キャンピングカーで行こう!

「カッコイイ」デザインを職人技で実現したトレーラー 「X-cabin」

今回もジャパンキャンピングカーショーで目に付いた新型車の紹介です。久しぶりに登場した国産キャンピングトレーラーを取り上げてみましょう。

広いショー会場の中でも特に目を引いた銀色のボディー。形もユニークですが、誕生のプロセスもユニークだったエフェクトメイジの「X-cabin」です。

自分の欲しいものは「作ればいい」

そもそもエフェクトメイジは、キャンピングカービルダーではありません。

LED照明機器等の企画・製造や販売などを手掛ける会社で、キャンピングトレーラーとは無縁でした。

それがなぜ、キャンピングカーを作り、ショーに出すまでになったのか。それは同社顧問、高須徹さんの思いつきから始まりました。

プライベートでキャンピングトレーラーが欲しくなった高須さん。あれこれ探してみたものの、現在主流であるFRP製のトレーラーのデザインが好きになれず、唯一気に入ったのがエアストリーム社の製品でした。

しかし、エアストリームはどれも大きく、けん引免許の必要なモデルばかりです。

ここで普通なら、けん引免許を取りに自動車教習所へ……となるところですが、そこは日頃から「ものづくり」をしている高須さんです。「気に入ったデザインがないなら作ろう」と思い立った、というわけです。

「カッコイイ」デザインが最優先!

まず目につくボディーは、アルミ板をリベット接合していく工法で作られています。手間のかかる方式ですが、すべてはスタイルのため。

「カッコイイ」デザインを職人技で実現したトレーラー 「X-cabin」

スクエアなフォルム、銀色に輝くアルミボディー。どこにもない独自のスタイルがX-cabin最大の持ち味だ(画像提供:エフェクトメイジ)

屋根の四隅は3次元曲面のパーツで接合されていますが、これもアルミ製で「ヘラ絞り」という技術で作られています。フェンダーもアルミの「ヘラ絞り」です。

さらにリベットも、簡単に作業できるブラインドリベットは必要最小限にし、ソリッド・シャンク・リベットを多用するなど、細部にまでこだわりを発揮しました。

いずれも、職人技を駆使しており、コストも手間もかかる方式ですが「自分たちが欲しいと思える『カッコイイ』トレーラーを作りたかったんです。スタイル優先のためには手間もいとわずです」と、同社X-cabin事業部の山中両二氏は言います。

「カッコイイ」デザインを職人技で実現したトレーラー 「X-cabin」

国産なのに右エントランスというのが、ちょっと不思議。キッチンユニットを持ち出すキャンプスタイルが似合う(画像提供:エフェクトメイジ)

サイズは全長4520mm×全幅2110mm×全高2160mm。けん引免許が不要なサイズとしては、全高がやや低めですが、全長全幅は標準的です。

全高を高くすれば、その分、居住空間は拡がりますが、居住性と「カッコイイ」デザインのバランスを追求した結果、この数字に落ち着いたとのことです。

ただ、それだけこだわっただけの効果はありました。どんなヘッド車ともマッチするスタイリッシュな仕上がりになっています。

シャシーはドイツAL-KO社製を採用。「安全性に直結しますから、世界中で使われている信頼性の高いものを採用しました」(山中氏)。

ヨットの船室をモチーフに

ヨットの船室をイメージしたという室内は、全高をおさえているため「広々としている」とは言えません。しかし、ウッドを基調に一部には無垢材も使用した、落ち着いた雰囲気は魅力的です。調光機能のついたLEDの間接照明は、さすが「本職」といえるでしょう。

「カッコイイ」デザインを職人技で実現したトレーラー 「X-cabin」

柔らかな間接照明と相まって、コンパクトさがかえって心地よい室内空間(画像提供:エフェクトメイジ)

レイアウトは、収納を兼ねたボックスユニットを好きなように組み合わせて、ソファやベッドを作り出すフリーレイアウト方式です。各ボックスはネジで固定されますから、車検も問題ありません。

トイレやマルチルームはなく、完全にワンルームタイプです。キッチンはリアに設定。ユニット式のシンクを載せています。大きなバックドアがあるので、室内外のどちら側からもキッチンにアクセス可能です。

簡単に取り外して「アウトドアキッチン」として使えるのも、ユニークなところです。

「カッコイイ」デザインを職人技で実現したトレーラー 「X-cabin」

バリエーションには、こんな物販ブーススタイルのモデルもある。キャンピングトレーラー以外にも用途が広がりそうだ(画像提供:エフェクトメイジ)

さらに室内にも細かなこだわりがあります。展示車にはオプションのエアコンが付いていましたが、室内機は木製ルーバーで隠されていたり、照明のスイッチなどもスタイリッシュなものが使われていたり。隅々までデザインへのこだわりが貫かれていて、趣味の車として好感が持てます。

こだわり抜いた結果、価格は470万(税込)。決して安くはありません。でも、あちこちに垣間見える「ものづくり精神」に共感できる方には、ぜひ見ていただきたいトレーラーです。小粋な大人の遊びの拠点として、人気が出そうな一台です。

 

PROFILE

渡部竜生

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。

・YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設!
https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

ゆったりと快適な「ふたり旅」を 新モデル「HOROU」の魅力

一覧へ戻る

キャンプやスポーツでアクティブに使いこなすのが似合う1台 「ウィネベーゴ ソリス59P」

RECOMMENDおすすめの記事