キャンピングカーで行こう!

エアコンはいまや必須装備! ナローボディーでも搭載車が登場 夏も快適な車中泊を

日本のキャンピングカーはベース車両が小型であったり、構造要件の都合もあったりして、設備はどうしても最小限になりがちです。どのビルダーも、限られたスペースと装備のせめぎあいに頭を悩ませていますが、ナローボディーにもエアコンを標準装備した車両が出てきました!

(TOP画像:ミニバンと同等サイズで外観もいたってシンプルなCK-Wilder/画像=キャンパー鹿児島)

装備を最小限に抑えた「車中泊車」が人気に

日本のキャンピングカーには様々な分類方法がありますが、大きくふたつに分けるとしたら、「キャンピングカー登録」=特種用途自動車登録と、それ以外、という分け方ができます。

キャンピングカー登録(=8ナンバー)の場合は、高速道路料金や自動車税の一部に優遇がある一方で、一定の条件(構造要件)を満たす必要があります。

8ナンバー車でなくてもいいから、普段使いしやすい小さいサイズが欲しいというニーズには、3ナンバーや4ナンバーのキャンピングカーのほうが適しているでしょう。

例えばキッチンのない車はキャンピングカー登録はできませんが、まったく料理する必要のない人なら、キッチンは不要。装備が少ない分、車両価格を抑えることができるというメリットもあります。

また、最近はアメリカ西海岸に端を発する「バンライフ」ムーブメントが日本にも上陸。「家にしばられず、気楽にバンで暮らす」というライフスタイルが、ロハス志向の人々に支持されるようになりました。元はと言えば、シリコンバレーの家賃が急騰して車上生活を余儀なくされた人たちから始まった動きですが、どうせ車で暮らすなら、よりおしゃれに、個性的に、というライフスタイルにまで昇華したのです。

そんなこんなの背景があって、大げさなキャンピングカーではない、装備を最小限限に抑えた「車中泊車」の人気が高まっているのです。

エアコンはいまや必須装備! ナローボディーでも搭載車が登場 夏も快適な車中泊を

室内も必要十分なレイアウト。ソファなどの家具類はざっくりした手触りのファブリックと暗めのウッドがなかなかスタイリッシュ(提供:キャンパー鹿児島)

猛暑日は容赦なく襲ってくる

「自分にとってどんなキャンピングカーが合っているのか?」。それは、何を優先して求めるか次第です。

日本は温泉などの入浴施設や外食産業が発展しています。車内にシャワールームやキッチンをフル装備した輸入車は要らない、お風呂やキッチンは省略してもいい、という考え方もあるでしょう。

考えなければならないのは、自分にとって絶対必要な装備は何か、優先順位の低い装備は何か、ということです。

エアコンはいまや必須装備! ナローボディーでも搭載車が登場 夏も快適な車中泊を

2列目シートを倒し、ベンチを展開するだけで簡単にベッドメイクが完了! よほど荷物が多い場合を除けば、車外にいったん出なくてもベッド展開できる(悪天候でも安心)(提供:キャンパー鹿児島)

キャンピングカーは寝泊まりするための車ですから、ベッドを省略する人は少ないでしょう。旅先で調理しない人には不要なキッチンも、アレルギー疾患などで食べ物に気を付けなくてはならない人にとっては、冷蔵庫やコンロは必須と言えそうです。

このように、人それぞれ欲しい装備は違うわけですが、最近はエアコンの重要性がクローズアップされています。

誰もが実感していることと思いますが、日本の最近の夏の暑さは尋常ではありません。避暑のために山間部や海沿いへ逃げたつもりでも、猛暑日は容赦がありません。いくら断熱を充実させたキャンピングカーでも、「寝ている間に熱中症になりかけた」という話も聞きます。

そこで近年人気なのが、エアコンを車載すること。従来は多くがオプション扱いでしたが、問題になるのはスペース(室内機・室外機の設置スペース)と重量配分、そしてエアコンを動かせるだけの電力(電池)の確保でした。

そんななか、登場したのがエアコンを標準装備したCK-Wilder(キャンパー鹿児島)です。ちなみに、このCK-Wilderは4ナンバー登録です。

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CK-Wilderの肝はこのエアコン。室内機はコンパクトだがパワーは十分。室外機は床下に収められているので、室内の収納スペースを圧迫せずにすむ(提供:キャンパー鹿児島)

シンプル装備でもエアコン完備

ベースはトヨタ・ハイエースのナロー・標準ルーフ。様々な種類のあるハイエースのなかでも最も小さく、全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mmというサイズは日産・セレナやトヨタ・ヴォクシーといったミニバンと同等です。

レイアウトは、2列目にREVOシートを装備、後方には片側キャビネットと横向きベンチシートがあり、2列目シートと合わせて2人分のベッドになります。ベンチシートは横向きのため走行時には使えないので、乗車定員は1列目3人、2列目3人の計6人です。

バンライフ仕様のお手本のような、いたってシンプルな内容ですが、この車の最大のトピックスは、車載用エアコンが標準装備だということです。ベンチシート下に収められたサブバッテリーは115Ah鉛バッテリーを2本装備。一晩なら十分快適に過ごすことのできるスペックと言えそうです。

連泊したい場合は、電源供給を受けられる電源付きキャンプ場(またはRVパーク)に寄るか、フル充電できるまで自走する必要がありますが、冷房能力を持っているのは心強い限りです。

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バッテリーなどはベンチ下に。スペース的にはトリプルバッテリーにすることも可能なので、パワーに余力が欲しい場合はオプションで追加しよう(提供:キャンパー鹿児島)

さて、車載用エアコンを標準装備となると心配なのが価格ですが、2WD×ガソリン車なら427万円(税別)と、エアコン標準装備としてはリーズナブルな価格設定。そもそもミニバンサイズですから普段使いも楽勝ですし、荷室は十分な広さなので自転車なども楽々積めそうです。

食事やお風呂は旅先のインフラを活用して、寝るのは快適な自分の車、という使い方の人には、理想的なスペックと言えるのではないでしょうか。夏も安心して快適に車中泊を楽しみたい。そんな人なら、チェックする価値がありそうです。

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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