或る旅と写真

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

フォトグラファーの高橋伸哉さんが、「或る旅」の記憶をつづるフォトダイアリーです。

   ◇◆◇

アメリカ西海岸の旅(前編)からの続きです。

米カリフォルニア州・サンタモニカを楽しんだ後に向かったのはサンフランシスコ。ロサンゼルスとはまた違うアメリカの雰囲気を堪能しようと、北西へと車を走らせた。サンフランシスコは雨が少なく、天気が良くて夕焼けがきれいな場所。写真を撮る自分にはうれしい限りだ。ヒッピー文化発祥の地といわれる「ヘイト&アシュベリー」や古着屋など、どこに行っても楽しめそうな場所が多い。

ヘイト&アシュベリーで

ヘイト&アシュベリーで

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

一緒に旅をしていた娘は古着屋を見るのが楽しみで、自由に歩きまわりたいようだった。しかし、治安が良いとはいえない場所もあり、旅に出掛ける前には妻に「娘から目を離さないでよ」とキツく言われていた。普段は放任主義な私だが、知らない土地で娘を一人歩きさせるわけにはいかず、娘が行く古着屋に付いてまわる途中でスナップ写真を撮って楽しんでいた。その頃には都会での運転にも慣れ、坂道が多いサンフランシスコの郊外、海が近いところで車を止めては写真を撮ったりしながら自由気ままな旅を楽しんだ。

サンフランシスコ郊外で。坂の上から海が見えた

サンフランシスコ郊外で。坂の上から海が見えた

夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジ

夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジ

サンフランシスコでは、必ず撮影したいと思っていた場所があった。それはゴールデンゲート・ブリッジという有名な橋で、よく映画にも出てくる場所だ。夕暮れの瞬間を撮りたくて、早めに駐車場を確保して待機した。そして自分なりのアングルを考えながら、数時間をその場所で過ごした。娘は慣れたもので、私が夢中になると時間を忘れてしまうことを分かっている。その間、彼女は車の中で音楽を聴いて過ごしたり、その日に泊まるホテルを予約したりと、しっかり自分の役割を果たしてくれた。この旅はロサンゼルスからサンフランシスコの往復1200km超のロードトリップ。泊まるホテルは決めずに気ままにその日に泊まりたいホテルを探して泊まるというラフなスタイルだ。旅慣れしているようで親子そろって英語が喋(しゃべ)れないのに、この旅は成立するのかな? なんて不安があったものの、日常会話は娘が話し、結局は彼女に頼りながらの旅だった(笑)。

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

サンフランシコの郊外には5日間ほど滞在。同じモーテルに2泊連続で泊まり、観光地に行くでもなくまったりと過ごした。娘が行きたいというベーグル店の朝食を買いに二人で出掛けたり、スーパーで買い物をしたり、夜は外食したりと普通に過ごした。ロサンゼルスに到着した時はワクワクより不安が多かった二人も、その土地に慣れてきている感じが心地よく、「旅は人を成長させるなぁ」なんて思ったりした。

普通のスーパーマーケットだが、色鮮やかに感じた

普通のスーパーマーケットだが、色鮮やかに感じた

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

以前、カリフォルニア州より北のオレゴン州を旅した時は、会う人が皆優しくて、困った時にはすれ違う人が心配して声をかけてくれるような文化に感動したのを覚えている。このサンフランシスコも郊外に行けば行くほどのんびりと時が流れて人も優しく感じた。逆にロサンゼルスは歩いているだけでちょっと怖い場所がたくさんあって、いつもより気を張っていないと危ないという緊張感があったりして。どこの国も都会と郊外では雰囲気が変わるものだなぁということを実感した。

サンフランシスコ郊外。ゴールデンゲート・ブリッジの近くで

サンフランシスコ郊外。ゴールデンゲート・ブリッジの近くで

サンフランシスコで夕暮れのゴールデンゲート・ブリッジを撮る アメリカ西海岸の旅(後編)

サンフランシスコでは街の中心地にも行って美術館を見学したり、観光地にも少し足を伸ばしたりして楽しく過ごした。そして、またロサンゼルスまで車で帰る。途中で1泊することは決めていたので、帰りはのんびりと人気のコース、カリフォルニア州の美しい海岸線を走り抜けることに決めた。世界でも指折りの絶景ロードであり、山々、広大なビーチ、どこまでも広い青空、ファイファー・ビッグサー州立公園の絶景など、こういう場所を親子でロードトリップできるのは本当に楽しいと思うので、皆さんもぜひ行ってみてほしい。

ファイファー・ビッグサー州立公園の海岸で

ファイファー・ビッグサー州立公園の海岸で

目の前に広がる絶景

目の前に広がる絶景

そんなわけで、楽しい旅はあっという間に終了。アメリカはこれでシカゴ、オレゴン、ロサンゼルス、サンフランシスコなどを旅した。しかし、アメリカはまだまだ広いので、また楽しく旅ができる日が来ることを願いながら、過去の旅写真を見ては物思いに耽(ふけ)っている。

海岸線を走るカリフォルニア州道1号線の途中で

海岸線を走るカリフォルニア州道1号線の途中で

スマホで撮る写真も良いけれど、大きくプリントして飾る写真もまた良いもの。そのためには、しっかりとしたカメラが必要だ。コロナが収束し、旅が再開できるようになったら、皆さんもぜひ写真やカメラに興味を持って、さらに旅を楽しんでいただければ幸いである。

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新型コロナウイルスの感染拡大は、いまだ収束とはいえない状況にあります。お出掛けは無理せず、体調管理や十分な感染防止対策を行っていただければと思います。一日も早い沈静化を願っています。(&M編集部)

PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972

ロサンゼルス―サンフランシスコを車で往復 アメリカ西海岸の旅(前編)

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