キャンピングカーで行こう!

「サポカー」って? キャンピングカーの安全運転サポート機能

  • 文 渡部竜生
  • 2018年1月17日

日産・NV350キャラバンは商用車としては数少ない、安全運転サポート機能「エマージェンシーブレーキ」を装備した車両だ (画像:日産自動車)

  • トヨタ・カムロードには安全運転サポート機能は用意されていない。元になったトヨエースの2t積クラスには搭載されているので、いずれは搭載される日が来るかも?(画像:トヨタ自動車)

  • 安全運転サポート機能を搭載した車両を「サポートカー(サポカー)」と名付け、経済産業省や国土交通省などが中心となって普及啓発に努めている

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 最近、車のテレビコマーシャルを見ていると、各社ともこぞって自動ブレーキシステムなど、安全性向上のための機能をアピールしています。政府も経済産業省が中心となって「サポカー」の生産を奨励しています。

「サポカー」ってなんだ? と思われるかもしれません。衝突防止機能やペダルの踏み間違え防止機能などが搭載された、「安全運転をサポートする車」のことをこう呼ぶそうで、官民連携で安全性向上に寄与する車両の普及啓発に取り組んでいるというわけです。

キャンピングカーのベース車両は?

 速度や天候など様々な条件によって効果は左右されますが「障害物を見つけて自動でブレーキをかけてくれる」「ペダルを踏み間違えても急発進しない」など、確かに人間のケアレスミスを未然に防いでくれる機能は頼もしいものです。

 そんな安全運転サポート機能ですが、さて、キャンピングカーはどうでしょうか。旅する車と考えると長距離走ることも珍しくありませんから、ここはぜひとも欲しい機能です。が、こればかりは「後からオプションで」という訳にはいきません。ベースとなる車両に、最初からその機能が付いているかどうか、ということになります。

 キャンピングカーには様々なベース車両がありますが、カテゴリーごとにその状況を見ていきましょう。

■軽キャンピングカー

 今のところ国内のどのメーカーも、軽キャンピングカーのベースに採用されるような軽トラックや軽バンには、安全サポート機能を搭載していません。「軽乗用車」なら、搭載車種も出始めていますが、ベースにそうした乗用車タイプを採用している商品はほとんどないのが実情です。

■バンコン

 トヨタ・VOXYや日産・セレナなど、乗用車系ミニバンがベースの場合は、ほぼ安全サポート機能を搭載しています。では、貨物系バンではどうでしょうか。

・日産
 NV350キャラバンがサポート機能を標準装備。その他車種(NV200など)には搭載がありません。

・トヨタ
 先日マイナーチェンジをしたハイエース(→トヨタ「ハイエース」がマイナーチェンジ 衝突回避支援と新エンジン搭載 )は標準装備。なのですが、キャンピングカーベースとして供給される車両には非搭載。これはちょっと納得のいかない状況ですよね。ちなみに「標準装備された車両でキャンピングカーを作ってほしい」とお願いすれば、作ることは可能です。当然、元となる車両の価格が違ったり、余分なもの(後席シートなど)の処分費が必要になったりと、それだけ販売価格は高くなります。

■キャブコン

 キャブコンならトヨタ・カムロード。コンパクトキャブコンならマツダ・ボンゴが主流ですが、いずれもいまのところ安全サポート機能搭載の車両はありません。ハイエースをボディーカットしてキャブコンを作っているメーカーもありますが、事情はバンコンと同様。今後に期待したいところです。

■バスコン

 ベース車両はマイクロバスで、トヨタ・コースター(または日野・リエッセII)、日産・シビリアン、三菱・ローザの3種類。いずれも安全サポート機能は搭載していません。やはりこちらも、今後に期待したいところですね。

 このように、ほとんどのキャンピングカーにはサポート機能が搭載されていないのが現状です。その理由とは、一体何なのでしょうか。

コストとのせめぎ合い

 安全サポート機能には、各種センサーやカメラ、センサーからの情報を処理するコンピューターが不可欠です。こうした機器類は当然、コストアップにつながります。キャンピングカーのベースに採用されるのは低コスト最優先の商用車が多いですから、コスト増が嫌われるという側面があります。

 また、一般的に商用車は乗用車に比べて、車種の寿命が長い傾向にあります。サポート機能が登場してきたのはここ数年のことなので、現行モデルでも、設計当時にはこうした機能は想定されていませんでした。簡単に後付けできるものでもなく、大きな設計変更が必要になる場合もあり、ハイエースのようにモデルチェンジのタイミングまで搭載を見送らざるを得ないという事情もあります。

 軽自動車に搭載が少ないのも、同様の事情によるものです。軽自動車に取り付けても、高級セダンに取り付けても、センサーはセンサー、コンピューターはコンピューターです。実は増えるコストはあまり変わりません。そう考えると、定価700万円の車と定価200万円の車とでは原価率は大きく変わります。

 とはいえ、日産・NV350を始め、小型商用車にも安全サポート機能搭載車種が増え始めています。安全性の向上は何よりも優先されるべきテーマですから、ユーザーとしては今後に期待したいところです。

 すでに大型トラックには、

新型車……平成26年11月1日以降
継続生産車……平成29年9月1日以降

の製作車に衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化されています。今後、さらに多くの車種で義務化が進むことも考えられます。

 ハイブリッドカーや低燃費カーなど、さまざまなベクトルで進化を続けるクルマの世界。安全サポート機能もさまざまありますが、いまのところ万能というわけではありません。搭載されていようがいまいが、基本的にはドライバーの安全運転が大前提。車の機能と自分の運転を過信することなく、セーフティードライブで楽しい旅行を! せっかく「寝られる車」なんですから、しっかり休憩をとることもお忘れなく。

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