小川フミオのモーターカー

今でも人気のシルキーシックスを積んだ「BMW6シリーズ」

  • 世界の名車<第203回>
  • 2018年3月12日

3430ccの直列6気筒エンジン搭載の「635CSi」(写真=BMW)

 BMWの真骨頂はスポーツクーペにあるとよく言われた。その代表例として歴史に残るのが1976年発表の初代6シリーズだ。

 今のBMWはセダンはもちろん、小型車、SUV、さらに電気自動車まで幅広く手がけている。76年は約27.5万台だった四輪車の生産台数が、2016年はBMW単独で約200万台。企業のありかたが変わっているのだ。

全長4815ミリ、全幅1725ミリ、全高1365ミリ(写真=BMW)

 そんななか、初代6シリーズは、まだ規模が小さく、そのかわり “とんがった”製品を作っていた時代のBMWをほうふつさせる。

 まあ、いまもそういう製品を作っているのだが、当時のBMW車はすべて運転好きのためのクルマとして“キャラ立ち”していた。

 発表から40年以上たった今でも、6シリーズはクラシックカーイベントなどで人気が高いのは、よくわかる気がする。

サイドウィンドーのカーブの美しさも人気の理由(写真=BMW)

 ボディーは小さくないのだが、ほっそりと見え、エレガントさも感じさせる。それがよさの第一点。

 もうひとつのよさは走りっぷりだ。直列6気筒エンジンを搭載して、(とくに当時は)スポーツカーのようなドライブフィールが堪能できた。

ドライバーのほうに向いたダッシュボードと使い勝手のよい操作機器類(写真=BMW)

 エレガントなルックスに、スポーティーな操縦性。ぼくは数年前に欧州でじつにひさしぶりに6シリーズに乗る機会があったが、現在でも十分に楽しいとつくづく感じ入った。

 自動車好きはよく知っていると思うけれど、当時BMWの手がける6気筒エンジンは“シルキーシックス”と言われた。滑らかに高回転まで回ることを指していたのだ。

逆スラントしたノーズにキドニーグリルと4灯式ヘッドランプの組み合わせがスポーティーな印象をつくっている(写真=BMW)

 スムーズに回ればパワーがすぐに出る。アクセルペダルを踏み込んだときも気持ちがいい。その頃、BMWに匹敵するぐらいよく回るエンジンを手がけていたのは、アルファロメオなど数が限られている。

 しかも6シリーズはさきにも触れたとおり、2ドアのボディーがスタイリッシュだ。逆スラントといわれるフロントノーズに、BMWの象徴であるキドニーグリルと4灯式ヘッドランプの組み合わせもよかった。

ミュンヘンのBMWミュージアムに置かれた628CSi(写真=BMW)

 インテリアの造形も古びてみえない。計器盤ぜんたいを運転席のほうに傾けたのは、ドライバーのためのクルマを作るBMWのポリシーの表れ。こういうところがファン心理をくすぐった。

 カッコいいとは感覚的な表現であることは承知している。きちんと言葉で説明してくれと言われても、なかなかうまくいかない。でも見ても乗ってもワクワクする。BMWとは昔からそういうクルマである。

210馬力を超える当時はものすごくパワフルな6気筒搭載の635CSiは1978年登場(写真=BMW)

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