キャンピングカーで行こう!

ジャパンキャンピングカーショー2018 個性が光る注目のニューモデル

  • 文 渡部竜生
  • 2018年2月21日

軽キャンピングカーからバスコン、輸入車まで様々な車種が勢ぞろいした「ジャパンキャンピングカーショー 2018」の会場

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 先週に引き続き、今週もジャパンキャンピングカーショー2018のリポートを。前回は新しいコンセプトの発表や輸入車の好調ぶりをお伝えしましたが、今週は各社が発表した新型モデルをクローズアップします。従来モデルの改良提案やスタイル変更など、各社ともアイデアを競い、価格と品質のバランスについても「なるほど」と思わせる新モデルが登場するなど、掘り下げるほど興味深いトピックスが多数見受けられたショーでした。

キャブコンにスライドドア? キャンパー鹿児島「rem REPOSE」

大きな開口部のスライドドアが目を引くキャンパー鹿児島「rem REPOSE」。開口部正面に横向きソファが見える

 バンコンビルダーとして知られるキャンパー鹿児島が、今回のショーでお披露目したのが「rem REPOSE」。トヨタ・ハイエースベースのキャブコンです。同社はこれまで、軽キャンピングカーとバンコンを作ってきた会社なので、これが初めてのキャブコンということになります。

 ボディー(シェル)は一見するとRVトラストの「ボレロ」によく似ていますが、何より大きな特徴はエントランスがスライドドアだということ。キャブコンの場合、エントランスドアは既製品(既製のキャンピングカーパーツ)の開き戸が使われていますが、「rem REPOSE」はあえて手間をかけて、オリジナルのスライドドアを製作。その結果、

・通常のドアの倍以上の大きな開口部が実現。
・隣に別の車が止まっていても安心してドアが開けられる。

 などのメリットがあります。

 大きなエントランスドアに合わせた車内のレイアウトもユニークです。通常は車の進行方向に向かって、あるいは背を向けて椅子を配置することが多いのですが、「rem REPOSE」では開口部からの風景を楽しめるように、ゆとりのあるソファがドアと並行に配置されています。

キャンパー鹿児島「rem REPOSE」の車内。開口部に向いて配された、ゆったりしたソファが特徴。ソファ前にテーブルがないので、まとまった空間が手に入る

 ゆったりとしたリビング空間にこだわりを求め、その他の点は割り切った設計。キッチンはありますがマルチルーム(トイレルームや収納など多目的に使えるスペース)はありません。設備面では同社自慢のリチウムイオン電池システムを搭載して、家庭用エアコンなど電気製品がストレスなく使えるようになっています。

 快適で洗練されたリビングルームをフィールドに持ち出すような新モデル。後発のキャブコンとして、他社にはないコンセプトを打ち出してきたといえるでしょう。

 手間のかかるスライドドア、高価なリチウムイオンを搭載していることもあって、価格は約1100万円からとやや高め。今後、レイアウトのバリエーションは増えるのか、価格はこなれてくるのか。引き続き注目してゆきたい一台です。

新型コースターベースのバスコン2種 RVビックフット「ACSオアシスSH/ACSオアシスLL」

トヨタ・コースターのショートモデルをベースにしたセミフルコン、RVビックフット「ACSオアシスSH」。ショートモデルとはいえ、車長は5995mでぎりぎり6m未満。一般的なキャブコンよりも70㎝ほど長い!

 バンコン、キャブコン、バスコンと様々な車種を製作しているのがRVビックフット社。中でもバスコンが有名な老舗ですが、そのフラッグシップといえるバスコン、「ACSオアシス」がリニューアルデビューしました。ベース車両のトヨタ・コースターは昨年1月モデルチェンジ。それに対応して各社とも新型モデルの開発を行ってきましたが、いよいよ老舗が、満を持してフラッグシップモデルのリニューアルを実現しました。

 今回同社が提案しているのは、新型コースターをベースにした「ACSオアシスSH」と「ACSオアシスLL」の2モデル。

「SH」はショートハイルーフ、「LL」はロングロールーフという意味とのことですが、その違いは単に長短というだけではありません。実は同じACSオアシスでありながら、構造そのものが違うのがユニークなところなのです。

 まず「SH」は、コースター・リエッセ2LXショートモデルのボディーをカットしたセミフルコンタイプ。運転席の後ろ、Bピラー以降をカットしてしまい、幅と天井高を増やした専用シェルを載せることで広い室内空間と高い断熱性能を実現。6mを切る短いボディーながら十分な居住スペースを確保しました。車長が短いことで取り回しもよく、運転性能と居住性を上手に両立させたモデルといえるでしょう。「ACSオアシスSH」の価格は1628万5千円から。

RVビックフット「ACSオアシスSH」はゴージャスなインテリアも特徴のひとつ。リビングは白色、リアベッドは暖色と照明色も工夫されている。さらに照明部にはアクセントとして型押し(スネーク柄)のフェイクレザーを使用

