山城さくらのキャンプFM

「大事なのはマナー」キャンプでお隣のテントから、心配りを教えてもらった話

キャンプが盛り上がっている裏側で、一部の人たちの“マナー問題”をたびたびSNSで見かけるようになりました。

直火禁止の場所で直火をして地面を焦がす、ゴミを持ち帰らない、夜遅くまで大きな声で話す、大音量で音楽をかけるなど、実際にキャンプ場で何度かそのような現場を見かけたこともありますし、夜中の話し声に関しては正直なところ頻繁に悩まされています。

わかるよ、わかる……。

仲間で行くキャンプって非日常空間でテンションも上がるしお酒も入っているしで、つい遅くまで盛り上がっちゃうよね……と、気持ちはとてもわかるのですが、家と違ってテントの壁はうす〜い布一枚。消灯時間後の静けさに包まれた野外では、普通のトーンの話し声でさえ結構響きます。少し離れていても会話の内容がうっすらわかるほど。

森の静けさの中で聞こえる、虫の声や葉のかすれる音を聞きながら寝るのが楽しみのひとつでもあるので、そんな日は「あ〜あ、せっかく来たのに」なんて思わずにはいられません。とはいえ、耳栓をして寝ると安眠と引き換えに朝、鳥の声で目覚めるというボーナスチャンスを逃してしまうので非常に悩ましく、なかなか深刻な問題なのです……。「大事なのはマナー」キャンプでお隣のテントから、心配りを教えてもらった話

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他にも、隣のキャンプサイトとの境界がひもで区切られているキャンプ場でのこと。自分たちの敷地に入るときに当たり前のように何度もこちらの敷地の中を通って行く人もいました。こういう人は、家でも「こっちの方が近道だから」と、お隣さんの家の敷地を無断で横切ったりしてしまうタイプなのでしょうか。

いやいや、ここはキャンプ場。こんなことでチクチク思う私の心が狭いのか?なんて考えてしまい、せっかく楽しみに来ているのにモヤモヤすることも。

同じキャンプ場をお借りしているもの同士、結局はお互いの心配りですよね、という話なのですが、先日、これは見習いたい!と思うすてきなお隣さんに出会ったのでその話を少しさせてください。

ある日、私たち夫婦がキャンプ場で受け付けを済ませて自分たちのサイトに行くと、すでにそこにはテントが張ってありました。何度も地図と番号を確認しても、やはりそこは私たちが予約した場所で、他よりも広い分、少しだけ金額も高いサイトでした。確認をと思い声をかけてみると、テントの中には50代くらいの男性がお一人。一緒に確認してみると、その方の本来の予約場所はお隣でした。

先方は、すぐに撤収して場所を移動すると申し出てくれましたが、すでにテントや薪ストーブまできれいに設営されており、ここから動かすのはあまりに大変だということで、キャンプ場にも話をして場所を交換することに。

しかし、私たちが通常の宿泊に加え翌日のデイキャンプを予約していたこともあり(ホテルでいうレイトチェックアウト)、場所の交換が少しややこしく、手続きが完了する頃にはだいぶいい時間に。

そして先方のテントがたまたま私たちがその日に初張りするものと同じテントと薪ストーブだったため、わからないことがあったら教えてもらう約束をしつつ解散しました。

そうして私たちは日が暮れる前にと、いそいそと設営開始。

新しいテントといえど、キャンプ自体は何度もしているので、なんとなくわかるだろうとやっていましたが、意外に複雑。

と、そのとき、お隣のサイトに目をやるとさっきまでテントの中にいたお隣さんが外にでてきてこちらを見ているではないか! これはチャンスということで、早速設営方法を教えていただくことに。

「大事なのはマナー」キャンプでお隣のテントから、心配りを教えてもらった話

と、言いつつも敷地の境界線から入ってこようとしないお隣さん。なんでそんなに遠いところから……?と思っていたところ、「あの……お邪魔してもいいでしょうか」と。そして、敷地に入るときに「失礼します」と一言。なるほど、そういうことか。いくら相手から教えてほしいと言われたとしても、勝手に敷地には入ってはいけないという心遣いだったのか。

さらに後々気がついたのですが、私たちが設営中に気を使わないようにできるだけご自身のテントの中にいつつも、時折話しかけやすいように頃合いを見て外にでてきてくれていたようです。

なんという、心配り……! まさに、“模範お隣さん”。すごすぎる。これからもずっと私たちのお隣さんでいてください!

すてきなお隣さんのおかげであっというまに複雑なテントも設営完了。そして、せっかくだからということで、薪ストーブについてもあれこれ教えてもらえることに。ありがたや、ありがたや。

その際も、ずかずかとテント内に入らず、入る前にきちんと許可をとり、失礼しますと言いながら入るお隣さん。知識も豊富、だけどひけらかすようなことはせずに、こちらの聞きたいことに対しわかりやすく簡潔に説明してくれました。

その後も、テント内を見せてもらい(雑誌にでてくるようなおしゃれなサイトだった)、軽くお話しをしましたが、一度も「ぐいぐいくるな」ということもなく、常にちょうどよい距離感。本音を言うと、私たちはもっとお話ししたかったのですが、お隣さんもソロを楽しみたいだろうと思い自粛することに。設営が終わる頃には、それぞれキャンプに没頭しました。

キャンプでお隣さんに対してモヤモヤしたことがない方にとっては、「え……? 当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、ここまでの心配りは私たちにとってはとても衝撃的で、心地よい距離感に感じました。それに、これまでお隣さんに話しかけられるのは苦手でしたが、同じ趣味同士こうして友達になれるのはすごくいいなぁなんて、初めて思えました。

お名前もSNSのアカウントも聞きそびれてしまったので、もう会えないかもしれませんが、自分でも改めて周りへの心配りを意識しようと思える出会いでした。キャンプ場をお借りしている以上、これからも周りにも配慮して楽しみたいですね。皆さんが心がけている、キャンプ時の周りへの心遣いもよければ教えてください。

【動画】キャンプ場から見える夕暮れの富士山をタイムラプス撮影

(文/写真/動画・山城さくら)

PROFILE

山城さくら

地方で事務員として働いていたが、もっと好きなことに時間を使いたいと思い28歳で思い切って脱サラ。現在はフリーランスとして本業を決めず様々なジャンルにチャレンジしている。念願だった「憧れシティ東京」での暮らしをスタートさせつつ、週1のキャンプで都会暮らしと大自然を満喫中。

安全圏でひとりを楽しむ “ふたりソロキャンプ”のすゝめ

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