シネマコンシェルの部屋

仕事と友情、打算的になってしまう人間関係への悩み(コンシェルジュ:LiLiCo)

読者の皆さまから寄せられた相談やお悩みに、映画を愛する様々な分野の方々が寄り添い、最適の作品を紹介する隔週連載。

コンシェルジュは映画コメンテーター/タレントのLiLiCoさん、CGクリエーター/映画監督のFROGMANさん、カラテカ・矢部太郎さん、Base Ball Bear・小出祐介さんの4人です。今回のコンシェルジュはLiLiCoさんです。

#05 自尊心が低い人との付き合い方に悩んでいます(コンシェルジュ:LiLiCo)#05 自尊心が低い人との付き合い方に悩んでいます(コンシェルジュ:LiLiCo)

#05 自尊心が低い人との付き合い方に悩んでいます(コンシェルジュ:LiLiCo)

LiLiCo

映画コメンテーター/タレント。スウェーデン・ストックホルム生まれ。スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳の時来日、1989年から芸能活動スタート。TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演するほか、フジテレビ「ノンストップ!」やJ-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」など、レギュラー出演番組も多数。イベント出演や映画・アニメの声優などマルチに活躍。ファッションにも意欲的に取り組み、バッグやジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。

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<相談者プロフィール>

高山亜紀(仮名) 30歳 女性

東京都在住 クリエーティブ職

今年30歳を迎えました。好きな仕事について収入も安定し、家族関係もよく、趣味の合う優しい友達に恵まれています。自分はとても運のいい人生を歩んでいることは自覚し、そういう人生を歩ませてくれた環境とまわりの人たちに感謝しています。

仕事が好きなので、生活における仕事の比重が大きく、私生活と仕事が混ざっているようなライフスタイルを送っています。そうすると必然的に周囲の人たちも仕事に関係のある、「今の自分がやりたいこと」に近しい人たちが集まってくるようになりました。

ですが、ここで私を悩ませるのは「私は付き合う人間を打算的にしか選んでいないのでは」ということです。1~2年前まではあんなに仲良くつるんでいた友人と、今ではめっきり会わなくなっていたり、ものすごくお世話になった遠方の知り合いに数年連絡をとっていなかったり……。

今まで出会った人たちと継続して関係を続けられるのがベストなのですが、人間関係にもキャパはあり、全員を優先するとライトな人付き合いになってしまう……。ある程度は付き合う友人を選んでいかないといけない現状です。

そのとき、友人を選ぶフィルターが「この人は単なる友人関係にプラスして、仕事という面でも私にポジティブな要素をもたらしてくれるか」なんです。AさんとBさんがいるなら、今後、お仕事でも付き合っていけたり、直接的ではないにせよ私を成長させてくれたりするAさんとの付き合いを優先してしまっている自分がいます。そのくせ、現状からステップアップして次の環境にいきたいとき、Aさんとの付き合いが軽薄になり、次なるCさんとの付き合いを優先してしまう自分がいます。「あぁ、なんて自分は冷たく打算的な人間なんだろか」と少しの自己嫌悪感を覚えてしまいます。

人付き合いと友情、そして自分自身に悩む私に、どうかおすすめの映画を教えてください。

友達って魔法のような存在

こんにちは。亜紀さんのお悩みをじっくり読みましたよ。4回くらい(笑)。その理由は、確かに自分の過去を振り返ったとき30歳という年齢が悩みを深くしてるのかも、と思ったからです。

まずね、亜紀さんの悩みは正直誰もが通る普通のこと。昔めっちゃつるんでいた友達でも、今は全く連絡を取らなくなるもの。友達は親・家族と違って選べるもの、そしてもちろん選ばれるものでもあります。わたしが20代のころ、出会った人たちとはほとんどみんなと友達になって、あまり深く知らなくてもホームパーティーに呼んだりした。30代になったら社会人としてもちろん成功したいから、自分のやりたい仕事に導いてくれる人とも友達になったり……そして40代では本当の友達が残ってた。

