中村江里子 パリからあなたへ

フランスの幼稚園・小学校の課外授業で素敵な体験

  • 文&写真 中村江里子
  • 2017年1月24日
  • ギュスターヴ・モロー美術館。日本人の観光客が多いようで、日本語の説明がいたるところにありました

  • 先生と一緒に絵を見ながらデッサンです。「この体勢の方が、絵がよく見えますよ」と美術館の方。みんな真剣です

  • 絵が描かれた背景や登場人物について。説明が上手で楽しく引き込まれ、みんな夢中で話を聞いています。このように説明をしてくださったら、もっと絵に興味がもてると思います

  • クリュニー中世美術館です。長時間バスに乗っていたので、入館する前におやつタイム。「ユニコーンと貴婦人」のタピストリーの前には中学生のグループもいました

  • お天気のいい日だったので歩いてアンヴァリッドに向かいました。小学5年生ですが、おしゃべりに夢中で列から遅れる女の子たち、大はしゃぎで道に飛び出しそうな勢いの男の子たち。疲れました……

  • 軍事博物館の中での説明です。先ほどまでのはしゃぎ方とは打って変わって真剣な表情で話を聞きます

  • 幼稚園でバトー・ムッシュ(セーヌ川沿いの街並みを楽しむための観光遊覧船)に乗りました。パリに住んでいてもなかなか乗ることのない遊覧船ですが、セーヌ川からパリの景色を眺めながらアナウンスを聞き、幼稚園で習ったパリの街の名所を確認していました

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 先日、息子のクラス(日本の小学4年生)の課外授業の付き添いに行ってきました。行き先はギュスターヴ・モロー美術館でした。27人の児童に先生と保護者が2人。にぎやかに通りを歩き、メトロに乗って着きました。ご存じの方も多いと思いますが、ギュスターヴ・モローが1852年から暮らした邸宅に、モローの作品が詰まっている美術館です。モローはエコール・デ・ボザール(官立美術学校)の教授だったこともあり、教え子にはマティスやルオーがいます。

 さて、美術館の方の話を聞き、質問したり、絵の前で実際にデッサンをしてみたり……。ルーヴル美術館やオルセー美術館、オランジュリー美術館などパリの美術館を訪れた方は、このように子どもたちが名画を見ながら写生している姿を見かけたことがあるかと思います。学校によって違いはあるかもしれませんが、子どもたちが通う学校では年に1、2回、美術館や博物館を訪れる機会があります。全学年で一日がかりなどというものではなくクラス単位で、授業で学んでいる歴史に関わりのある場所に出掛けたり、ちょっと学校から抜け出してというような雰囲気です。移動を含めて3時間くらいでしょうか。

 数年前、長女が日本の小学5年生にあたる年には、第二次世界大戦を勉強していて、アンヴァリッドに出掛けました。1676年にルイ14世によって建てられたこの廃兵院(旧軍病院)は、ナポレオンが眠るドーム教会や、古代から第二次世界大戦までの武器・軍備品などが展示されている軍事博物館もあります。その博物館で、第二次世界大戦の話を聞き、映像を見て、様々な軍備品を目にし、付き添いの私が目を潤ませている様子に子どもたちが驚いていました。

 幼稚園でも美術館に行きます。世界一の美しさといわれる「ユニコーンと貴婦人」のタペストリーを見に、クリュニー中世美術館に付き添いで行ったことがあります。チュイルリー公園内の彫像も見学しました。教科書や映像の中だけでなく、実際に足を運んで本物を見て感じることの素晴らしさを実感しています。

 学校などの課外授業の他に、美術館でお誕生日のパーティーをすることもできるのです。みんなで館内を見学して絵を描いたり、遊び感覚で美しいものに触れ、発想し、楽しい時間を過ごします。フランス人の友人たちと話をしていると、絵画や音楽に詳しい人が多く驚きます。それは日常の会話の中で普通に出てくるテーマで、特別なものではないのです。素晴らしい環境に感謝し、私も付き添いをしながら、子どもたちと一緒に素敵な体験をさせてもらっています。

 次回は2月7日の配信を予定しています。

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