口福のカレー

辛さの下にコクとうまみが隠れたネパールカレー「カトマンズ ガングリ」(東京・目黒)

今回のおすすめカレー店は、2001年に開業し、今年で20年目を迎える目黒の「カトマンズ ガングリ」だ。目黒駅から5分ほどのビルの地下1階にある店内は、広々としていて清潔感がある。店名から分かるように、ネパールとチベットの料理のレストランだ。ネパールの首都カトマンズで長年大きなレストランを経営している叔父のレシピを元に、こちらで腕を振るうのは、カトマンズ出身ネワール民族のシェレスタ・ブリジラジ・キショールさんと、現地から呼び寄せたネパール人シェフ。

2種類のカレーとチョエラが楽しめる「ガングリスペシャルセット」

2種類のカレーとチョエラが楽しめる「ガングリスペシャルセット」

ランチメニューは、カレー2種に豚の炭火焼きをスパイスで和(あ)えたチョエラが付く「ガングリスペシャルセット(1080円税込み・以下同様)」、「選べる2種のカレーセット(1050円)」、単品のベジタブル、ホウレン草、チキン、キーマ、マトンなどのカレーセット(840~950円)に加え、チベット料理が数種類。カレーは辛さを5段階で選べて、ナンまたはライス、サラダ、ダルスープとドリンクが付く。

ネパールでは、ナンよりも生地を発酵させずに薄く延ばして焼くチャパティのほうが主流だが、常連客の要望もあり、ナンも提供しているそう。とはいえ、もともと炭火料理を提供するための本格的な窯を持っているので、ナンもふっくらと香ばしい。

ヒリヒリとした辛さの後にコクとうまみがくる「BBQチキンカレー」

ヒリヒリとした辛さの後にコクとうまみがくる「BBQチキンカレー」

キーマやマトンも適度にスパイスが利き、丁寧に作られていて十分に満足できるが、辛口カレー好きならぜひ試してほしいのが、店のおすすめメニューでもある「BBQチキンカレーセット(辛口)」だ。チキンとナス、ピーマン、パプリカ、タマネギが入ったとろみのあるカレーは、ひと口食べたとたんに衝撃が走る。辛い! とにかく辛い。舌が慣れるまで、二、三口はルーの量を控えめに、そうするうちに奥に潜んでいたうまみと甘みが感じられるようになり、その頃には手が止まらなくなっている。

ダル、マトン、チキンなど5種類のカレーの中から好きな組み合わせが選べる「選べる2種のカレーセット」

ダル、マトン、チキンなど5種類のカレーの中から好きな組み合わせが選べる「選べる2種のカレーセット」

カトマンズ ガングリのカレーは、北インド料理のようにバターや生クリームは使わず、バターオイル「ギー」とスパイスが基本。ベースとなるカシューナッツ、トマト、タマネギなどの素材との組み合わせによってスパイスの配合を変えるそうだが、共通しているのが、辛さの調整に使う唐辛子ソース。たくさんの唐辛子とニンニクを野菜スープに加えて、グツグツと煮込んで作る。創業当時から使い続けている叔父の秘伝のソースだそうだ。表面的な刺激ではなく、厚みのあるあの独特の辛さは、野菜のうまみとニンニクのコク、唐辛子の辛さが一体となっているからだったのかと納得した。

“密”を避けるため、4人掛けテーブルを一つおきに使っている

“密”を避けるため、4人掛けテーブルを一つおきに使っている

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カトマンズ ガングリ
東京都目黒区下目黒1-2-22 セザール目黒B1
03-3493-4712
https://g921202.gorp.jp/

PROFILE

熊野由佳

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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