今日からランナー

試走して気づいた注意点とは? 東京マラソンの直前コース情報

  • 山口一臣
  • 2018年2月9日

提供:東京マラソン財団

 毎年2月になるとなんとなくソワソワしてくる。言わずと知れた、最終日曜日(25日)に東京マラソンがあるからだ。主催の東京マラソン財団でも2月1日から28日までの期間を「東京マラソンウィーク」と名付け、当日に向けてさまざまなイベントで大会を盛り上げ始めている。沿道のバナーもすでに完成済みだ。走れる人(当選者)も走れない人にとっても、この大会は東京、というより日本中のランナーにとっての大きな祭典なのである。

 私は今年もハズレだったが(笑)、当選した練習仲間に誘われ、前半・後半と2週に分けて新コースを試走してきた。毎年この時期になると天気のいい週末にはコース沿道のあちこちで試走者集団を見かけるはずだ。2月4日の日曜日はまさに試走日和で、たくさんのランナーが街に出ていた。地方在住や忙しくて試走ができない参加者のために、今回の試走でわかったコース情報をお届けしよう。

東京マラソンのコースマップ/提供:東京マラソン財団

 ご存じの通り、東京マラソンは2017大会から東京駅前行幸通りをフィニッシュとする新コースになった。最大の違いは旧コースにあったレース後半のアップダウンがなくなったことだ。旧コースでは35km過ぎの佃大橋を筆頭に38km過ぎの東雲橋、ゴール直前の有明の坂とレースの最終盤で難所が続いた。新コースではこれらがすべてなくなり、全体にフラットな高速コースとなったため、自己ベスト更新を狙うチャンスと期待されている。実際はどうなのか。

提供:東京マラソン財団

 旧コースで銀座から有明のフィニッシュに向かう行程の代わりに設けられたのが、浅草・雷門の折り返しから銀座へ行く途中、蔵前橋を渡って門前仲町・富岡八幡宮前までの往復約9kmの区間だ(16km地点〜25km地点)。富岡八幡宮前で折り返し、門前仲町交差点を右に曲がった先がちょうど中間点になっている。レース中盤の最大のヤマ場であり、新コースの最大のキモといってもいいところだろう。実際に走ってみてわかったのは「全体にフラット」といいながら、この部分には細かい起伏が多く、知らないで走るとけっこう脚にくるということだった。

 旧コースの佃大橋ほどの高低差はないが、小さな川や運河を渡る橋がたくさんあるのだ。ひとつ越えたと思ったらまた次の橋が現れる。数えたら、門前仲町の交差点までの間に6つもあった。Uターンして戻るから合計12の橋をクリアしなければならないのだ。レースはまだ中盤で、しかも折り返しになっているため、あらかじめ覚悟をしておかないと精神的にもかなりこたえる。

旧コースより手前でUターンする/提供:東京マラソン財団

 折り返しコースでキツイのは往路だ。先を行くランナーがどんどん戻ってくるのに、自分はこの先どこまで行かなければならないのだろうと不安になるからだ。そこで私が考えたこの区間の攻略法は「橋を楽しんでしまえ!」ということだった。蔵前橋を含めて乗り越えた橋の数をかぞえながら走るのだ。頭の中で「ひと〜つ、ふた〜つ」と。6つ目の橋を越えた先を左に曲がるとほどなく折り返しである。橋の数を数えることで、あとどれくらい走ればUターンできるか想像がつくし、新たな橋が現れても「ああ、また橋か」と思わないで済むようになる。

 いずれにせよ、中年ランナーにとっては、この区間でいかに心身にダメージを負わないようにするかがレースを左右することになりそうだ。

 逆にいうと、この区間を過ぎれば残りはフィニッシュまでほとんど平坦(へいたん)だということだ。気になるアップダウンは茅場町に1カ所あるくらいで、そこを越えたら上り坂はもうおしまいと思ってもほぼ間違いない。これは非常に気が楽だ。旧コースでは終盤の難所を意識したレースマネジメントが必要だった。佃大橋、東雲橋を考えて脚を温存するなどしておかなければならなかった。新コースでは、その気配りなしでイケるのだ。記録狙いのランナーにとって、これはかなりイイと思う。

 もうひとつ、試走でわかった重要なことがある。旧コースでは前半10km〜20kmに組み込まれていた日比谷〜品川の往復約10kmが新コースでは最終盤にやってくる。芝公園から先は景色も単調で正直、ツラかった。今回の試走でも、「早く折り返しにならないかなぁ〜」などと頭でグルグル考えながら走っていた。そしたらナント(その思いが通じたわけではないが)、想定より早くUターンポイントがやってきたのだ。実は新コースでは、旧コースの折り返しより信号ひとつ分、手前で折り返すことになるのだ。これはうれしい! とくに旧コースを走ったことのあるランナーにとってはなんだか得した気分である(もちろん42.195kmに変わりはないが 笑)。

ゴール直前の丸の内仲通りは石畳みで、混雑もするので慎重に走ろう/提供:東京マラソン財団

東京駅を背に、皇居に向かってフニッシュするのが新コースの魅力だ!/提供:東京マラソン財団

 そうして品川の手前で折り返すと、あとは東京駅のゴールまでまっしぐらだ。だんだん都心の繁華街に戻ってフィニッシュというこのコース設定もなかなかイイ! 日比谷から丸の内仲通りに入るとものすごい数の観衆が待っていてくれると思うとワクワクしてくる。レース終盤のツラさもいくらかやわらぐことだろう。試走をして改めてこの新コースの良さを実感した。

[PR]

 来年は当たるかなぁ〜。

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

写真

1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWSを設立し、代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン20回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns