キャンピングカーで行こう!

無駄をそぎ落とした、通好みの軽キャンピングカーがデビュー!

キャンピングカーにどんな装備があればいいのか、悩ましいところです。つい「あれもこれも」になりがちですが、限られたスペースを考えると、取捨選択の重要性はおわかりいただけるでしょう。軽キャンピングカーともなれば、なおのことです。

そんななか、人気の軽キャンパーに、装備を最小限までそぎ落とした新モデルが登場しました。

(TOP画像:CPSフレンドリー)

スペースは広く、装備はシンプルに

キャンピングカープロショップ・フレンドリー(以下CPSフレンドリー)が発売した、軽キャンピングカー「CAMEL」は、装備の取捨選択の悩みへの一つの回答と言えるでしょう。

社長の畑中一夫さんは長年、キャンピングカー販売に関わってきました。単に営業職であっただけでなく、自分自身が何台ものキャンピングカーを乗り継ぎ、釣りや水上バイク、ダイビングと、アクティブに遊んできたベテランユーザーでもあります。それだけに、「本当の使いやすさとは?」「どの機能を最優先すべきか」を、使う人の立場で考え抜いた、といいます。

極力シンプルに、実用面をとことん重視した室内。あえてテーブルを廃して、自由度の高い「ミニちゃぶ台」を採用した(画像提供:CPSフレンドリー)

極力シンプルに、実用面をとことん重視した室内。あえてテーブルを廃して、自由度の高い「ミニちゃぶ台」を採用した(画像提供:CPSフレンドリー)

ベース車は、スズキ・エブリイです。たたんだ2列目シートから荷室床面までマットを敷いてベッドを作るレイアウトは、軽キャンピングカーでは一般的な仕様です。

収納スペースはリアの左右壁面と荷室の床をかさ上げして確保。ただし、運転席側の収納庫は天井まであるのに対し、助手席側はウィンドウラインまで。床面のかさ上げ収納庫も小さめに抑え、居室の天井高を確保しています。

また、ダイネット(食卓)のテーブルはなく、代わりに可愛らしい「ミニちゃぶ台」を用意。しかもこのちゃぶ台、天板が譜面台のように傾斜させられるので、タブレットや本・雑誌などを置いて見るのにもぴったりです。

キッチンについては、シンク、給排水設備とも備えていません。

こうしてみると、素っ気ないほどあっさりした装備。つまり、居室内は「可能な限り空間を確保する」コンセプトであることがわかります。

無駄をそぎ落とした、通好みの軽キャンピングカーがデビュー!

荷室床のかさ上げ収納庫も最小限に。それでも基本的なキャンプ道具(シュラフや着替えなど)はしっかり入る容量を確保した。ベッド用マットは安価なタッカー止めではなく、手間のかかるカバー式に。外して洗濯できるのもポイントが高い(画像提供:CPSフレンドリー)

「ポップアップルーフも付けていませんので、床をかさ上げした収納庫を小さめにして頭上の圧迫感を少しでも軽減するように考えました。助手席側の収納庫の背が低いのも同じ理由で、座ってみたときの視線の高さに圧迫感がないようにという配慮です。もちろん、運転時の後方視界を確保するためでもあります」(畑中さん)

車内で調理したり、長時間くつろぐ使い方を想定していないのは明らかです。

「夜はちょっと酒のつまみやお茶菓子が置ければ十分、と考えて、大きなテーブルよりも好きなところに置けるミニちゃぶ台にしました。スペースは広く、装備はシンプルに。その分、フレキシブルに使える自由度の高さを目指しました」(畑中さん)。

快適な室内を生む多層断熱加工

装備は究極にシンプルである反面、室内の快適さにはこだわりました。

まず特筆すべきは、贅沢(ぜいたく)に施された断熱加工でしょう。

・アルミベースの遮熱材「メタルシート」
・ポリエステル系断熱材「パーフェクトバリア」
・ガラス繊維「グラスウール」

これら3種類の断熱素材を場所によって使い分けるという配慮のこまやかさ。天井にはメタルシートとパーフェクトバリアが、壁面にはメタルシートとグラスウールが、バックドアはグラスウールが使用されています。さらにサイドドアだけでなくフロントドア(運転席助手席)にもメタルシートが貼り込まれています。

無駄をそぎ落とした、通好みの軽キャンピングカーがデビュー!

断熱処理工程の写真。車の内張りを全てはがし、断熱材を仕込んでいく。完成してしまえば目に触れることはないが、快適性を大きく左右する大切な加工だ(画像提供:CPSフレンドリー)

実はこの「断熱加工」の良しあしこそ、キャンピングカーの価値を左右するほど大きな要素であると私は考えています。

完成してしまえば見えなくなってしまう部分なので、事情を知らない人は「家具を作るだけなんだから、キャンピングカーなんてDIYでできる」と言いますが、断熱性能の有無、性能の良しあしが快適性を左右するのです。こうした目に見えないところこそ、各ビルダーのこだわりが込められている部分でもあり、キャンピングカーに対する考え方の違い、個性が表れる部分でもあります。

「ドアまで断熱して、どこまで変わるものか。しかもフロントのドアまでやることでどれほど効果があるのか。正直なところ、数値的に比較したわけではないんです。が、自分自身、寒い時期にキャンピングカーを使った経験から、やるからには徹底したいと思った結果がこれです」と畑中社長は笑います。

装備の多くをオプション化し低価格を実現

CAMELにはサブバッテリーも標準装備ではありません。必要なら市販のリチウムイオン・ポータブル電源(リチウムイオンバッテリーとインバーターなどがひとまとめになった電源ユニット)を載せましょう、という見事な割り切りぶりです。

ポータブル電源ユニットには、充電器もインバーターも全て含まれているため、一般的なサブバッテリーを載せるより安価なのだそうです。ただ載せるだけでなく、きちんと走行充電できるようにしているのはさすがです。最近の車両は省エネのため、充電制御がきめ細かくされており、12Vを取り出すのにもノウハウが必要なのだとか。

長年キャンピングカーに乗ってきたからこそわかる「必要最小限」で構成されたCAMELは抑えられた価格、普段使いしやすいサイズ、軽やかな車体など、あらゆる面で、入門者にもベテランにもお勧めできる軽キャンピングカーに仕上がりました。

気になる価格は164万円から。リーズナブルな価格を含め、人気が出そうな予感がします。

【DATA】
キャンピングカープロショップ・フレンドリー
https://cps-friendly.jp/
CAMEL
¥1,640,000(2WD/5MT)~

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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