1杯1200円超えのネルドリップも登場! いま、「お家コーヒー」が楽しい!?

  • 2017年12月15日

  

 2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた「サードウェーブコーヒー」なる言葉。同年、アメリカ・カリフォルニア生まれの「ブルーボトルコーヒー」が東京の清澄白河に初上陸した際、耳にしたという方も多いかもしれません。

 サードウェーブコーヒーは、「優良なコーヒー豆を使って、一杯一杯丁寧に淹れる」という意味のトレンドですが、ノミネートされたのは2年前。もう随分と身近な言葉となりましたね。とはいえ、ファーストウェーブとセカンドウェーブってなんだっけ? あらためて、“サードウェーブ”に至るまでを振り返ってみましょう。

 19世紀後半、大量生産によって浅煎り中心のコーヒーが家庭や職場に普及したのが「ファーストウェーブ」。その後、1970年前後、深煎りの豆をエスプレッソマシンで抽出したコーヒーにミルクを加えたラテなどを提供する、スターバックスに代表されるシアトル系が流行したのが「セカンドウェーブ」。そして1990年代後半以降、舌の肥えた消費者に向けて、豆の生産地やその個性にまでこだわり始める動きが生まれ、昨今のサードウェーブへと至ります。

 では、サードウェーブの次は、一体どんなトレンドがやって来るのか、気になっているコーヒー好きの皆さん。そう焦らずに、ご自宅でのコーヒーライフを充実させてみてはいかがでしょうか?

 なんでも、日本スペシャルティコーヒー協会が2014年に行った市場調査によると、「コーヒー消費者行動の変化」として、「家庭で飲む家飲みが増えている」という回答が最も多く集まったそう。同協会は、コーヒー専門商社や焙煎工場などが加盟している団体ですが、コーヒー業界内の“お家コーヒー”への関心度は高まっているようです。

 軽井沢で愛されて26年以上になる「丸山珈琲」は、2017年に初めてのシングルオリジンコーヒー専門店「表参道 Single Origin Store」をオープンさせました。シングルオリジンコーヒーとは、農園や生産者、品種や生産処理方法などが単一で、ブレンドされていない一銘柄のコーヒーのこと。

 同社代表である丸山健太郎氏が、独自に買い付けた約30種類のシングルオリジンコーヒー豆を店舗1階で販売しています。同社広報担当者は、「代表の丸山は、年間150日以上(コーヒー豆の)生産地を訪問しています。その集大成である表参道Single Origin Storeは、“生産者とお客様をつなぐ架け橋”という位置づけになります。ワインのように、生産者・農園ごとに違うそれぞれの味わいを楽しんでもらいたい」とコメント。コーヒー店が多く集まる表参道において、プロが自宅で飲むための豆を同店で購入する姿も見受けられるようです。

「表参道 Single Origin Store」の店内。生産者の顔と並べて、シングルオリジンコーヒーが販売されている

 また、「ABC Coffee Club」では、毎月厳選した異なるスペシャルティコーヒー豆を3種類、自宅に毎月届けるサービスを提供しています。焙煎してから一週間以内に送付という新鮮さへのこだわりをはじめ、コーヒー豆の包装と出荷については独自の取り組みも。提携している社会就労センター協議会のプログラム支援として、障害がある方々が包装・出荷を担当しているのです。

「美味しいコーヒーを飲むことで社会貢献をする」というあり方は、大規模チェーンよりはローカルでエシカルなコーヒー店を選ぶといったアメリカにおけるサードウェーブの精神とも重なる部分があります。

 品質も精神性も、サードウェーブなコーヒーが自宅で楽しめるようになった時代。1996年からECサイトを開始している、コーヒー通販の大手にして老舗のブルックスは今年、“究極のドリップバッグコーヒー”と銘打って、「コーヒーマニア プレミアム」を発表しました。

 稀少な最高級のコーヒー豆15gの挽き豆(1杯あたり)でお値段は、なんと1,296円(税込)。特許出願中だという業界初のネルドリップ(コットン100%)による抽出や、同社オリジナルの直火で時間をかけてじっくり芯から焙煎してコーヒー豆の個性を極限まで引き出す製法など、それらのコストからするとこの価格は決して高過ぎないものだといいます。

「コーヒーマニア プレミアム」のパッケージ。麻袋ポーチが印象的

 喫茶店やサードウェーブの流れで、本格的なコーヒーを愛している人々をターゲットにしたという同商品について、同社広報担当は次のように語ります。

「“サードプレイス(編集部註:自宅でも職場でもない第3の場所)”で高品質なコーヒーを飲むことができる環境が整ってきましたが、本当は自宅でも最高のコーヒーが飲めると嬉しいですよね。家族や好きな人がいて、落ち着ける空間である自宅で、美味しいコーヒーを簡単に淹れることができることは価値であると考えます」

 ちなみに、パナソニックも今年、IoT(モノのインターネット)を活用し、自宅で本格焙煎を楽しめるコーヒーサービス事業「The Roast」を発表。スマートフォンに連動させ、コーヒー豆の特徴に合わせた温度・風量で本格焙煎ができる家庭用焙煎機「スマートコーヒー焙煎機」と、厳選した生豆の定期頒布(年間12回)、豆にあわせた焙煎プロファイルをセットにして提供するとのことです。

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 サードウェーブの流れも汲みつつ洗練化している、昨今のお家コーヒー事情。今後はITの力も借りて更なる進化もありそう。フォースウェーブはもしかしたら、“お家コーヒー”が台風の目となるかもしれません。

(文・ライター 皆本類)

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