸ごと交換が必要です。

バルブ一体型TPMSセンサー。タイヤを外した状態でないと装着できないのが難点だが、脱落や盗難の恐れはない

バルブ一体型TPMSセンサー。タイヤを外した状態でないと装着できないのが難点だが、脱落や盗難の恐れはない

2.バルブキャップ型
エアバルブのバルブキャップの代わりにセンサーを取り付けるもの。いつでも簡単に取り付けることができますが、脱落・盗難の心配があります。電池の交換ができる製品が多く、ランニングコストの点では有利。ただし、通常のバルブキャップよりセンサーの方が重量があるので、ゴムバルブだと耐久性に問題が出ることがあります。スチールバルブでの使用をお勧めします。

バルブキャップ型TPMSセンサー。簡単に装着できるのがメリットだが、できればゴムバルブでなく金属バルブで使いたい

バルブキャップ型TPMSセンサー。簡単に装着できるのがメリットだが、できればゴムバルブでなく金属バルブで使いたい

いずれの方式でも、タイヤの空気圧を運転席で走行中にモニタリングできます。しかし、キャンピングカーに取り付ける際の注意点、そして商品選びの注意点があります。

キャンピングカーに適した空気圧に対応すること

いずれの型にせよ、キャンピングカーで使用する場合に注意したいのが「計測可能な空気圧の範囲」です。乗用車なら空気圧は300kPa程度ですが、キャンピングカーは600kPa程度のことが多いので、その範囲まで計測可能なセンサーを取り付けないと意味がありません。

●海外製品には注意!

海外の通販サイトなどでTPMSが売られていることがあります。海外製品=悪い、というわけではもちろんありませんが、日本では電波を発する製品には「技術基準適合証明」が必要です。海外製のものでも日本の正規代理店が扱っているものなら、日本で使えるように証明を取得するはずですが、並行輸入品ではそうはいきません。最悪の場合、ユーザーが罰せられる可能性もありますから、注意しましょう。

キャンピングカーにぴったりの製品も

「自分が欲しい機能を盛り込みました」

そう語るのは、プロテクタ社の水谷太郎社長。高い空気圧も測れて、技術基準適合証明も取得済みです。トレーラーでも使えるなど、キャンピングカーにぴったりの条件に適合しているのが同社の「Airmoni 4」です。

後付けTPMS、Airmoni4。最大8輪までのタイヤ空気圧・温度をモニタリングすることができる

後付けTPMS、Airmoni4。最大8輪までのタイヤ空気圧・温度をモニタリングすることができる

「昔から、キャンピングカーやキャンピングトレーラー、バイクトレーラーなどを使って遊んできましたが、特に運転中に異常がわかりづらいトレーラーの空気圧管理の重要さを感じていました」

装着が簡単なキャップ式で、計測は9.99kgf/㎠ まで対応。最大8輪までモニタリングが可能です。表示部はソーラー充電式なので配線不要、センサーの電池は交換可能など痒い所に手が届くつくり。ユーザーの視点で開発されただけはある、と感心しました。

このように便利なTPMSですが、気をつけるべきこともあります。どんなに優れたTPMSで空気圧をリアルタイムに監視しても、バーストの予兆までは判らないのです。

それでも、空気圧管理をしっかり行うことで、バーストの危険性を下げることはできます。タイヤが冷えているときは指定空気圧に合わせること、走行して空気圧が上昇してもあわてて下げない――これが適切なタイヤ空気圧管理のセオリーです。

信頼性の高いTPMSの力を借りつつ、安全運転で旅を楽しみたいものです。

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PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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