だから亜紀さんみたいに仕事に”役立つ”というとかなりストレートな言い方にはなるけど、そういう人と自然とお付き合いしてしまうのは当然のこと。その中でも合わない人が出てくると思いますよ。フィーリングが合うのはとても大事なので”面倒臭くて、大嫌いだけど一緒にご飯は食べる”ような相手は一回会うくらいなら我慢出来るかもしれない。だけど、どんなに仕事に役立つとは言え会うのが嫌になるし、疲れると思います。

だから亜紀さんはきっと仕事仲間兼友達になるような人と運良く出会ってますよ。新しいところに挑戦したくなったら新しい出会いがあって当たり前。みんなと友達になれません(笑)。

わたしは携帯を整理すると記憶にない人の番号がたまに出てきます。当時はきっと連絡を取り合っていたけど、結局お互いの人生の道が別の方向に進んでしまったんだなぁと。

半分プライベート半分仕事のお付き合いはこれからもっと増えると思いますよ。親友と言える人はね、数人でいい。もちろん何を”親友”と思うかは人それぞれだけどね。いいじゃん、分けなくても、と言う人もいます。もちろんその通り。そして例えば一時期は親友であっても、自然と縁が切れてしまったり、わざと切ったりと、そんなこともありますよ。

過ぎて去ってしまった友情を追わずに、今目の前にいるあなたにとって大切な人と良い絆を作ってください。あと十何年したら周りがガラッと変わってるかもよ。でも関係が薄れてしまった人たちと仲が悪くなっていることもないですよね。ふと連絡したらまた会うようになるときもありますよ。これだから友情は面白い。

わたしのまわりには芸能界を辞めてしまった仲良しがいて、芸能界を辞めたらわたしと会話が合わないのでは?と気にしてたみたい。でも十何年ぶりにあったらもちろんそんなことはなく、すごく盛り上がりました。それからはいつも連絡を取り合ってもいなくて、なにかのときにはお互いのことを思って、ちょっとLINEで連絡したりします。

わたしの大好きな、友情を描く映画は『Dear Friends』。もうね、どれだけ泣いたか……。北川景子さん演じる高橋リナは同性からも憧れの存在。もちろん男性も彼女を放っておかない。リナもその美貌(びぼう)を武器にして、いつも違うオトコと体の関係を持つ。彼女をチヤホヤしてくれるところに行く、という感じかな。ファッションも、持ってるものも最先端で、さっそうと夜の街を闊歩(かっぽ)する。

そして彼女がいつも思っているのは“友達なんか必要ない。必要なときにだけ利用するもの”ということ。でもある日、リナは病に倒れます。今までのラグジュアリーな生活が嘘のよう。入院して、リナもこの悔しさと怒りをどこにぶつければいいのか……。看護師さんにも強く当たってしまいます。でも実は昔からリナをそっと見つめていた人がいた。それが遠藤マキ。彼女は小学校からの同級生だけど、リナは全く記憶にない。お世話焼きなマキはいろいろ優しくするけど、ウザいと思ってしまうリナ。でも時間が経つにつれ、心を通わせるふたり。

スローガンは”友達って必要ですか?”。劇場公開が2007年。初々しい北川景子さんとマキを演じる本仮屋ユイカさん。監督は『ナースのお仕事 ザ・ムービー』の両沢和幸さん。わたしは彼の『KEEP ON ROCKIN’』に大感動して、それからずっと注目しています。

友達ってふとしたところで現れて、会ったばかりなのに10年以上知っている人より仲良くなれる魔法のような存在。年齢とともに、そして亜紀さんの立場とともに出会いが変わり、人生が進んでゆく。友人のキャパオーバーは疲れるし”今”を大切にして、心の思うほうに行ってみたら? すてきな30代にしてね♡

LiLiCoさん推薦の映画

Dear Friends

監督:両沢和幸

PROFILE

「シネマコンシェルの部屋」ライター陣

LiLiCo、FROGMAN、小出祐介

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