モーターサイクル・リポート

文化服装学院の学生たちがつくるバイクウェア

  • 河野正士
  • 2017年2月10日

講師を務めた「ロアーズ・オリジナル」の高橋生児氏(左から四人目)と、特別講義を受講しモーターサイクルウェアをつくり上げた文化服装学院の学生たち

  • テーマ「ライダー・スーツ・デニム」シャー・ナディアザホールさん作品。デニムの上下セットアイテム。肩、ひじ、胸部に専用プロテクターを内蔵するほか、ストレッチ素材やリフレクターを採用した本格派を目指した

  • テーマ「アーバン」山下カレンさんの作品。ひじや膝(ひざ)といった関節部分に伸縮素材を採用し蛇腹のデザイン。着心地の良さと機能性を重視して製作した

  • テーマ「A/B」山田有花さんの作品。フライトジャケットをベースに、1930年代のアメリカの郵便配達員が着ていたコートのディテールを取り入れた

  • テーマ「コンプレクション」長谷川拡希さんの作品。ライダースベストと、襟(えり)のないライダースを重ね着することで、二着で一着に見えるデザインを採用した

  • テーマ「アイアム・ガール」平尾真里子さんの作品。古着のデニムを解体し、そのディテールを使用することで女性でも着られるデザインに。赤いストレッチパネルがアクセント

  • 「ロアーズ・オリジナル」の高橋生児氏。素材やディテールなどのアドバイスを行いながらも、最終的なデザインは学生たちに任せた。その結果、学生らしい若さあふれる作品に仕上がったという

  • 最後は高橋氏や学生たちとともに、サポートしたヤマハ発動機販売の伊藤氏や、文化服装学院の先生たちも含めて記念撮影

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 これまで二輪車メーカーは、若年層バイク市場を活性化するために、さまざまな施策を展開してきた。そのなかでも、昨年にヤマハ発動機販売がサポートした取り組みはじつに興味深いものだった。それは日本を拠点として活動しながらも、欧州のバイクシーンでも人気のアパレルブランド「ROARS ORIGINAL(ロアーズ・オリジナル)」の高橋生児氏が、母校である文化服装学院で開催していた特別講義をサポートするというもの。その内容は、ファッション工科専門課程ファッション高度専門士科4年生から希望者を募り、「モーターサイクルウェアをつくろう!」と題した講義の中で、ファッションというビジネスはもちろん、専門性の高いライディングウェアをどのように考え、デザインし、生産するかを学ぶものだ。

 この特別授業を受けたのは5人。それまでファッションの第一線で活躍するための技術や思想を学んできた学生たちだ。しかしライディングウェアには、ライダーを彩ると同時に、ライダーのパフォーマンスを高めるためのスポーツ性や、プロテクターとしての安全性も要求される。それまでとはまったく違う技術や思想を必要とするのである。

 それらを学ぶため、各自が製作したデッサンを元に試作品をつくり、それを着た学生本人やモデルとして参加した人たちがミニサーキットで実際にバイクに乗り、試作品を確認。ライディングポジションをとり走行風を受けること、またその状態からバイクを操作するために身体を動かすことで、ライディングウェアに必要なディテールを確認し、そのフィードバックも行われた。

 そうして完成したウェアが、この日、文化服装学院内にて報道機関向けに発表されたというわけだ。

 講師を務めた「ロアーズ・オリジナル」の高橋生児氏は、前職では二輪車ディーラーでメカニックをしていたことがあるほどのバイクのスペシャリスト。「ロアーズ・オリジナル」ではファッションに軸足を置きながらも、バイクに乗るために必要なディテールをデザインしたオリジナルウェアやヘルメットを展開している。“モダンとクラシックがミックスしたじつに東京らしいスタイル”と欧州でも人気が高い。

 「初期の段階では学生たちがウェアをつくるという話はありませんでした。しかし学生たちはもちろん、文化服装学院の先生たちの尽力もあり、ここまで進めることができました。モーターサイクルウェアは、バイク乗りにしか分からないディテールがあり、それをファッションに取り入れることで、洋服としてとても面白い存在になります。そのことを学生たちとともに再確認し、若いチカラによって、新しいモーターサイクルウェアをつくり上げられたことは非常に良かったですね」と高橋氏は言う。

 この企画をサポートしたヤマハ発動機販売の伊藤隆氏は、今後も新しいバイクファン醸造のために、さまざまな取り組みを続けていくという。

 「バイクに興味を持つきっかけは様々です。バイクそのものが格好いいと感じるのはもちろん、バイクに乗るライダーのファッションが格好いい、というきっかけも少なくありません。今回、ロアーズ・オリジナルの高橋様と文化服装学院様の取り組みは、そういった観点からもじつに興味深いと感じています。もちろんこういったアプローチは、二輪車メーカー単体では実現できません。ニューモデル開発はもちろんですが、こういった、バイクを取り巻く様々な要素からもバイク市場を盛り上げていきたいと考えています」

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PROFILE

河野正士(こうの・ただし)ライター

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二輪専門誌の編集部員を経てフリーランスのライター&エディターに。現在は雑誌やWEBメディアで活動するほか、二輪および二輪関連メーカーのプロモーションサポートなども行っている。ロードレースからオフロード、ニューモデルからクラシック、カスタムバイクまで好きなモノが多すぎて的が絞れないのが悩みのタネ

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