キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーの要はベッド 安眠・快適な「寝室」選びのコツは?

キャンピングカーで最も重要な装備は? と聞かれたら、「ベッド」と答えます。8ナンバー(特種車両)のキャンピングカーはもとより、それ以外の車中泊仕様車でも、必ず装備されているのがベッド。キッチンやトイレがない車両はあっても、ベッド(もしくは就寝スペース)のないキャンピングカーはないのです。

キャンピングカーとは「寝泊まりする車」

キャンピングカーの構造要件には、「次の各号に掲げる要件を満足する就寝設備を車室内に有すること」と書かれています。つまりキャンピングカーとは「寝泊まりする車」というのが大前提であるということです。

もちろんワンボックスワゴンなどにも「フルフラットシート」など平面に近いシートレイアウトがあるものがあります。セダンだって、椅子を完全に倒せば仮眠ぐらいすることはできます。しかし、経験のある人もいると思いますが、フルフラットとはいうものの、完全に平滑とは言えません。ベッドと呼ぶには程遠く、安眠が期待できるベッドと呼ぶには、厳しいものがあります。

構造要件にある就寝設備の「次の各号に掲げる要件」を見てみましょう。

・一人当たりのサイズは幅0.5m以上、長さ1.8m
・就寝部位の上面は水平かつ平らである等、大人が十分に就寝できる構造であること

事細かに決められています。つまり、キャンピングカーの「就寝設備」は、きちんと体を伸ばしてくつろげるベッドであることが前提になっているのです。

キャンピングカーの要はベッド 安眠・快適な「寝室」選びのコツは?

展開式と常設式、それぞれ一長一短

キャンピングカーのベッドには大きく分けて二つのタイプがあります。昼間は座席として使い、夜はベッドに変形する「展開式」と、常にベッド状態の「常設式」です(※構造要件には「就寝設備は、乗車装置の座席と兼用でないこと」とありますが、形状などが一定の要件を満たせば兼用可能です)。

展開式ベッド

ベッドメークの手間はかかりますが、スペースを有効に使うには良い方法です。展開式にはいろいろな種類があります。

●ダイネット方式
ダイネットとは食卓のこと。ファミリーレストランなどのボックス席をイメージすればわかりやすいでしょう。テーブルだったところを座面の高さまで下げ、向かい合わせの椅子の背もたれ(クッション)を食卓面に並べる方式が一般的です。

●ソファ展開式
3人~4人がけのソファの、背もたれを倒す(座面を手前に引く)タイプ。

●板を追加する方式
バンコンなどによくみられますが、昼間は壁に沿わせるように立てて収納している板を横にして、ベッド面として利用するやり方です。

どの方式も、昼間は食卓だったりソファだったりするので、寝る前にベッドの状態に展開せねばなりません。昼間、居住空間が広く使えるかわりに、そのひと手間が必要になります。特に食卓をベッドに展開する場合、テーブルの上をすべて片付ける必要もあります。

ついつい酔っぱらって、ベッド展開が面倒になって床で寝てしまった……などという笑えない話もたまに聞きます。ソファや食卓の状態からベッドに展開するのに、どれぐらい手間がかかるのか。キャンピングカーショーや店頭で、実際に自分でやってみて確かめるのが一番でしょう。

また、ここで考えておかなければいけないのは、ベッドメークに要するスペースの余裕です。テーブルの板を下げて、ヘッドレストを外して、背もたれをあっちへやって、座面をこっちへやって……狭い車内で荷物やベッドパッドを動かすことになります。

軽キャンピングカーやバンコンでは、ベッド展開の間、家族や荷物はいったん外へ、というケースも珍しくありません。でも天候も晴れの夜ばかりとは限りません。雪の夜、「ベッドメークするから一旦外へ出て!」なんて酷ですよね。キャンピングカーのベッドを考える際は、使う人数、行き先、荷物の量、ベッド展開の手間を慎重に考えて選ぶのが賢明です。

キャンピングカーの要はベッド 安眠・快適な「寝室」選びのコツは?

常設ベッド

ベッドメークは不要ですが、スペース効率は不利になります。

●バンクベッド
運転席と助手席の頭上にせり出している部分(バンク)がベッドになっているものです。寝る時にはよじ登らなければならないというデメリットがあります(酔っぱらっていたら、危険かもしれません)。また、夜中にトイレに起きる場合なども、足場(ハシゴなど)をしっかり用意しておく必要があるでしょう。

●据え置き型ベッド
このタイプがあるのは、ほとんどがアメリカ車やヨーロッパ車です。文字通り、寝室にベッドが置かれているタイプで、一番贅沢(ぜいたく)な空間の使い方と言えるでしょう。何かを兼用しているわけではないので、ついつい荷物置き場にしてしまいがちですが、寝るときにはどかさねばなりません。

常設ベッドがあるキャンピングカー=大型のタイプです。何かを兼用していない分、寝心地も良いですが、それだけ車両そのものも大きいので、日本では少数派といえるでしょう。

ベッドのお手入れをお忘れなく

我が家はアメリカ車のクラスC。常設ベッド(バンクベッド)ひとつに、展開式ベッドがふたつあります。春から自粛していたので、昨年の稼働回数は激減しました。その結果、夏の終わりにえらい目に遭いました。

湿気の高い状態で閉め切ったままだと、カビや害虫の発生を招くことがあるのです。詳しくはこちら(長期間動かさなかった車内に、強いかゆみをもたらすあの害虫が!)に書きましたので、ご参照ください。そうしたトラブルを避けるには、最低でも年に1、2回はクッションやマットレスを車外に出して「虫干し」をしましょう。車から外せないタイプの場合は布団乾燥機を使用する(ダニ退治モードなど)のも有効です。

その点、ヨーロッパ車などでよく使われる、ウッドスプリングタイプはマットレス下がスノコ状で通気性もよく、カビなどの発生を抑えられるというメリットがあります。が、冬場は下からの冷気が上がってきて寒い、というデメリットもあるので、寒い時期は銀マットを敷いて断熱する、敷き毛布を活用する、などの工夫が必要でしょう。

リフォーム時も注意を

ベッドについて最後にもうひとつ。

キャンピングカー登録(8ナンバー)の車両をDIYでリフォームする方がいらっしゃいますが、ベッドには規定があるのでご注意を。構造要件には「乗車定員の3分の1以上の大人用就寝設備を有すること(端数は切り上げることとし、乗車定員3人以下の自動車にあっては2人以上)」という規定があります。最近は子供が使わなくなったから、などと判断してベッドを撤去してしまうと、車検に通らなくなってしまうので慎重に。ベッドについて変更やリフォームしたい場合は、お店に相談するのが一番です。

 

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

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