小川フミオのモーターカー

新エンジンでパワーアップ「Sクラス」クーペ&カブリオレ

  • 文 小川フミオ
  • 2018年1月5日

パワフルなメルセデスAMG 「S63 4MATIC+カブリオレ」は新開発の3982ccV8を搭載し450kW (612ps)と900Nmを発生する(写真提供=Daimler)

 “世界でもっとも優雅で魅力的なクルマは?” 筆頭にあがるのが、メルセデス・ベンツSクラスのクーペとカブリオレだと思う。新しいエンジン搭載の最新型に乗ってその意を強くした。

 そもそもメルセデス・ベンツが大きなクーペやカブリオレを作り出したのは戦前だから歴史は長い。今回のモデルのルーツをたどっていくと1960年代初頭に登場した「300SEクーペ」および「カブリオレ」にたどりつく。

 日本だとトヨタ自動車が2気筒の「パブリカ」を発表したころである。メルセデス・ベンツは3リッター6気筒をのびやかなエレガントな車体に搭載し、ぶ厚い革シートのぜいたくな内装を持つクーペやカブリオレを作っていたのだ。

 最新のメルセデス・ベンツはCクラスでもEクラスでもクーペやカブリオレを設定している。頂点はこのSクラスのクーペとカブリオレである。余裕あるボディーサイズと、12気筒エンジンモデルを含むラインアップは、これだけだ。

 試乗会が行われたのは米ロサンゼルス。ハリウッドなど富裕層が多く、メルセデス・ベンツのカブリオレのように豪華なクルマの販売を支えてきた地である。

 試乗したのは、メルセデス・ベンツ「S560 4MATICクーペ」と「S560カブリオレ」(後輪駆動)、それにメルセデスAMG「S63 4MATIC+」。

 ともに4リッターV型8気筒エンジンを搭載している。S560が345kWの最高出力と700Nmの最大トルクであるのに対して、S63は450kWと900Nmだ。

メルセデスAMG 「S63 4MATIC+クーペ」の4リッターV8は従来の5.5リッターV8より燃費が向上しつつパワーが20kW(27ps)上がっている(写真提供=Daimler)

 パシフィックコーストハイウェーを流したり、マルホランドドライブなど有名な山岳路も走ったりした。はたして、きらびやかな都会以外でも、これら高級クーペが十分に楽しめることがよくわかった。

 印象としては、S560は後輪駆動でも総輪駆動でも車体のロールは大きめで、ゆったりと気持ちよく乗れるところが美点。対するS63は、ワインディングロードをすばやく駆け抜けるスポーティーさに感銘を受けた。

「S560」の全長は5032ミリ、ホイールベースは2945ミリと余裕あるサイズだ(写真提供=Daimler)

 カブリオレはフルオープンにしたスタイルが美しい。ウィンドシールドが前席乗員の頭の上まであり、風の巻き込みは少ない。乗員を温めてくれる工夫もいろいろあるので真冬でもオープン状態で使える。これは魅力だ。

 463kWに1000Nmの6リッターV12搭載の「S65」にも乗る機会があった。この重めのエンジンを搭載しながら、操縦性はV8モデルと遜色ない。

 「スタイリングで意識したのは洗練性。対極にあるのは“やりすぎ(Overloaded)”です。それは高級ではありません」。プロダクトマネジャーのディルク・フェッツァー氏は試乗会場で、そう語ってくれた。

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 詳細な時期は未定だが、日本には2018年の導入だという。

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