バンドやろー

30分で8ビートをマスター? ドラムのレッスンを体験

楽器の選び方を学んだり、音楽教室のレッスンを体験したり……大人が始める音楽演奏を後押しする連載「バンドやろー」。コロナ禍でロケ取材を見合わせていましたが、感染対策や体調管理に留意しながら再開することになりました。

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前回は電子ドラムを紹介しました。しかしドラムを自宅に導入するには環境的に厳しい、という方も多いでしょう。そんな方へ、防音の部屋でレッスンを受けることができるドラム教室はいかがでしょうか。

ドラムのレッスンはどのように行われるのか――。今回はドラムの体験レッスンの様子をお送りします。感染対策をした上で、島村楽器ラゾーナ川崎店に体験レッスンへ向かいました。レッスンを受けたのは私、村上と&編集部の田中さん。講師は今村健太郎先生です。

【動画】8ビートに挑戦。ドラムの体験レッスンを受けてみた

楽器の基本は脱力すること、アドバイスをもらいながら基礎を教わる

「今日はどんな雰囲気でレッスンが進んでいくのかを体験していただければと思います。いきなり叩(たた)くと手や指を痛めてしまいますので、まずはストレッチから始めます」

スティックを持った状態で手首を回し、手首を慣らします。そして次に、スティックの持ち方を確認します。スティックを3等分し、後ろの3分の1を親指と人さし指で持ちます。残りの指は優しく包み込むだけにして、リラックスして持ちます。余計な力を抜く、というのはどの楽器においても言えることですね。

スティックの後ろから3分の1を親指と人さし指で持ち、他の指は軽く包み込むように

スティックの後ろから3分の1を親指と人さし指で持ち、他の指は軽く包み込むように ※実際のレッスンではマスクを着用して行なっていますが、今回は取材のためにマウスシールドを着用しています

手首を柔らかくして、“八”の字になるように構えます。これが基本の構え。基本事項を確認してから、実際のドラムに移る前に練習用のパッドで叩き方を確認します。速度を変えて練習しながら、その都度アドバイスをもらいます。

「利き手の方がどうしても強くなってしまいがちなので均等になるように意識しましょう」、「脇が締まり過ぎているのは腕に力が入っている証拠。もう少し力を抜いて」など、無意識だったのではっとさせられます。田中さんも「叩く前のスティックの高さに(左右の)差があるので、振り上げる高さをそろえてみましょう」など、それぞれの弱点を指摘していただきました。

「田中さんは左手に力が入っていますね。リラックスして」と今村先生からアドバイスを受け、「無意識のうちにそうなっているんですね」と納得する田中部員

「田中さんは左手に力が入っていますね。リラックスして」と今村先生からアドバイスを受け、「無意識のうちにそうなっているんですね」と納得する田中部員【もっと写真を見る】

個人のレベルに合わせて着実にレベルアップ

続いてハイハットの練習パッドも使い、8ビートのリズムを練習します。そして伴奏を流しながら実際に一人ずつ本物のドラムを叩いてみます。ドラムを叩くと一気に本格的になったと感じます。

「ずっと続いている一定のフレーズをパターンと呼び、曲が展開するときに入れるフレーズをフィルインと言います。次は簡単なフィルインも入れてみましょう」

いきなりフィルインを入れるのではなく、まずはフィルインからパターンに戻る練習をします。段階的に練習することで、つまずきにくくなります。私はドラムに触ったことがあると言うと、よりよく叩くコツを教えてくれました。

「叩いた後にその勢いのままスティックを跳(は)ね返すよりも、打面から3センチくらいの低い位置で止めることでよりはっきりした音が出るんです」

ダウンストロークと呼ぶその技法と、クラッシュシンバルの強さを意識しつつ再度叩くと、なるほどかなり変わったように感じました。

フィルインも成功し、その気になってきた田中部員。「ドラムを叩くと気分が上がりますね」

フィルインも成功し、その気になってきた田中部員。「ドラムを叩くと気分が上がりますね」【もっと写真を見る】

一人がドラムを叩いている間、待っている人はパッドで練習をします。私が叩いている間に田中さんはバスドラムをマスターしていました。体験レッスンの30分でも8ビートを安定して叩けるようになりました。

グループレッスン、発表会など他の生徒から刺激を受ける場がある 

今村先生にレッスンのことやドラムの楽しさについてお話を伺いました。

――レッスンはグループで行うことが多いですか?

「個人の方もいらっしゃいますがグループが多いですね。初心者と上級者が混ざることもあるので、近くで他の生徒さんが叩いているのを見て学べるのはいいと思います」

子供から大人まで生徒がいるというドラム教室。小さいころから長く続けていたり、兄弟や親の影響で始めたりと習う理由は様々。しかし当然、コロナの影響を受けてレッスンは一時ストップしたそうです。

「レッスンは4~5月の2カ月間なかったですね。毎年3、4月に行っている発表会も中止になってしまいました」

防音の二重扉の奥にドラムの練習室がある

防音の二重扉の奥にドラムの練習室がある【もっと写真を見る】

――発表会は普段はどのような形で行われているんですか?