 もう一方の「ACSオアシスLL」はベース車両に同じくコースター・リエッセ2LXショートモデルを採用。カットされた「SH」に対して、「LL」ではボディーはノーマルのままです。車長は「SH」よりも30cm長くなります。オリジナルのボディーそのままではありますが、後部の窓部分だけを拡張してゆとりを持たせました。「SH」に比べると車幅は狭いですが車長はノーマルのままなので、室内の長さは大きく、空間を確保できています。また、天井高は「SH」同様かさ上げしてあるので、頭上の解放感は変わりません。

 なぜ、「SH」同様に専用シェルを採用しなかったのかといえば、あえてボディーカットをしないことで軽量化を図り、走行性能と居住性の両立を狙った結果とのこと。また価格も抑えられています。「ACSオアシスLL」の価格は1423万円からとなっています。

 両モデルとも、同社自慢のオール電化システムを搭載。家庭用エアコンをはじめ、フラッグシップにふさわしい装備が充実しています。

オフロードもOK!ヘビーデューティーな一台 

MYSミスティック「トラキャンJ-cabin HN」

トヨタ「新型ハイラックス」+MYSミスティック「J-cabin HN」。専用デザインだけあって、抜群のマッチングでスタイリッシュだ

 久しぶりの登場で大きな話題となった国産ピックアップトラック、トヨタ・ハイラックス。スタイリッシュさとタフネスを兼ね備えて、自動車不況と言われる中でも人気を集めています。

 トラキャン(トラックキャンパー)を得意とするMYSミスティック社としては、当然のように新型ハイラックスに合わせた新モデル「J-cabin HN」を登場させました。トラキャンについては以前の記事でもお伝えしましたが(トラックキャンパーって、どんなもの? )、トラックの荷台に居室を積み込むスタイル。使わないときは降ろしてトラックとして使用することが可能です。また、居室自体には車輪がついておらず、いわば居室丸ごとが「積み荷」なので車検もありません。

MYSミスティック「J-cabin HN」。キッチン・冷蔵庫などを後部にまとめた、トラックキャンパー定番のレイアウトだ

 今回の「J-cabin HN」、専用設計のシェルはハイラックスのボンネットからAピラーのラインとバンクベッド前面の角度がキッチリと合うようにデザインされていて、搭載した姿は非常にスマートです。室内のレイアウトは後部にキッチンや収納キャビネットを集め、二の字形のダイネットとバンクベッドとトラキャンの定番。バンクベッドの就寝人数は3人、室内全体では就寝定員5人の広々とした空間を確保しています。

「J-cabin HN」の価格は240万5千円から。待望の国産ピックアップトラックに合わせたトラックキャンパー。待ちわびていた人も多いのではないでしょうか。

トレーラーのベストセラーがリニューアル インディアナRV「エメロード406」

左エントランスが目を引く、インディアナRV「エメロード406」。室内長も10㎝ほど大きくなったが、依然としてけん引免許は不要だ

 車両総重量750kg以下の「けん引免許不要サイズ」のキャンピングトレーラーとして人気のインディアナRV「エメロード376」(フランス製)がこのたびフルモデルチェンジ。「エメロード406」としてデビューしました。

 まず目につくのが、エントランスが車両右側から左側になったことです。走行中、トレーラーには乗車できないので、エントランスが右側でも左側でもさほど違いはないと思われるかもしれませんが、荷物の積み下ろしなどを考えると、やはり左エントランスの方が安全で便利といえるでしょう。

 気になる室内レイアウトも大きく変更されています。フロントダイネットはこのクラスとしては初のU字形ラウンジソファを採用。従来の2列並列ソファに比べて、よりゆったりとした空間を演出。後部のサブダイネットは、横向き対面2席から縦向きに変更されました。展開時に2段ベッドになる点は変わりありません。就寝定員も変更なしで最大4人。室内長は若干ではありますが、10cm長くなりました。リビングとしての使い勝手がよりゆったりした分、前モデルと比べると、後部2段ベッドが上下段とも10cmほど短くなりました。

 目に見えないところでは、断熱材の材質が変更になり、以前から定評のあった断熱性能が20%向上しています。室内で過ごす時間をより重視したい、ゆったりくつろぎたい人には、うれしいリニューアルといえるでしょう。価格は260万円から。

注目車両の車内を【360度パノラマ写真】で=高橋敦撮影

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 いかがでしょうか。気になるモデルはありましたか? 定番商品に加え、様々なニーズに応えるユニークなモデルも登場した2018年のジャパンキャンピングカーショー。今回のショーには間に合わなかったけれど、年内には発表されるであろう様々なモデルチェンジや新型の情報も控えています。どんな新しい提案がなされるのか、今後も期待をこめて注目してゆきたいと思います。

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