口福のカレー

彩り鮮やかでヘルシーな野菜たっぷりプレート「ポンガラカレー」(東京・赤坂)

ここ数年、大阪発のスパイスカレー店が続々と東京に進出しているが、今回紹介する「ポンガラカレー」も3年前に赤坂と大手町にほぼ同時に進出。1号店は都心の一等地、赤坂アークヒルズの3階にあり、ランチタイムともなれば、近くで働くビジネスマンがひっきりなしに訪れる。

メニューの中心は、スリランカカレーをルーツとするスパイスカレーだ。初訪問だったのでカレー5種と副菜3種が楽しめる「ポンガラプレート(税込み1280円)」と、カレー2種に5種類の野菜の副菜が付く「スリランカプレート(税込み1100円)」をセレクトした。こちらの店は、大阪スパイスカレーの仕掛け人のひとり黒田健氏がプロデュースしている。もともと心斎橋の「アノニマス」というバーの店主で、そこで出していたスリランカ料理が評判になってカレー店をオープンすることになったそうだ。

きれいな赤紫色でほんのり甘いビーツカレー

きれいな赤紫色でほんのり甘いビーツカレー

食欲をそそる美しい彩りのプレートが運ばれてきた。見た目の美しさも、カレーをおいしくする要素の一つだと考えて、色合いや盛り付けも大切にしている。どちらのプレートも、もはや副菜とはいえないほどしっかりとした分量の副菜が添えられていて、野菜がたっぷりと食べられる。ポンガラプレートの5種のカレーはカトリに入れられ、その中の一つが筆者の大好きなラッサム。酸味と旨(うま)みとが混ざり合うなじみの味だが、やや酸味がしっかりめで絶妙な塩梅(あんばい)だ。刻まれたパクチーもいい役割を果たしている。

カレーも副菜も、境目なくワンプレートに盛られた「スリランカプレート」

カレーも副菜も、境目なくワンプレートに盛られた「スリランカプレート」

それとは対照的に、レンズ豆を柔らかく煮込んだ豆カレーは、とろとろのおかゆのような優しい味わいだ。ビーツをココナツミルクで煮たビーツカレーは、汁気は全くなく、野菜のあえ物に似た食感だが、噛(か)みしめるとにじみ出る甘味が後を引く。砂糖などは全く加えず、ビーツの甘味だけだそうだ。

黒田さんいわく、スパイスは食べる漢方薬といわれていて、腹痛を治す効果のあるもの、肝機能を高めるもの、ダイエットやアンチエイジングの効果があるものなど、味わいだけでなく体にも優しい。特に油と塩分を控えめにすることで、さらにヘルシーなカレーに仕上がっている。スリランカは平均寿命が75歳を超える長寿国だそうで、「スパイスと野菜が中心の食生活が関係しているのでは」と話す。

「スリランカプレート」のカレー1種類はスリランカチキンを選択

「スリランカプレート」のカレー1種類はスリランカチキンを選択

カレーを頻繁に食べていると、どうしても野菜不足になりがちだが、ポンガラカレーではたっぷりの野菜が食べられるので罪悪感も少ない。最後は残ったカレーを混ぜ合わせて、サラサラのバスマティライスにしみ込ませて食べる。辛くて甘くて、酸味があって、コクもある。おいしくて体にもいいポンガラカレーは、ビジネスマンの健康にも一役買いそうだ。

オフィスビルの3階にあって、ランチタイムにはひっきりなしに客が訪れる

オフィスビルの3階にあって、ランチタイムにはひっきりなしに客が訪れる

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ポンガラカレー 赤坂アークヒルズ店
東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル3F
03-5797-7669
https://www.pongalacurry.com/

PROFILE

熊野由佳

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

長年夫婦で営む、しびれる辛さのインドカレー店「カーナ・ピーナ」(東京・祐天寺)

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