「ライブハウスを借りてバンドスタイルでやっているんです。自分のやりたい曲ができるので楽しみにしている生徒さんが多いですね。今年も1月くらいから発表会の練習を始めて、良い感じに仕上がってきて、もう少しでリハーサルだよってところで中止が決まってしまって」

やむを得ない中止に涙をのんだと言います。今後の情勢の見通しは立ちにくいですが、また発表会が開催されると良いですね。

「そうですね。『次こそはやりたい』という生徒さんは多いです。緊張するけど達成感はあるし、普段は音源で練習しているのに人と演奏できるわけですから。親子で楽器をやっていたりすると、発表会の際に一緒に出ませんかと声をかけることもあるんです。お子さんがドラムで、お父さんがギターをやったり……」

音楽に合わせたパッド練習を終え、本物のドラムへ。まずは太鼓とシンバルを一つずつ全部叩いて感触を確かめる

音楽に合わせたパッド練習を終え、本物のドラムへ。まずは太鼓とシンバルを一つずつ全部叩いて感触を確かめる【もっと写真を見る】

毎日少しでも練習することが大切。スティックは持たなくてもいい!

――生徒さんが自宅で練習するとき、電子ドラムを使っている場合が多いですか? それとも練習パッドが多いでしょうか。

「電子ドラムを買われる生徒さんが増えたなと思います。僕がドラムを始めたときは、電子ドラムは高かったし、その割に音がいいわけでもなかったので、みんな買わないで練習していたのですが。今は値段も下がっていて良いものも増えてきたので、電子ドラムを使っている生徒さんは多いですね。大人の方はすごく高いグレードのものを買っていたりもします。それによって気持ちが上がったりするんだと思います」

店内の電子ドラムコーナーに多くの機種がズラリと並ぶ

店内の電子ドラムコーナーに多くの機種がズラリと並ぶ【もっと写真を見る】

もちろん自宅の環境によっては電子ドラムが置けない、音を出せない環境の方もいらっしゃる、と今村先生は言います。それも踏まえ、自宅での練習について伺いました。

――ドラムを家で練習するにあたって、上達するために気を付けたいポイントはありますか?

「一週間に一度練習するよりも、『毎日少しでいいから復習した方が早くうまくなるよ』と言っています。ドラムは身体の動きが大事な楽器で、他の楽器よりもフィジカルな面が強いと思います。まずは椅子に座って手足を動かして身体の使い方を理解した上で、その後にスティックを持って叩いたらできた、ということもあります。身体の動きをイメージしにくい人は特に何も持たずに手足だけで考えると理解が早かったりしますね」

――ドラムを始めて慣れないうちは、テンポが走って(だんだん速くなって)しまうことがあると思いますが、一定のリズムをキープするコツはありますか?

「緊張して走ってしまうこともありますが、ドラムは一人で成立する楽器ではないので、他の音を聴きながら演奏する練習が必要です。生徒さんには『人の音を聴くのも大事だよ』といつも言っています。イメージトレーニングをするのも良いですね。音楽を聴きながら空振りだけするとか、スティックを持たずに太ももの部分を叩いたりとか」

音楽を聴きながら、このように太ももを叩く練習もおすすめです

音楽を聴きながら、このように太ももを叩く練習もおすすめです【もっと写真を見る】

最後に、先生が考えるドラムの楽しさについて語っていただきました。

「私がメインで叩いているのはジャズなのですが、ドラムを通じて世界のいろんなリズムを考えるようになり、様々なジャンルの音楽を聴くようになりました。私が受け持つ上級クラスでは、ボサノバやラテンも教えたりするのですが、あまり馴染みのない音楽に触れると世界が広がるじゃないですか。例えばロックだけやってたら知らなかったことを知ってもらうのも、我々講師の役目の一つかなと思います」

熱心に指導して下さった今村健太郎先生。洗足学園音楽大学ジャズコース卒業。在学中、横浜新人ジャズ演奏家オーディションで優秀賞・審査員特別賞を受賞

熱心に指導して下さった今村健太郎先生。洗足学園音楽大学ジャズコース卒業。在学中、横浜新人ジャズ演奏家オーディションで優秀賞・審査員特別賞を受賞【もっと写真を見る】

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島村楽器ミュージックサロンラゾーナ川崎店
神奈川県川崎市幸区堀川町72-1ラゾーナ川崎プラザ4・5F
https://www.shimamura.co.jp/shop/l-kawasaki/lesson-guide

30分で8ビートをマスター? ドラムのレッスンを体験

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PROFILE

村上麗奈

2000年生まれ、専門学生・音楽ライター。2019年6月、ライブリポートの寄稿をきっかけにライターとしての活動をはじめる。4歳から始めたピアノを現在でも趣味感覚で習い続けている。読書と猫が好き。美学・芸術哲学を独学中。

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