口福のカレー

いつまでも変わらないでほしい老舗スタンドカレー「モンスナック」(東京・新宿)

上野の「デリー」、神保町の「カーマ」など、ひいきにしているしゃばしゃばカレーの店はいくつかあるが、私にとっての原点は「モンスナック」だ。

創業は1964年、新宿の紀伊國屋書店の地下にある老舗スタンドカレーで、はっきりとは思い出せないが、初来店はたぶん30年以上前。学生時代は、それはそれは頻繁に通っていた。最近は、かなり頻度は減ったものの、1年に数回は無性に食べたくなる。そして訪れると、まるでタイムスリップしたかのように当時と変わらない味と雰囲気で迎えてくれる。

衣が香ばしくてボリュームたっぷりのとんかつがのった「カツカレー」

衣が香ばしくてボリュームたっぷりのとんかつがのった「カツカレー」

店内には細長いU字形のカウンターのみ。注文してから数分でカレーがやってくる。一人客が多く、ほとんどがお決まりのカレーをオーダーし、黙々と食べ、10分ほどで出ていく感じ。11時から21時15分までの通し営業で、ランチタイムほどではないが、一日中ほぼ客が途絶えることがない。

豚バラ肉の入った「ポークカレー」にゆで卵をトッピング

豚バラ肉の入った「ポークカレー」にゆで卵をトッピング

筆者の定番は「カツカレー」、もしくは「ポークカレー」のゆで卵入り、たまに「野菜カレー」といったところだ。丸皿にこんもりとヤマ形に盛られた硬めのライスと、しゃばしゃばした粘度の低いスープのようなルーが、なみなみと注がれている。ルーは比較的あっさりとしていて、ほのかなスパイス感とベースとなる上品なブイヨンの旨(うま)みが効いている。トマトやタマネギのほか、香味野菜の酸味や甘味もしっかりと感じられる、じわじわと後をひく旨さだ。

野菜の酸味、甘味とブイヨンの旨みが溶け込んだしゃばしゃばのルー

野菜の酸味、甘味とブイヨンの旨みが溶け込んだしゃばしゃばのルー

カツカレーはベースとなるポークカレーに、大きなカツがドーンとのっている。注文が入ってから揚げるため、熱々でサクサク。ほどよい厚みでしゃばしゃばカレーととてもよく合う。

このカツカレーが平日ならなんと800円(税込み・以下同様)で食べられるのだ。というのも平日は定番メニューの多くが100円引きになるため、ふだん800円の「ビーフカレー」は700円に、「チキンカレー」は700円が600円に。軟らかく煮込まれた豚バラ肉がたくさん入った定番の「ポークカレー」は実に550円で食べられる。

緑の刻み漬けと赤い福神漬けの薬味もずっと変わらない

緑の刻み漬けと赤い福神漬けの薬味もずっと変わらない

注文時には無料のコーンサラダをお願いするのも忘れずに。自己申告制のため、ぜひひるまずに声掛けを。安くて、旨くて、コスパ抜群。通し営業でフラッと立ち寄れる。なんともありがたい存在のモンスナック。いつまでも変わらず、今のままのカレーを作り続けてほしいと切に願っている。
    ◇
モンスナック
東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋ビルB1
https://www.monsnack.com/

PROFILE

熊野由佳

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

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